ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナル
ト-」~忍の生きる道~、悠未ひろ(
大蛇丸役)に聞く

ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~忍の生きる道~ が、2023年10月~11月、神奈川・兵庫・東京にて上演される。神奈川公演 10月10日(火)18時の回では、<イープラススペシャルデー>も実現。
<イープラススペシャルデー> はうずまきナルトの誕生日(10月10日)!
★スペシャルカーテンコールあり!
★ご来場者様全員に10月10日の公演日時入り、メインビジュアルを使った特製ステッカー(非売品)を配布いたします!
★ご来場者の中から抽選で10名様に公演ポスター(非売品)をプレゼント!

本シリーズで主要キャラクター・大蛇丸を演じ続けてきたのが悠未ひろ。完結編となる「忍の生きる道」本番に向け、作品の進化、物語の進化、キャラクターの進化、そして自身の進化についてを振り返りながら、本作に寄せる思いを語ってくれた。

──現在、お稽古真っ最中とお聞きしております。現場の雰囲気はいかがですか?
自分が出演していたのが2015年少年編初演から2019年「暁の調べ」再演までで、今作まで少し期間が空いていたのですが、2015年少年編初演の頃の私はすごく若い世代がいっぱいいる中での大人、という感じだったんですけど……今は馴染みのメンバーもなんだかすごく大人になったな、というイメージですね。うちはサスケ役の(佐藤)流司くんなんて、お稽古場に自分でお弁当を作って持ってきてたりして。そうか、ちゃんと身体を労ってるんだね、偉いなぁなんて、つい感動しちゃいました(笑)。2015年少年編初演の頃は若い俳優さんたちがとにかくみんな元気いっぱいすぎて、本当に「身体を大切にね」って何回も思ってたことがあったので……なんだか親のような気持ちですよね(笑)。でもライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」がきっかけで本当にみんな仲良くなって、すごく濃い時間を過ごしてきたんですよ。私が出ていない間もみんなの出演している作品を観にいくこともありましたし。でも改めてこうしてまた舞台「NARUTO」の現場で再会し、みんなの成長を目の当たりにできて、私はとても嬉しかったです。
──再会、そして新たな出会いも。
今回初めてご一緒する方もたくさんいらっしゃいます。私は人見知りなんですけれど……でもこれも『NARUTO-ナルト-』という作品の持つ力というか、『NARUTO』がカンパニーのみんなをつなげてくれているという実感がすごくあるので、すでにもう、すごく居心地良く、リラックスして稽古させていただいています。それはいつものスタッフの方々や、演出の児玉(明子)さんが変わらずいてくださっているのもとても大きいと思います。やっぱり児玉さんも……私もそうなんですけど、宝塚歌劇団を卒業、退団して、そしてこの『NARUTO』に出会って今があるという共通点があって。顔合わせでもそういうお話をされていたんです。それを聞いて「私も同じです!」っていう気持ちで……本当に、私にとって退団後もこうして舞台に居続けられる大きなきっかけになったのが、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」だったんです。
──では8年前の少年編初演。初めに大蛇丸のオファーが来た時の心境というと……。
もちろん「やるぞ」という前向きな気持ちはあるものの、私はとても長い間、宝塚という特殊な世界にいたので、いろいろ戸惑いはありました。大蛇丸って、口から蛇を出したり、それこそ自分が出てきたりとかするじゃないですか(笑)。なのでビジュアル撮影の時も結構「口を開けて」「舌を出して」みたいなオーダーもあったりして、でもすごくそれが抵抗があって──。
──退団が2013年、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」の少年編初演が2015年でしたからね。
そうなんです。だからやる気はすごくあったんですけど、退団後の自分にはなかなか敷居が高い役でもあり……実際、自分の中ではかなり大きな一歩を踏み出さないとできない役でもありました。それを「えいっ」とやれたからなのか、さらにそこから長年演じ続けさせていただいているからなのか、大蛇丸はもう今では自分にとってもなくてはならない役であり、悠未ひろの中に……私の一部に大蛇丸がある、みたいな感覚ではおります。完結編に参加することも大きな目標だったんですよ。「最後まで大蛇丸で出れたらいいな」という思いは自分の中ですごく強かったので、こうして出させていただいて本当に感謝です。
──舞台としては久々に登場の大蛇丸。物語内ではその在り方にも変化が訪れています。
最初本読みをした時にすごく込み上げるものがあって。というのは、個人的に「自分が悠未ひろとして2015年少年編初演から出ている」という思い入れみたいなものがフラッシュバックしたのもあるんですけども、『NARUTO』が持っている作品のメッセージというのが……やっぱり「つながり」だったり「仲間」だったりというところってホントにぶれてなくて、ああ、最後まで「そこ」なんだということにすごく胸を熱くさせられました。大蛇丸自身はここまでいろんなことを見てきた上で「戦う気はない」「今はそういうことじゃなくて……」というような境地になっていることにも驚いています。大蛇丸がそんなこと言うなんて、ですよね。キャラクターとしてはそこがすごく大きく変わったところですね。でもここまでにナルト、サスケ、サクラ……子供だったみんなが成長しているのと同様に、大人であった大蛇丸自身もさまざまな経験を経てさらに成長しているんじゃないかなって、あのセリフからすごく感じました。変わらない部分はやっぱりサスケくんに対する執着、ですね。大蛇丸は彼のことを「いれもの」って言いますけど、彼自身の持つ強さだったり、信念とか、才能とか、そういうものにもすごく惹かれ続けているんじゃないかなと思って。そこは今回も貫いていきたいです。
──見どころがたくさんありそうです!
音楽も素晴らしいんです。少年編初演から「暁の調べ」から……私が出てない回もですけど、過去作からの音楽もたくさん盛り込まれていて、メロディーで泣かせるというところもある。そこもすごく見どころ……聴きどころなんじゃないかなと思いました。お客様もふっとメロディーを聴いてよぎるいつかのシーン、いつかのセリフが絶対あると思うので。大蛇丸の歌ももちろんあるんですけれど、これはもうメロディーラインが“大蛇丸メロディーライン”……“大蛇丸音階”とでも言いますか、なんか必ず怪しいところへいくという(笑)。難しくてちょっと気持ち悪い音程に跳ねていく楽曲たちを、またまた音楽の和田(俊輔)さんが作ってくださっております。これまで何度も経験してきた「不穏な音階、来た来た来た! そうそう、これこれ」の感覚! 今回もそんな音楽に存分に思いを乗せ、歌でも声でも大蛇丸としての表現をしていきたいですね。キャスト、音楽、そしてセットも組まれている稽古場はもう完全に『NARUTO』の世界観。役作りは今までも今回もまた一からやっていくんですが、そこに立つと自分もふとその気になっちゃうというか、この環境にもすごく助けられています。気を配らなければいけない細かなこともいっぱいあるんですけど、そこにすでに自分の中に積み重ねてきたものがあるというのはすごくやりやすいというか、心地良い、気持ち良い。自分にちゃんとベースがある分、心配なくその先もいけるというか。毎日すごく楽しんでやれてます。
──今回、公演中にイープラススペシャルデーを実施させていただけることになったのですが、マスコットのプラみちゃんはご存知ですか?
個人的には私、イープラスさんにはいろいろとお世話になっておりまして(笑)、プラみちゃんにもお会いしたことがある気がします。ポーズは……こうですね(ポーズ! 笑)。貸切公演を入り口に、新たに『NARUTO』に触れていただける機会にもなっていただけたらすごく嬉しいです。キャストを見ても多種多様、いろんな持ち味の方々が揃っていますので、ぜひぜひ公演を楽しんでいただけたらなと思います。幅広い層の方に見ていただけたらすごく嬉しいので、頑張ります!
──悠未さんご自身も、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」をきっかけにまた新たな層へとファンの方々が広がっていったのではないかと。
はい。以前、お仕事とは関係なく老人介護施設に伺った際、そこにいらした看護師さんに急に「大蛇丸さま!」って呼ばれまして。そういう場所で「大蛇丸」っていうワードが出てくるっていうのもすごくびっくりしましたし、しかも、私のこの顔のままだったので(笑)、「ええっ!?」って思って、それはもうめちゃくちゃ嬉しくて。『NARUTO』が大好きで、舞台を観ていてくださって、舞台の大蛇丸が好きで、私のこともチェックしてくださっていたのだそうです。そして私を見つけて思わずテンションが上がって「大蛇丸さま」って声をかけてくださった。あの看護師さんのお顔、忘れられません。やっぱり2.5次元舞台っていろんな年齢層に浸透してるんだなって思いましたし、『NARUTO』の人気っていうものが、すでに幅広いものなんだと再確認しました。
──お客様にとっても悠未さんにとっても4年ぶりの大蛇丸。最後に、劇場で再会する時を心待ちにしてくださっているみなさんへメッセージをお願いいたします。
私自身も本当に思い入れがあり、私の芸能生活の中でもすごく大事な作品になっているライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」の完結編に出演することができて、本当に幸せに思っております。この感謝の気持ちを劇場に来てくださるお客様に向けて、一生懸命演じたいと思います。「演じる」ということってすごく奥が深くて、なんか……「嘘」なんだけど、それが「本当」みたいになるといいなといつも思うんです。それこそ大蛇丸なんて本当だったら、実際にこの世の中に存在していたらもうちょっとびっくりしちゃいます(笑)。けれどそれが「ああ、架空の世界を描いたアニメの舞台化ね」みたいな感じではなく、自分の心の奥深くの魂とリンクして本物の感情が生まれた時、そんな大蛇丸とキャラクターすら「嘘なんだけど本当」と受け止めてもらえる作品創りができたらいいなと思いますし、それはやはり俳優だけでなく劇場に来てくださるお客様と共に作る空間で実現するものなのだろうと思っております。大蛇丸が出てきた瞬間に劇場内を包み込むんでしまうような空気を……全てを支配しているような圧、大蛇丸の色を全力でお届けしたいです。まずは幕が開くその日まで稽古場で日々精進してまいりたいと思います。ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」~忍の生きる道~、ぜひ楽しみにしてください。
取材・文=横澤由香

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