マキタスポーツ主演ドラマ『PANIC I
N』は「ヒーローになれる気分を味わ
える」木村好克監督インタビュー

――『PANIC IN』は、かなり突出していますね(笑)。監督することが決まった時、いかがでしたか?
 
「炎とミサイルの企画書の表紙を見た瞬間に、僕はアクション映画が大好物なので“やります”と。プロデューサの森谷さんからもアクションをやってほしいというオーダーがあって、その要素を採り入れたモノをやることにしました。後はオマージュですよね。BSスカパー!さんなので、連動してパニック映画を放送することも面白いと思いました。自分の好きな映画の面白い要素を採り込み、オリジナルのドラマを作っていくってめずらしいことで、自分の映画愛が存分に反映されたと思います」

――拝見すると、地上波では難しい内容が満載で(笑)。実際に撮影を終えていかがですか?
 
「実際に撮影してみると、いい意味で制約がなかったというか、もちろん予算的、時間的な条件はありましたが、内容に関しては脚本のとおりに好きなようにやれて、チャレンジングなことができる企画だったので、面白かったですね。連日深夜までスタッフにはけっこう無理言いましたけど、撮りたいモノは我慢せずに全部撮った、という感じですね。後は、マキタさんをイジりたおせることかな(笑)。興味がある俳優さんだったので、そこは面白いところでした。実際にリアクションなどが優れていて、瞬発力が高い方だなという印象でした」

――主演のマキタスポーツさんが、なんとも言えない魅力を放っていましたね(笑)。
 
「僕の作品では、アクションの練習はなかった。現場ですべて、ぶっつけですね。その前にプランニングだけはすべて行い、Vコンテをマキタさんには事前に送りはしていましたが、現場でひとつひとつ動きを説明して、その場で練習していただいて。マキタさんは年上ですが、お互いにジャッキー世代。お互いに共通のイメージを早めに持てたので、アクション撮影はこなせました。あとはノリで危険なこともいっぱいやっていただいて、水中に顔をつけるとか(笑)。テストではしなかったことを本番で突然やってみて、マキタさんも楽しそうでした(笑)」



――本当にアクション・スターみたいな瞬間もありましたよね(笑)。カッコいいというか。
 
「マキタさんの中にアクション俳優的な要素は、あると思います。イメージはジャッキー・チェンを狙ってやっていましたが、結果的にはマイケル・ホイのほうに転がったような気がしますけどね(笑)。ほかの監督の作品も拝見しましたが、どのコスチュームも似合うというか。どの作品にも溶け込んでいて、それもマキタさんの特徴なのかなと思いましたね」

――また、映画ネタも多いですよね。『沈黙のコック』は、明らかにケイシー・ライバックですよね!?
 
「第2話の『沈黙のコック』は『沈黙の戦艦』ですね。と、『ダイ・ハード』も入っています。『沈黙の戦艦』がメインで、シンプルにコックが厨房で戦うシーンをやってみたかっただけなんですけど(笑)。アクションのテイストとしては、往年の香港映画のやり方を入れました。だから、ジャッキーの『プロジェクトA』しかり、『ポリス・ストーリー/香港国際警察』しかり、です。非力な寅雄がテロリストを倒すに当たって、その場にある道具を使って、知恵を絞って倒していく。セガールみたいに武術ができる人であれば戦えたと思いますが、そうではない人がどうなるかやってみたかったですね」

――最後になりますが、『PANIC IN』を待っているファンの方へメッセージをお願いします。
 
「あらゆる状況でいたぶられるマキタさんが観られるので、観れば元気になりますよ(笑)。それはヒロインをピンチから救うために頑張っているので、大変な状況ではありますが、共感できる楽しいドラマになっていると思います。普段はヒーローになれない人がヒーローになれる気分を味わえると思うので、そこも注目ポイントかと思います。元ネタを探すことも一個の楽しみ方ですよね」

『PANIC IN』DVD-BOXは、好評発売中。

© スカパー!
取材・構成・撮影/鴇田 崇(OFFICE NIAGARA)

<関連サイト>
『PANIC IN』(BSスカパー!)
『PANIC IN』(ポニーキャニオン)

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