新正俊、森田桐矢らが魅せるバスケの
楽しさと熱い青春 アグレッシブ ダ
ンス ステージ『DEAR BOYS』稽古場レ
ポート

「月刊少年マガジン」(講談社)にて、1989年より連載している八神ひろきによるバスケットボール漫画『DEAR BOYS』。番外編『THE EARLY DAYS』、『ACT2』、『ACT3』、『OVER TIME』を経て、現在は『ACT4』を展開している。バスケットボールを題材とした漫画としては史上最長の連載30年超、累計部数は4,500万部を突破する大人気シリーズだ。
2020年に舞台化が予定されていたが、コロナ禍を受けて全公演が中止となった。今回、演出・伊藤今人(梅棒/ゲキバカ)、脚本・畑雅文らクリエイター陣が再集結し、新キャストを迎えて2023年6月1日(木)より上演される。
本番を目前に控えて行われたテーマソングの振り入れと通し稽古の様子をお届けしよう。
振付を担当する塩野拓矢(梅棒)のレクチャーを受け、まずは動きの確認から。アップテンポな曲のため、タイミングを丁寧に擦り合わせてメリハリをつけていた。最初こそ「間違えた!」という声も上がっていたが、曲に合わせて何度か確認すると、あとはそれぞれが自主練を重ねながらスピーディーに完成度を高めていく。
数人ずつ集まって動きの大きさや角度を合わせたり、誰かがリクエストして曲がかかると各々踊り始めたり。キャスト陣が主体性を持って練習する様子をクリエイター陣やスタッフが見守り、適宜アドバイスをするスタイルは、本当に部活のよう。上手くいくと自然と拍手や歓声が起こり、いい雰囲気の中でクオリティがぐんぐん上がっていく。稽古スタートから1時間ほどすると各々が歌詞を口ずさみながらダンスをしているスピード感に驚かされた。
今回、キャストは男性のみ。物語の随所で主人公たちに影響やヒントを与えるヒロインがいない点を懸念する原作ファンもいるだろう。だが、要素を減らし、瑞穂高校男子バスケットボール部のメンバーに焦点を絞ることで、限られた人数でもバスケットボールの面白さや熱さをしっかり見せていると感じた。30年以上前にスタートした漫画を今の時代に舞台化するにあたり、どんな脚本・演出になっているのかという部分もひとつの見どころだと言えるのではないだろうか。
天才肌の転校生・哀川和彦の天真爛漫な明るさ、とある理由で部活動を休止している藤原拓弥・三浦蘭丸・土橋健二・石井 努の友情とバスケへの想い、彼らがチームになっていく過程の感動はそのままに、一部のキャラクターの変更、現代に合わせたアレンジがなされている。哀川の軽やかさとクレバーさを両立させる新 正俊、藤原が抱える苦悩を鮮烈に見せる森田桐矢の二人を主軸に、チームを支える三浦をクールながら温かく演じる三井淳平、頼もしい土橋をおおらかに表現する鹿子島光人、哀川とはまた違った明るさで場を盛り上げる石井役の坂田大夢と、バランスの良いチームが出来上がっていた。彼らを導く顧問・氷室義男役の高木勝也は、大人として一歩引いた視点から部員たちに接し、物語を引き締めている。
今回のライバルである成田中央高校も、顧問の下條 薫役の高木トモユキ・チームの要である森山敦司を演じる灰塚宗史を中心に個性を発揮し、立ちはだかる壁としての存在感を放っている。さらに、さまざまなキャラクターを演じて多くのシーンを盛り上げるSixth Menの活躍も見逃せない。
また、“アグレッシブ ダンス ステージ”と銘打っている通り、作中では試合を含めた多くのシーンがダンスで表現される。
振り付けは華やかでスタイリッシュ。ユニゾン部分はきっちりと揃えつつ、ちょっとした振りでキャラクターの個性や立ち位置がわかり、それでいてバスケットボールをしていることが伝わるパフォーマンスに仕上がっている。ドリブルからスムーズにダンスに移ったり、ダンスがいつの間にか1on1になっていたり。階段や高さの違うセットをうまく使ってフォーメーションを立体的に見せ、プレーの迫力を出していた。
ステージ上で本当にバスケをする場面もあり、新をはじめとするキャスト陣が軽やかにボールを操っているのも印象的だった。ドリブルやパス、ディフェンスといった動きが自然とダンスにつながっていく流れが美しい。
大きくて重いボールが体の一部のように動く様子は壮観で、リアリティが感じられると共に「ボールを持ったままでこんなに踊れるのか」という驚きを与えてくれる。実際にプレーしながら演技するのは難易度が高いはずだが、瑞穂高校と成田中央高校のプレースタイルの違い、試合の中での細やかな変化も感じられる。本当の試合を見ているような緊張感とワクワクが感じられ、照明や映像、衣裳、ヘアメイクが加わって作品が完成するのが非常に楽しみになる稽古だった。
(左から)鹿子島光人、森田桐矢、新 正俊、三井淳平、坂田大夢
そして、6月11日(日)の18:00公演はイープラススペシャルデー。抽選で瑞穂高校キャストのサイン入りポスターのプレゼントがあるほか、公演中の写真撮影タイムが予定されている。瑞穂高校のレギュラーを演じる5人は、「スペシャルデー、ぜひお越しください!」というコメントと共に「当日もたくさんポーズを取ろう!」と嬉しい予告も。
両手で+を作るイープラスポーズでの撮影中も、「腕の高さを合わせたほうがいいんじゃない?」「次は僕らのフォーメーションで」と、作中の5人のように抜群のチームワークで明るく楽しい雰囲気を作ってくれた。
(上段左から)新 正俊、森田桐矢、三井淳平(下段左から)坂田大夢、鹿子島光人
本作は2023年6月1日(木)~6月18日(日)まで、Mixalive TOKYO Theater Mixaにて上演。上記のイープラススペシャルデー以外にも様々なイベントが予定されている。彼らが見せる情熱を、ぜひ劇場で体感してほしい。
取材・文・撮影=吉田沙奈

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