野音。日暮れから月夜まで、劇的に変化していく空を楽しみながらロックンロールに浸れる最高のハコだと思います。飲めないビールをグッとロックな感じであおりたくなりました(笑) 蟹江一平

野音。日暮れから月夜まで、劇的に変化していく空を楽しみながらロックンロールに浸れる最高のハコだと思います。飲めないビールをグッとロックな感じであおりたくなりました(笑) 蟹江一平

【連載コラム】蟹江一平がエレファン
トカシマシのライヴに行く(第8夜)

皆さんこんばんは、「蟹江一平の今夜も歌っていいですか?」第8夜です。
9月27日に、日比谷野外音楽堂で開催されたエレファントカシマシのライヴに行って来ました!
エレカシ毎年恒例・26年連続となる野音ワンマン。少しだけ残暑の残る夕暮れ時からライヴはスタートして、夜が訪れ月夜になり、終演する……  素敵な夜、野音ならではの夜をエレカシの熱いプレイとともに堪能しました。
その昔、「ファイティングマン」という曲のオープニングでかき鳴らされるギターの音にやられ、怒濤の如く押し寄せるボーカル・宮本氏の熱量がハンパないボーカルにやられ、あっという間にエレカシの虜になった。以降、リリースされる数々のアルバムを聴き、「エレカシの迷いと自分の迷い」を勝手に照らし合わせたりして生きてきた。
アルバムセールスが全く伸びない、ライヴの動員も伸びない、おまけにライヴで客に悪態をつく…… 日本のロック界で孤立を深めて行ったエレカシだが、出すアルバム出すアルバム名盤すぎる! と、当時全く何もかも上手く行ってなかった自分には「救いの手を差し伸べてくれるようなアーティスト」だったのだ。
「どうしようもない男たちが奏でる毒気に溢れたロックンロール」を「出口の全く見えない暗がりの中でもがき続けるどうしようもない男」が聴き、ひとり勝手に共鳴し、共感していた。
後に、ひょんなことから俳優を志すことになるのだが芸名を「宮本一平」に変えようと思っていたくらいで、当時所属していた事務所の社長に「地味だからやめろ」と言われ泣く泣く諦めたのだ(笑)
暮れゆく野音の空の下で観たエレカシは、昔の毒気と男気を孕みながらもどこまでも熱く、そしてどこまでも優しく名曲の数々をプレイし風のように去っていた。
終演後、野音を後にするお客さんたちの顔が「さあ、明日もがんばろうぜ!」という充実感に満ちた笑顔で溢れていて、「ああ…… 明日も不器用に戦って行くぜ、友よ!」と思った。
そしてふと見上げた夜空に月が、笑っていた。
「ああ、君をそっと、抱きしめたくなった………」

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■蟹江一平プロフィール

蟹江一平 東京都出身、1976年生まれの39歳。
1999年NHK朝ドラ「すずらん」でデビュー。以後数々の映画、ドラマに出演するも15年以上もの間「やや売れ俳優」として地道に活動を続ける。
2014年10月、CX系「アウト×デラックス」出演後、バラエティー番組に出演し始め「2015年、やや売れ俳優からじょじょ売れ俳優になり始めた」(本人談)。2015年10月からはTBSラジオ「ザ・トップ5」金曜パーソナリティを務めている。(番組HP:http://www.tbsradio.jp/top954/
無類の音楽好きでカラオケ好き。夢は「CDを出して全国ツアーしたい!」とのこと、今後俳優業はどうなってしまうのかー?!
蟹江一平

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(C)蟹江一平
野音。日暮れから月夜まで、劇的に変化していく空を楽しみながらロックンロールに浸れる最高のハコだと思います。飲めないビールをグッとロックな感じであおりたくなりました(笑) 蟹江一平

OKMusic編集部

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