A.B.C-Z五関晃一と戸塚祥太が明かす
、互いの芝居、役の解釈とは 大阪松
竹座開場100周年記念『夜曲~ノクタ
ーン~』取材会レポート

5月20日(土)、大阪市内にて、大阪松竹座開場100周年記念『夜曲~ノクターン~』の取材会が行われ、W主演のA.B.C - Z五関晃一と戸塚祥太が出席した。
6月6日(火)から6月22日(木)まで、大阪松竹座ににて上演される『夜曲~ノクターン~』は、1986年に初演された横内謙介の戯曲『夜曲 放火魔ツトムの優しい夜』を原作とした舞台。小劇場ブームのさなかの1986年、善人会議(後の扉座)で上演され、その後さまざまな演出家やキャストで上演を重ねている。
今回の大阪松竹座開場100周年記念『夜曲~ノクターン~』では、A.B.C-Zの五関晃一と戸塚祥太が主演。五関は孤独で優しい新聞勧誘員で放火魔のツトム、戸塚は火事後の廃墟へ 700 年前からタイムスリップしてきた武士・十五を演じている。共演には、元HKT48 の兒玉遥、元乃木坂46の相楽伊織、元宝塚娘役トップスター愛原実花、河合雪之丞らが名を連ねている。演出は、劇団・柿喰う客の代表で、『フォーティンブラス』やハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』などの外部プロデュース作でも知られる演出家・中屋敷法仁がてがける。
大阪松竹座開場100周年記念『夜曲~ノクターン~』 (c)松竹
気弱な新聞勧誘員のツトム(五関晃一)は放火魔。ある夜、彼は幼稚園の廃墟に放火する。そこに現れるサヨ(兒玉遥)という少女。サヨはツトムがマッチを擦ると必ず現れる不思議な少女で、話すのは今夜が初めてだった。ツトムが幼稚園の廃墟を放火したことをなぜか喜ぶサヨ。すると、焼け跡から十五(戸塚祥太)と名乗る武士が現れる。十五は 700 年前に、主君である早川家のお世継ぎ・虎清を守るために悪霊・玉野尾(愛原実花)と戦い、その呪いによって長い眠りに落とされていたという。さらに次々と現代に蘇ってくる 700 年前の武士や姫たち。玉野尾は深い恨みから虎清の失墜を狙い、虎清とその許嫁・千代姫(相楽伊織)の婚約を破棄させるべく、家来の黒百合(河合雪之丞)を虎清の元に送り出す。時代を超えた勢力争いに巻き込まれたツトムは一体どんな選択をするのか。
五関晃一✕戸塚祥太
左から、戸塚祥太、五関晃一 (c)松竹
五関晃一(以下、五関):今回、田山ツトム役を演じさせていただきます五関晃一です。稽古が始まって手ごたえも感じており、はやくお客様にお見せしたいという気持ちでいっぱいです。観ていただいた方の背中を押せるような作品にしたいです。そしてこの公演を成功させ、大阪松竹座開場100周年のバトンを次に繋げたいと思います。
戸塚祥太(以下、戸塚):今回、塚田遼一くんに休むことに専念してほしいということで、私が田村十五役を演じさせていただくことになりました。これまで何度も出演させていただいた大阪松竹座の100周年に自分が携われること、大変光栄に思っております。いつも以上に張り切って舞台に立ちたいと思います! そして松竹座を盛り上げることはもちろん街の活気にも貢献したいです。
――五関さん、戸塚さん、お二人で主演をされるのは初めてでしょうか。
五関:ジャニーズの舞台以外で、とっつー(戸塚祥太)と2人で出演することは初めてですので、とても新鮮です。自分のキャラを分かってくれているので、アドリブのシーンでは安心感があり、思いっきりぶつかりにいくことが出来ます。
戸塚:僕はジャニーズの舞台以外でメンバーと出演すること自体がはじめてですので、今回凄く楽しみです。どのような化学反応が起きるのか。貴重な時間になると思います!
――戸塚さんは田村十五の役をどのように解釈されていますか。
戸塚:700年前の侍の役。自分はその時代に生きたことはないので、台本に書いてあることをしっかり読み取っていきたいです。生まれにコンプレックスがある役で、いろいろ考えさせられることがあります。十五が生きるために強いられている枠組みがあり、一生懸命生きようとした人間という印象です。
――五関さんは、田山ツトムの役をどのように解釈されていますか。
五関:僕が演じるツトムは現代人の役ですので、700年前からタイムスリップしてきた十五とは価値観のズレがあります。そこに生まれるクエッションをお客様側で表現していくイメージです。お客様の共感を得ないといけないので意識していきます。
――お稽古が始まって手ごたえを感じている部分はありますか。
戸塚:アンサンブルの方がいろいろな相談にきてくださったり、出演者の皆さんが良い意味でぶつかってきてくださいます。また今回、セリフが結構な分量あるのですが、殺陣のシーンもたくさんあって、正直びっくりしています(笑)。ですが、殺陣をやるとチームワークがさらに強化されます。僕自身、アクションが好きなので、気持ちが高ぶっており、すごく楽しみです。
五関:(劇団新派の)河合雪之丞さんとは稽古場での席がお隣で、所作やイントネーションなど、沢山アドバイスをくださいます。出演者のみなさんとの距離感は、とてもありがたいです。
――役者としてはお互いどのようなイメージをお持ちですか。
戸塚:五関さんはどのお仕事でもすごく器用でマルチ。“天才”という言葉がしっくりきます。もちろん努力があってのことだと思いますが、そもそものポテンシャルがすごく高い人です。
五関:スイッチが明確で分かりやすいです。今回、ツトムと十五の友情が芽生える場面と、逆にぶつかる場面があるのですが、目が全然違います。ぶつかるシーンは、こちらが演じる必要もないぐらい「こわい……」と思いますね(笑)。あとはセリフ覚えがとても早いです。
――どうやってセリフを覚えているのでしょうか。自分なりのルーティーンなどはありますか。
戸塚:芝居は、同じ言葉が出てくることがあるので、何回この言葉を通過したというイメージで覚えています。ドライブのような……このコースを通るんだという感覚です。前後の接続詞が違うトラップもあるので、楽しんでやっています。あとは声を録音して、聞きながら散歩しています。
――40年ほど前に出来た作品ですが、現代に通じる部分はありますか。
五関:700年前を生きる十五たち。そして現代を生きるツトム。いつの時代も、ツトムはお客様側の心情だと思っているので、ツトムという役が、その年、その年の現代代表というイメージです。そういう意味では、お客様にも分かりやすいのではないかと思います。
戸塚:物事は正義や悪ではなく、なんでそうなったのかが重要だと思っています。人によってとらえ方が違う。自分がどう考えるかは、レビューだけでは判断できないと思います。そういう意味では、より現代の方が“君はなにをどう信じるのか。”というところが大切な時代だと思います。同様に、本当の判断は是非劇場に見に来てほしい、それぞれ感じたことを持って帰ってほしいと思います。
大阪松竹座開場100周年記念『夜曲~ノクターン~』は6月6日(火)から22日(木)まで大阪松竹座にて上演。

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