『FUJI ROCK FESTIVAL’23』

『FUJI ROCK FESTIVAL’23』

【インタビュー】
フジロック主催SMASH
「いろんな意味において、
今年が正念場だと思っています」

ヘッドライナーのリゾは、
ちょっと冒険した感はあったんです

──テーマのようなものはあるんですか?「若いアーティストを呼ぼう」とか。

佐潟:それはやっぱりありますよ。大御所的なフー・ファイターズだったりストロークスだったりがいるんですけど、それ以外のヒップホップとかも含めた新しめのアーティストをね。ここ4~5年はそのような意識で動いてるんですけど、今年は特に強かったようにも思います。

──最終日30日のヘッドライナーはリゾですし。

佐藤ハリー:ヘッドライナーはみんなで案を出しながら相談しあって決めていくんですが、ブッキングで動いているアーティストのひとつにリゾがいて、みんなでアプローチした感じでしたね。

──ヘッドライナーって大きな話題になりますが。みなさんで相談して決めるんですか?

佐潟:これが結構ね、意見割れるんですよ。

──わかる気がします(笑)。どうやってまとめるんですか?

佐潟:タイミングにもよるんですよね。ぶっちゃけ言うと、決めたときは「フー・ファイターズやストロークスと比べると、ヘッドライナーとしてリゾは弱いよね」って言ってたんですよ。だからちょっと冒険した感はあったんですけどね。

──まぁ、キャリアが全然違うけど。

佐潟:そうです。でも、2023年2月3日に出演発表をして、その翌週に彼女がグラミー賞(年間最優秀レコード賞)を獲ったんですよ。

──神様が微笑んだ瞬間だ。

佐潟:そうそう(笑)。それでリゾが盛り上がってきた。

──素晴らしいアンテナ感度。

佐潟:たまたまですよ(笑)。
──いや、先見の明ですから。過去、そのような忘れられないミラクルなブッキングって?

佐潟:思い出すのはやっぱりケンドリック・ラマーですよね。当時(2018年)だと「ヘッドライナーに持ってくの?」っていう意見もありましたから。

ハリー:そこにちょうどボブ・ディランが入ってきたんです。それはよく覚えてますね。

──ボブ・ディランの出演もとんでもないことでした。

佐潟:ケンドリックが決まった後にパッとたまたま出てきた話だったんですよね。アジアツアーやるからフジに出たい、みたいな話になって。

──なぜ<フジロック>だったんだろう。

佐潟:まぁ、本人なのかマネージメントなのかわからないですけどね。「え、UDOさんに言わなくて大丈夫なの?怒られちゃうよ」とは思いましたけど(笑)。

──それにしてもすごいエピソード。

佐潟:いろいろと紆余曲折してますから、やってて楽しいですよね。「リゾ入れてよかったな」って思えたりします。当初は批判的な人もいましたけど…僕も含めて(笑)。

──<フジロック>に出たいと熱烈なオファーもたくさんあるんでしょうね。

佐潟:そうですね。出たいって言ってくれるアーティストはいます。もう20年以上もやってるので、海外のマネージメントもさすがに名前を知っていて、<フジロック>に出てからもう一回単独で日本に戻ってくるという流れも多いですね。

ハリー:最近、海外からの売り込みが多いんです。海外アーティストのマネジメントの人と話してても<フジロック>のことはみんなよく知ってます。国際的な認知はあるし、海外のアーティストもアジアに行ったらまず出たいフェスとして名前は挙がってくるんですよ。

──どんな魅力を感じて<フジロック>に出たがるんでしょう。アーティストに対するケアが手厚いから?

山本:いや、我々が特別何かをしてるっていうことではないと思うんですね。菓子折りを渡すようなわかりやすい何かもしてませんし(笑)。来日して宿泊して、苗場までやってきて最終的にステージに上がるという中で、できるだけストレスのないようにしてるだけです。東京からだと車でも3時間くらいかかりますし、海外から来たアーティストが高速道路を走って山の中に入っていくというのは普段は全くない出来事ですから、わからないことがあったりするわけですけど、そういうところでもストレスがないようにはしています。いざステージに上がった時は、各ステージの各スタッフができる最善のことするだけ。でもそういうことは最低限の普通のことですから、特別に何かを意識をしてやっているわけではないんです。ただ、根底として、<フジロック>に来るアーティストには、小さいバンドであろうが大きいバンドであろうがせっかくだから「いいライブをしてほしい」「楽しんで帰ってもらいたい」っていう気持ちはスタッフ全員が持っていますから、もしかしたらそういう部分がアーティストには伝わってるのかもしれませんね。

佐潟:あとはね、あの場所だと思いますよ。山に囲まれた苗場という環境。やっぱり、昼間とかにグリーンステージに立つと気持ちいいですもんね。
『FUJI ROCK FESTIVAL’22』GREEN STAGE

『FUJI ROCK FESTIVAL’22』GREEN STAGE

──ステージに立ったことないから分からないけど(笑)。

佐潟:気持ちいいですよ。雨が降らなければ(笑)。

──ま、ステージに限らず、お客さんにとっても気持ちいい環境ですから。

佐潟:そうですね。川とかもありますし、滅多にできない体験だと思いますよ。

山本:日本のバンドもそうですけど、あの環境の中であれだけ大きなステージに立つということは、それだけで特別な体験だと思うんですよね。実際、それが好きだからという理由で<フジロック>には出たいというアーティストもいますし、それで何度も来てもらってるアーティストもいますから。
『FUJI ROCK FESTIVAL』

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OKMusic編集部

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