メガテラ・ゼロ

メガテラ・ゼロ

【メガテラ・ゼロ リコメンド】
圧倒的な歌唱力を備えた
メガテラ・ゼロが
創出する上質な音世界

歌い手、シンガーソングライター、Mr.FanTastiCのヴォーカリストとして活動を行ない、多数のリスナーから篤い支持を得ているメガテラ・ゼロ。現在インターネット上で旋風を巻き起こしている「酔いどれ知らず」の彼の歌唱動画が驚異的な再生回数を記録していることやTVアニメ『もののがたり』の主題歌「誰が為」のシンガーに抜擢されるなど、ここに来て目が離せない存在になっている。そんなメガテラ・ゼロの魅力を紹介しよう。

意欲的な音楽活動を行ない、
その全てが高い評価を獲得

 インターネットが普及/浸透したことで世の中にはさまざまな変化が起こり、当然ながらその波はミュージックシーンにも訪れた。事務所やレーベルなどに所属することなくインターネット上で注目を集めたことでメジャーな存在になるアーティストが現れたり、インターネット界隈のムーブメントがミュージックシーン全体に影響を及ぼしたりするのは日常的なこととなっている。また、インターネットアーティストによるフェスが開催されて多数のリスナーが来場するなど、オンラインとリアルの境界線は薄まり、現在では双方が密接した関係性を築いている。

 そんな時代に相応しく、ここ最近の邦楽シーンでは“歌い手”によるインターネット・ミュージックシーンで「酔いどれ知らず」という楽曲がバズり、かつての「千本桜」のようにジャンルを超えた一曲になるのではと大きな話題を呼んでいる。Kanaria氏のペンによる同曲のカバーにはビッグネームも含めた多数のアーティストが参戦して盛大な賑わいを見せており、そんな中でも5500万回超えという驚異的な再生回数を叩き出しているのがメガテラ・ゼロだ。
 彼はシンガーソングライターと歌い手の活動を並行して行なっており、自身のYouTubeチャンネルの登録者は106万人。歌い手としてアップしている歌唱動画の「君の神様になりたい」(4200万回)や「シャルル」(3800万回)、「臨界ダイバー」(3600万回)などは圧巻の再生回数を誇り、シンガーソングライターとしても2022年は1年間に32作品を発表。オリジナル楽曲「Down」のMVもYouTube上で300万回超えの再生回数を記録しており、今年1月に発表した「この夜に乾杯」は250万回に迫っている。今年4月に発表の「Oh wow!」は1カ月足らずで100万回再生を突破したことから、彼が多くのリスナーを魅了していることが分かる(再生回数は現在も増加中)。

 さらに、メガテラ・ゼロはMr.FanTastiCのヴォーカリストという顔も持っていて、全ての活動が高い評価を獲得。そして、今年7月から放映されるオニグンソウ原作の人気TVアニメ『もののがたり』第二章のオープニングテーマ「誰が為」を歌うシンガーに抜擢されたことも話題を呼んでいる。
 そんなメガテラ・ゼロの歌唱を聴いて最初に感じたのは、時代感のある歌を歌うことに長けているということだった。特に、それはボカロ曲を歌唱している“歌ってみた”系で顕著である。“時代感のある歌=リスナーが求めている歌”は時代の変化とともに変わっていくもので、逆にポップス/ロックなどの歌声は時代を映し出す鏡とも言える。では、2023年現在のリスナーが求めている歌とは、どういうものだろうか?

 邦楽の歴史を振り返ると、1980年代前半頃まではシンプルでゆったりとしたメロディーの楽曲がミュージックシーンの主流だった。当時は歌謡曲にしても、ロックにしても、節の長いメロディーをビブラートを効かせて歌うスタイルが好まれていたが、80年代半ばにBOØWYが一世を風靡したことで状況は少し変わる。スタイリッシュな楽曲とリズムを強調したヴォーカルを組み合わせた彼らの音楽性は多くのリスナーの心を掴み、多数のビートロックバンドが現れて、ヒットチャートを賑わせるようになる。ビートロックの隆盛が国内にリズミックなヴォーカルが浸透していくきっかけのひとつになったのだ。

 その後、90年代のミクスチャーやヒップホップ(ラップ)、ブレークビーツ、00年代のユーロビート、R&B、2010年代のEDM、ネオソウルなどの流行を受けて邦楽はサウンド/ヴォーカルともに、よりリズムが重要視されるようになっていく。そんな流れの中から生まれたボカロミュージックは瞬く間に多数のリスナーを魅了し、現在ではJ-POP、J-ROCKのフィールドでもボカロテイストを活かした楽曲が数多く存在している。

 ボカロミュージックは最先端の音楽に相応しい圧倒的なスピード感やリズミカルかつ音程差の激しいメロディーなどが特色として挙げられる。そのためボカロ曲を生で歌うには幅広い声域やリズム感の良さや滑舌の良さ、一曲を歌いきるフィジカル/メンタル双方の強靭さなどが必要となる。そして、そんな歌が現在の多くのリスナー(特に若い世代)が求めているものというわけだ。
「Oh wow!」サムネイル
「この夜に乾杯」サムネイル
「Down」サムネイル

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」