おもてなし!外国人と屋形船で過ごす
時に似合う曲
ミュージックソムリエ協会では、「こんな時に聴きたい音楽!」ということで、日常のヒトコマで、ふっと聴きたい音楽を選曲しました。選曲はすべて、ミュージックソムリエ(http://musicsommelier.jp)によるもの。
日本に観光で訪れる外国人が増えている昨今。訪れた人たちに日本の夏を贅沢に楽しんでもらうならば、やっぱり屋形船は外せません。ということで、今回は外国人と屋形船で過ごす時に似合う曲を集めました。美メロからクラシックまで、豊かなラインナップをお楽しみください。
1.「東京ブギウギ」/笠置シヅ子
1947年に発表された、笠置シヅ子の「東京ブギウギ」日本らしいとは言えないかもしれないですが、だからこそ外国からのお客様も覚えやすくノリやすいのではないでしょうか。そして、美空ひばりはじめ、活動を再開したユニコーン、福山雅治など有名なアーティストがカバーし、アニメーションやCMでもカバーされるこの曲は間違いなく日本を代表する楽曲なんです。
(選曲・文/和久井 直生子)
2.「Shangri-La」/電気グルーヴ
この「Shangri-La」(シャングリラ)は1997年3月21日にリリースされ、自身の過去最高売上を達成した大ヒットシングルとなりました。
自動車のCM曲として起用されたり、以前とんねるずが番組内でPVのパロディーをやったこともありました。とても話題性に富んだ楽曲のため、普段テクノを聞かない人たちにとっても聞き覚えがあるかもしれません。
この曲はベブ・シルヴェッティ(Bebu Silvetti)というアルゼンチン出身の音楽家が作曲した代表曲「Spring Rain」(https://youtu.be/GEo2Cbj2dKg)が、元ネタとなっています。リゾート感溢れるラテンの香りが不思議と日本の”オトナの遊び場”的なイメージとよくマッチします。
外国人の皆様にはぜひ、夜の川に浮かぶ屋形船に日本の情緒を感じてもらいつつ、ノリの良い日本の宴会風景も一緒に楽しんでいただきたいと思います♪
(選曲・文/高原千紘)
3.「にんじゃりばんばん」/きゃりー
ぱみゅぱみゅ
日本らしさって、伝統的な美に基づいたものだけでなく、ポップカルチャーでもバッチリ表現できるのです。しかもこの曲、外国人に大人気の忍者(Ninjya)がモチーフ。エレクトロでキラキラした印象ですが、実は日本独特のヨナ抜き音階(長音階ドレミファソラシドの4番目と7番目、ファとシを抜いた音階)で、出来上がっているのです。
ポップかつ、日本の伝統的なものもうまく取り入れている21世紀型の日本らしさ満載の曲で、日本人も外国人も大盛り上がりなこと間違いなし!なのです。
(選曲・文/石井由紀子)
4.「Long Yellow Road」/秋吉敏子=
ルー・タバキンビッグバンド
故郷から遠く離れたアメリカの地でジャズミュージシャンとして生きてきた苦しい道のりを表現した曲との事ですが、ジャズミュージシャンとして生きる未来への長い道のりや、黄色いレンガの道とのダブルミーニングなど、多様に受け取れます。
このビックバンドでは前年にも、和学やジャズと日本古来の和楽を融合した”孤軍”という素晴らしいアルバムを発表しており、この時期の好調ぶりが伺えます。(なお表題曲収録のアルバムにも、民謡をテーマにした楽曲があり自身のアイデンティティへの執着が伺えます。)運営の難しいビックバンドを30年も続けた手腕や、溢れるエネルギーは脱帽するしかありません。日本の偉大なジャズアーティストです。
(選曲・文/田中孝典)
5.「風のとおり道」/久石譲
ということで、今回はお馴染み「となりのトトロ」から、誰もが知る名曲"風のとおり道"をチョイス。ただし、お酒が飲める屋形船のシーンということで、ちょっとオトナ向けのオーケストラヴァージョンをお聴きください。
やはり名曲は、どういう形になっても名曲ですね!
(選曲・文/伊藤威明)
6.「LET'S ONDO AGAIN」/大滝詠一/
アミーゴ布谷
7.「FUNK FUJIYAMA」/米米CLUB
1989年にリリースされた楽曲で、曲中のセリフ「デカケルトキハワスレズニ」は当時流行った某クレジットカード会社CMの決めゼリフを彷彿とさせ、時代を感じます(笑)。
屋形船の窓辺にぶらさがる提灯、畳敷きに低いテーブル、天ぷら・お寿司など日本食を代表するお食事、お酒を飲んで大声で盛り上がる日本人・・・初めて来日した外国人の方々にとっては、一つ一つの光景が新鮮に映ることと思います。
慣れない日本文化に戸惑っているようなら、この曲の簡単な歌詞の単語を拾って一緒に歌ってもらいましょう。きっと素早く互いの距離も縮まる…はず?!
(選曲・文/高原千紘)
8.「水上の音楽~Air・Menuet・Bour
ree」/ゲオルク・フリードリヒ・ヘン
デル
曲は、様々な曲の組み合わせから構成されていますが、特に優雅な気分を味わってもらうには、「エアー」・「メヌエット」・「ブーレ」がおすすめ。ちょっと贅沢な気分を味わっていただくには最高の曲です。
(選曲・文/藤井憲治)
9.「浜辺の歌」/三宅由佳莉(海上自
衛隊東京音楽隊所属)
日本を訪れる外国人を、伝統の屋形船にておもてなしをするなら、日本の文化、伝統、芸術に、是非、触れて頂きたいですネ!
「浜辺の歌」は、1916年(大正5年)に成田為三による作曲。唱歌として歌い継がれてきた日本の伝統ともいえる音楽作品です。現在のような喧騒とは無縁に近かった 日本の浜辺を、やさしく、美しく、心やすらぐメロディーにて、日本語の歌詞がわからなくとも、その情緒に癒されることでしょう。日本の歌を、外国人だけではなく、日本人の若い世代にも、是非、歌い継いでもらいたいと思います。
ご紹介する演奏は、自衛隊の唯一の歌姫、「三宅由佳莉」による演奏です。彼女のいる自衛隊という環境も幸いしてか、むやみに飾らない、やさしさと清々しさがあふれる歌声に癒されます。
(選曲・文/堀川将史)
編集:鈴木健士(NPO法人ミュージックソムリエ協会 理事長)
シンコーミュージック刊『音楽業界 金のバイブル』にてインタビュー掲載
出典:ミュージックソムリエ協会staff blog
ミュージックソムリエ養成講座
著者:NPO法人ミュージックソムリエ協会
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