親子孫の三代の運命が交錯する壮大な
人間ドラマ! 大東立樹(ジャニーズ
Jr.)&渡邉蒼主演ミュージカル『ダ
ーウィン・ヤング〜悪の起源〜』開幕

ミュージカル『ダーウィン・ヤング 悪の起源』が2023年6月7日(水)から東京・日比谷シアタークリエ で開幕した。
本作は、パク・チリの小説を原作にしたミュージカル作品。2018年に韓国のソウル芸術団によって初演され、今回が日本初上陸。潤色・演出を手がけるのは、『舞台 刀剣乱舞』や『舞台 鬼滅の刃』の作・演出や、完全オリジナル作品である『TRUMP』シリーズを10年以上にわたり発表している末満健一。タイトルロールでもあるダーウィン・ヤング役は大東立樹(ジャニーズJr.)と渡邉蒼がWキャストで主演する。
初日を前にしたゲネプロ(総通し舞台稽古)を観た(なお、ダーウィン・ヤング役は渡邉蒼)。ゲネプロの様子を写真とともにお伝えする。
『ダーウィン・ヤング〜悪の起源〜』ゲネプロの様子

『ダーウィン・ヤング〜悪の起源〜』ゲネプロの様子
まずはあらすじをお伝えしよう。
舞台は市街が9つのエリアに区分され、厳格なる階級制度が敷かれている架空の都市。200年の歴史を誇る全寮制のプライムスクールに入学した16歳のダーウィン・ヤング(大東立樹/渡邉 蒼)は、教育部長官のニース・ヤング(矢崎広)を父に持つエリートだが、この世界の厳格な階級制度に疑問を抱いていた。ダーウィンは、同じような考えを持つレオ・マーシャル(内海啓貴)と出会い、仲良くなる。そして、プライムスクールで開催された骨董品交換会で、古びたフードと、カセットプレイヤーを交換する。

『ダーウィン・ヤング〜悪の起源〜』ゲネプロの様子

『ダーウィン・ヤング〜悪の起源〜』ゲネプロの様子
場面は、30年前に16歳で何者かに殺害されたジェイ・ハンター(石井一彰)の追悼式典。感動的なスピー等するニースの傍らで、ジェイの弟であるジョーイ・ハンター(染谷洸太)は大袈裟な式典を催すことに不満を漏らしている。ジョーイにとってこの30年は、常に兄のジェイと比較され、劣等感を抱き続けてきた30年間だったからでもある。
ニースは、ジェイとともに同級生で親友同士でもあったバズ・マーシャル(植原卓也)から声をかけられ「ドキュメンタリー映画の監督としてプライムスクールの撮影をすることになったので、息子のダーウィンの協力を仰ぎたい」と相談を持ちかけられる。

『ダーウィン・ヤング〜悪の起源〜』ゲネプロの様子

『ダーウィン・ヤング〜悪の起源〜』ゲネプロの様子
そんな折、ダーウィンは密かに恋心を寄せている同級生のルミ・ハンター(鈴木梨央)から力を貸してほしいと依頼される。好奇心旺盛で頭脳明晰なルミは、伯父であるジェイの部屋で見つけたアルバムの中から1枚だけ写真が消えていることに気づいた。ジェイの死の真相に迫る《何か》が写っていたはずの写真。その謎を突き止めるため、ダーウィンはルミとともに行動する。
この世界の最下層エリアである第9地区。膨大なデータが眠る国立図書館。ダーウィンとルミは、謎解きの旅の中で少しずつ真相に迫っていく。
60年前に起きた「12月革命」。その革命のリーダーだった「額に大きな傷がある少年」。その特徴と奇妙に符合するダーウィンの祖父であるラナー・ヤング(石川禅)……。さらに、ラナーが第9地区の出身でありながら、第1地区の教育部長官にまで上り詰めた父ニースの知られざる過去……。

『ダーウィン・ヤング〜悪の起源〜』ゲネプロの様子
真相に近づくに従い、ダーウィンの祖父と父が、それぞれ闇に葬った秘密が明らかにされていく。殺害されたジェイ・ハンターの死の真相は? 古びたフードとカセットプレイヤーに隠された秘密は? そして、タイトルが暗示する「悪の起源」とは何を意味するのか? すべてを知ったとき、ダーウィンが選んだ道とは――?
親子孫の三代の運命が交錯する、壮大な人間ドラマとなっている。
『ダーウィン・ヤング〜悪の起源〜』ゲネプロの様子

『ダーウィン・ヤング〜悪の起源〜』ゲネプロの様子
舞台上には、中世ヨーロッパにある伝統的な修道院を思わせるセットがそびえ立ち、賛美歌のような重厚なコーラスで幕が開く。主軸には複雑で重々しい親子孫のストーリーが据えられているのだが、場面としてみると、“学園もの”のような雰囲気や“サスペンスもの”の要素もありながら、某有名フランス革命ミュージカルが始まるのか?某彼と私の2人芝居ミュージカルが始まるのか?と思わされる場面も散りばめられており、なかなかバリエーション豊かで楽しい。プロジェクションマッピングを活用した最先端な見せ方もあるかと思えば、アンサンブルキャストを生かしたとても演劇的な要素もあって、末満の演出が光る。

『ダーウィン・ヤング〜悪の起源〜』ゲネプロの様子
渡邉蒼は今回がミュージカル初主演。現在18歳ということで、役のダーウィン・ヤングとも年齢が近い。まぶしいほどの若さと、足の先から爪先まで満ち満ちたエネルギッシュな姿に目を奪われるし、歌唱も安定感が出てきたように思う。初日を前に「この上ない緊張感です。ただそれよりもっと強くあるのが、“残酷なほどの美しさ”、“明かされてはいけない秘密”、どんな言葉でも言い表せない“得体の知れないもの”が解き放たれるのを今か今かと待っている。そんな感覚です。あとはカンパニーの皆様の胸をお借りし、ダーウィンとして全てを投じるのみ……!必ずこの作品の叫びは沢山の方に届くと思います。シアタークリエ でお会いできることを心から願っています!」とコメントしている。Wキャストの大東立樹はまた違ったアプローチをしていると思うので、見比べるのも楽しいだろう。
そして、父親のニースを演じる矢崎広。こちらも難しい役どころだが、苦悩する姿は色気すら感じて、なかなかのハマり役。祖父のラナーを演じる石川禅。劇中で「16歳」になる際は自嘲するような場面もあったが(笑)、それでも歌も芝居もさすがの安定感だった。
上演時間は約3時間5分(1幕80分、休憩25分、2幕80分)。東京公演は6月25日(日)まで。ぜひお見逃しなく!
取材・文・撮影=五月女菜穂

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