郷ひろみ、新たな決意を示す全国ツア
ー開幕「51年目は1からリセットする
つもりで」

郷ひろみが、5月20日(土)府中の森芸術劇場 どりーむホールにてコンサートツアー<Hiromi Go Concert Tour 2023 NEW INTENTIONS>の東京公演を開催した。本記事では、オフィシャルレポートをお届けする。
レコードデビュー50周年を記念し、2つのコンサートツアーに加え武道館公演を開催するなど、昨年は特に精力的な活動を展開した郷。51年目を迎えた今年も、その勢いは止まることを知らない。「NEW INTENTIONS(新たな目的)」と題された今回のツアーでは、郷のさらなる進化と価値を観客に提示するショーを創り出している。

特に目を引くのが、円形の回転舞台を駆使しシームレスに場面を切り替える演出だ。1920年代風のナイトクラブ、静かなアパートメントの一室、そして激しいロックコンサートの会場など、演目にあわせ姿を変えるステージ。プロジェクションマッピングなど最新技術をいち早く活用することで知られる郷のショーだが、今回はそれらに加えて、アナログなギミックを敢えて主軸に置くことにより、斬新ながらもどこか優しく、暖かみを感じさせる世界を見せてくれる。

一方、セットリストからは、アニバーサリーイヤーを経て新たな出発点に立った郷の決意が感じられる。特に印象的なのは、80年代の隠れた名曲「TRICK」の大胆なジャズアレンジから始まる冒頭のセクションだ。ここ数年は、誰もが知るヒット曲を中心にアクティブなイメージを前面に出すショーを展開してきた郷だが、一方でジャズへのアプローチも強めていた。アーティスティックな一面にフォーカスした今回のセットリストは、これからの郷の方向性を探るうえでも、興味深いものといえるだろう。

もちろん「GOLD FINGER‘99」や「お嫁サンバ」などヒット曲が随所に散りばめられているほか、バンドメンバーとのダンスコーナーも大幅にバージョンアップされているなど、明るく楽しい「郷ひろみ」の魅力を存分に味わえる構成となっているのは、言うまでもないこと。その極致ともいえる、109枚目の新曲「俺は最高!!!」が始まると、会場全体が熱狂に包まれた。

「皆さんのお陰で、レコードデビュー50周年という節目の年を超えることができました。自分自身にとっても、とても大きな意味を持つ昨年でしたが、その想いをいったん胸にしまい、51年目は1からリセットするつもりで、新たな挑戦をすべく、皆さんと一緒に船出ができればと思います」。と、初日のステージ上から、51年目の新たなる出発に対する意気込みを語った郷。次なる目的地へと向かい、さらに磨きあげたエンターテインメントの新世界に注目したい。

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