ボードゲームの祭典開催! 『ゲーム
マーケット2023秋』1日目速報レポー

東京ビックサイトにて12月9日~12月10の日程で開催されている、日本最大のアナログゲームの即売会イベント「ゲームマーケット2023秋」
初日の会場の様子と、気になったブースなどの紹介をしていこうかと思う。
前回より来場者が増えたように感じられる盛況ぶり
会場は前回のゲームマーケット2023春と同じく、東京ビックサイトの西館で行われた。
早期入場の11時まえには、行列がメインエントランスいっぱいまで延びており、イベントへの期待の高さが伺えた。
開場の合図とともに待機していた来場者が一斉に会場内に雪崩れ込む。
みな足早ではあるものの、走る者はおらず、マナーの良さも伺える。
早期入場者は人数の制限もかかっており、開場直後の11時台はまだ会場内スペースに余裕はあるものの、それでも行列が出来て混雑するブースがいくつも見られた。
アナログゲーム出版社では大手となるホビージャパンのブースには、新作や「ワケアリ商品」(シュリンク破れや軽度の箱破れにより割引された商品)を大量に買い求める来場者で行列ができていた。
主催のアークライトの物販ブースは恒例の混雑っぷり。新作「六華」を買い求める来場者が多かったようで、12時の一般入場が開始されるまえに売り切れていた。
ちなみに六華は、12月14日頃に全国で一般販売もされるとのことだ。
アークライトブースの裏にはスペシャルステージが設けられ、三遊亭楽天さんの「TRPG落語」を皮切りに、ボードゲームデザイナーのMartin Wallace氏(代表作:ブラス、蒸気の時代など)や海外イラストレーター、国内出版社、ドイツで行われている世界最大のボードゲームイベント「SPIEL Essen」についてなど、様々なトークショウが行われた。
今回から主催のアークライトのブースとして運用されるようになった「マーダーミステリーブース」も盛況で、開場直後から長蛇の列。運営はゲームマーケット2022秋と同様に、OZONが行っている。
「LIQUOR GAMES CLUB|サントリー」のブースでは、バーカウンターが設置され、スタッフもバーテンダーを模した格好で接客対応を行っていた。ちなみに、本物のお酒(サントリーの飲料)を並べているが、ドリンクの提供はしていない。あくまでゲーム販売のブースだ。

ボードゲームカフェを全国に展開する「JELLY JELLY CAFE」のブースでは、新作ゲームの試遊が盛況。老若男女問わず、来場者の笑顔が溢れていた。

企業ブース以外でもところどころに行列が見られ、入場数に限りがあるとは思えない盛況ぶり。
しかし、ピークは12時の一般開場後で、通路が狭く歩き辛くなるくらい人に溢れていた。
明らかに前回(ゲームマーケット2023春:2日間で2万2000人来場)より来場者の多さを感じる。
ボードゲームの購入や試遊以外でも様々な「楽しい」が詰まったイベント
ゲームマーケットは、ボードゲームの物販以外でも「楽しい」がたくさん詰まったイベントになっている。会場内を歩くと、各ブースごとに様々な設営がなされており、歩いて回るだけでも楽しく過ごせるだろう。
「狩歌」で有名なXaquinelのブース。「うんこっていいたい」と大きな看板が目を引く。

うんこと言えば、こんなストレートなコスプレをしている出展者も……
A-26「MOGURA GAMES」

12月という事もあり、クリスマスツリーをブース内に設けているエリアも。このツリーは謎解きのギミックとのこと。
会場内にはゆるキャラも登場。
もはや恒例(?)となった、ボードゲーマーマッチングアプリ「ボドゲゴー」のマスコットキャラ「スタピくん」と、中古買取&販売のブックオフのマスコットキャラ「よむよむくん」が会場内で子供に人気。
個人ブースでも、出展者がコスプレをしてゲームを案内している姿をたびたび見かけた。
こちらは、オ-06「ジラフ計画」ブース。サンタコスは他にも見かけたが、ツリーコスは珍しく、目を引いていた。
頒布していた「ブラッククリスマスポーカー」は三色のカードを使って役を作る、ポーカーや麻雀に近いゲームとのこと。
ト-19「ライデア」ブースは、ドイツの工房着風の制服を着た3人がお出迎え。

頒布していた「あざとカルタ」は、読み札に書かれたセリフに対して、「あざとい」セリフで返す大喜利系のゲーム。
返すセリフをカードにして、カルタのように取り合うことで、大喜利のハードルは、かなり低くなっている。
ナ-22「ようがくじ」ブースでは、袈裟姿での接客。出展者の向井さんは、本物の住職とのこと。
販売されているゲームはどれも仏教にちなんだ面白い題材のものが並ぶが、中でも「法話ガチャ」と題されたガシャポンマシーンが目を引く。クオリティが高い。
今回から始まった「チャック横丁」
10年くらい前、同人ボードゲームには「チャック袋」でゲームを販売する文化があった。
今のようにボードゲームを作ってくれる印刷所が無いころ。同人作家たちは、名刺印刷でカードを作り、チラシ印刷でルールブックを印刷した。それをチャック袋に収めて売っていたのである。
昨今は、同人(インディーズ)ゲームも外装が綺麗になり、クオリティが上がった一方で、製作費も販売価格も上昇傾向にあるように見える。
そんな状況下で、今回のゲームマーケットから登場した「チャック横丁」は、昔ながらのチャック袋での提供を前提とし、出展料も安くすることで、「アイディアを売る場所」を提供しているといえよう。ゲームマーケットの原点回帰といえる。

そんなチャック横丁でも気になるブースがあったので紹介したいと思う。
横-09「ゆるあーと」は、協力ゲーム「ワードインディアン」を頒布。筆者がブースに行った際には既に売り切れていた。
横-10「Power9Games」は迫りくる天災や狼から自身を守るために家を強化していくサバイバルゲーム「春待ち村」を頒布していた。
※写真左:Power9Games 坂本氏 ※写真右:ゆるあーと あかしあ氏
どちらも、チャック袋にゲームを入れて販売。チャック袋の大小はあれど、コンパクトに作られたゲームの中に確かな面白さを感じることが出来た。

他にも「キニナル」ブースをいくつか

他にも、筆者が会場を回って気になったブースをいくつか紹介する。
ナ-25「東京なかよしデザイン」
新作の「超五十六ゲーム」は、お題を当てる系の協力ゲーム。面白いのは、お題を当てるために出していくヒントが必ず「誉め言葉」でなければならない点。「褒められることを探す」というのは、案外と難しく、そして非常にポジティブな発想に思わず笑顔になるゲームだ。
ハ-19「AvignonGames」
頒布されていた「ソノトキボクハ」は、出題者のエピソードから気持ち(お題)を当てる協力ゲーム。
ゲームとしての楽しさの他に、ゲーム終了後もエピソード内容を思い返して会話が弾むように考えて作られているという。友人や家族と出がけで遊ぶのに最適なゲームだろう。
ゲームマーケットで頒布されているのはゲームだけにあらず
ボードゲームモチーフではあるが、ゲームマーケットではボードゲーム以外の物も売られている。最近では、Tシャツやトレーナー、バッグやハンカチなど様々なグッズが売られているが、その中でもちょっと変わったグッズを頒布しているブースを紹介したいと思う。
ヌ-19「アナログゲームミュージアム」
ゲームマーケットの創始者である「草場純」氏(写真左)が仕掛ける新しい試み「アナログゲームミュージアム」の会報を頒布していた。アナログゲームミュージアムは、アナログゲームの保全や現況の調査報告などをアカデミックに行うことを目的として設立された組織で、企業や個人(会員)からのスポンサードで運営している。
会費は月額300円から。
ハ-45「しえすた文具」
最も面白いと感じたのは、しえすた文具で頒布されていた冊子「ハラダ記念日」
ドイツのHans im Glück社が販売している「ハダラ」(日本語版はアークライト)と、歌人の俵万智氏の代表作「サラダ記念日」を捩ったタイトルが既におもしろいこの冊子は、ボードゲームを題材とした短歌を収録した同人誌。
なぜ短歌なのか?という問いに対して
作者の「やぎのすみれ」氏いわく
やぎの氏
「ボードゲームの内容に着目するのではなく、ボードゲームの環境とか風景のようなものを短歌に出来たらきれいじゃないかと思って始めた。」
とのこと。確かに収録されている短歌を見てみると、「ボードゲームあるあるを詠う」というよりは、ボードゲームとそれを取り巻く環境や、何かしらのテーマを詠んでいる句が多い。
筆者が面白いと思った句は次の句。
「ハダラ記念日」収録短歌:
いつの日か火星に移住する未来
僕にとっては今日の出来事
人類にとっては火星への移住はまだまだ未来の話であるが、テラフォーミングマーズなど、火星を開拓するゲームを遊ぶボードゲーマーにとっては、現実ではないけれど、いまの出来事であるというちょっとした気付きとおかしさがよく表れている。
「短歌の本」という変わったグッズについて来場者の反応はどうか尋ねると
やぎの氏
「短歌という文化は、もちろんボードゲーム界隈には無いので出展することに対する不安はあった。ただ、他になく珍しいというのは感じてもらえて、手に取ってくださることも多く安心している。」
と話しており、これからも書き溜めて第2弾、第3弾も出していければと語ってくれた。
やぎの氏は他にも、日々書き留めたボードゲームの感想をまとめた「るボドゲ」という冊子も頒布しており、こちらも簡潔にゲームの面白さ(時には至らなさ)などがコンパクトに綴られた秀逸なものとなっていた。
どちらもボードゲームへの愛着が伺え、続刊を期待したくなるグッズだった。
ゲームマーケットは一期一会の祭り
昨今では、ゲームマーケットで人気のゲームは同人作品であってもすぐに商業化されたり、作者自身が通販などで販売をしたりと会場に行かずとも手に入ることが多くなった。
筆者も足を運ぶ理由が年々少なくなったと感じてはいるものの、必ず一期一会ともいえるべきゲームとの出会いや、そこにいる人たちとの出会いがあるとも感じている。
そして何より、「祭り」にある独特の雰囲気、そこにある高揚感といったものを体験・共有することができる。
今回の「ゲームマーケット2023秋」は12/10まで。
ぜひ、この楽しさを、「祭り」を体感して欲しい。

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