Superfly

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【Superfly インタビュー】
この時代だからこそ、
こういうアルバムができた

改めて分かった
自分の役割

《熱くあれ》と歌った「ダイナマイト」もそうでしたけど、《本能の復活さ ⽕の粉あげてさ》《なくしたもの取り戻せ》と歌っている表題曲の「Heat Wave」にはそれが特に強く表れていますね。単に自分を鼓舞する以上の強度を持った曲だと感じました。

撮影の時に焚火をして、初めは“火ってきれいだなぁ”なんて思って見ていたんですけど、“もっと火に近づいて!”と言われ、“これ以上は熱くて近づけないよ~”と。そこで自分がためらっていたら、突然火が怒ったように大きくなって、私に襲いかかるような感じになったんです。怖かった。その時に思ったのは、美しさの先には怖さがあるんだということで。自然を見て、私たちは軽はずみに“きれい”とか“癒される”とか言ってしまうけど、一方で怖い面もあるわけじゃないですか。で、現代人は怖いから燃えやすい木を切って、地面をコンクリートで固めて、そうやって自分たちを守ろうとしているようにも思えて。私は最近、そういうことにすごく違和感があるんですよ。そういうことに対してもアツくなってしまう自分がいて。

《無機質な世界なら愛せない》ってことですね。

はい。だから、“自分は自然の中のただの一部なんだ。こっちが自然を飼い慣らしているわけじゃなくて、自然に私たちが生かされているってことをもうちょっと考えたほうがいいんじゃないか”って。炎が大きくなった時に、そういうふうに反省したというか、ちょっとショックを受けたんです。

自然との共生で初めて持続可能な世界が生まれる。

そう! だから、ちゃんとした距離感を意識して過ごさなきゃいけないなぁって。今、地球もピンチなので。

温暖化問題ですね。《地球じゃなくて 心 高温になれ》と。

そういうメッセージもここに含ませたいと思ったんです。今の私にとってすごく関心のあることだし、ヤバいと思っているから。自然の中の自分は一部に過ぎないんだということは、この3年間とても感じていたことなので。

前作『0』から3年ちょっとの間に、志帆さん自身にはレコード会社移籍による別れと出会いがあったり、出産があったりといろんな変化があったわけですけど、同時に社会も地球環境も随分と変わっていっている。そうしたさまざまな変化について考えたひとつひとつが反映されたアルバムとも言えそうですね。

本当にそう。この時代だからこそ、こういうアルバムができたんだと思います。例えば「Love & Peace Again!」という曲の歌詞は、ロシアのウクライナ侵攻が始まった時にニュースで映像を観てショックを受けたことがきっかけで書いたものなんです。“これって本当に今、起きていることなの!?”と思って、この画面の中にいる人たちは悩んだりすることすらできなくて、もう違う世界で生きている感じがしてしまった。そこから日々いろんなことを考えて、やっぱり私は今の日常を大切にしたい、守りたいと思ったんですね。

何でもない日常を本当に真っ直ぐ肯定していて、晴れやかな気持ちになれる曲ですね。《これが⽇々の⾄福なんです。》というフレーズから今の志帆さんの暮らしの充実が伝わってもくるし、だからこそ《壊したくない》というストレートな言葉も胸に響きます。ここまではっきりと日常肯定感のある曲は珍しいし、昔だったら書けなかったのでは?

絶対に書けなかったでしょうね。書いても綺麗事に思われてしまうものになっていたかもしれない。戦争の映像をテレビとかで観て“つらいな”と感じていた自分がいたからこそ、その真逆の“至福”という言葉が出てきたんだと思うし、本当に自分がそう思っていないのに歌ったら嘘っぽくなったと思う。私はこの3年間、みんなと同じ時代を生きて、同じ社会の事件に直面する中で、同じ方向を向いている、つながっているという感覚を持つことが多く、そういう意味では安心感を得ながら感じたことを歌にすることができた気がします。そんな中で改めて自分の役割が分かったような気もしました。元気のない世界の中で、少しでもみんなに元気を持ってもらうことが私にとって大切であり、それが役割なんだなって、このアルバムを作りながら腑に落ちたところがあったんです。

取材:内本順一

アルバム『Heat Wave』2023年5月24日発売 UNIVERSAL SIGMA
    • 【初回限定盤A】(CD+Blu-ray)
    • UMCK-7212
    • ¥9,900(税込)
    • ※三方背スリーブケース 特別仕様
    • 【初回限定盤B】(CD+2DVD)
    • UMCK-7213
    • ¥8,800(税込)
    • ※三方背スリーブケース 特別仕様
    • 【通常盤】(CD)
    • UMCK-1749
    • ¥3,300(税込)

ライヴ情報

『FM802×Superfly New Album『Heat Wave』リリース記念 SPECIAL FREE LIVE』
5/24(水) 大阪・大阪市内某所 

『Superfly Arena Tour 2023 “Heat Wave”』
6/17(土) 神奈川・横浜アリーナ
6/18(日) 神奈川・横浜アリーナ
7/01(土) 新潟・朱鷺メッセ 新潟コンベンションセンター
7/08(土) 愛知・ポートメッセなごや 第1展示館 
8/11(金・祝) 宮城・宮城セキスイハイムスーパーアリーナ
8/19(土) 広島・広島グリーンアリーナ
8/26(土) 福岡・福岡国際センター
8/27(日) 福岡・福岡国際センター
9/02(土) 愛媛・愛媛県武道館
9/03(日) 愛媛・愛媛県武道館
9/23(土) 北海道・札幌真駒内セキスイハイムアイスアリーナ
9/30(土) 大阪・丸善インテックアリーナ大阪
10/01(日) 大阪・丸善インテックアリーナ大阪
10/14(土) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ

Superfly プロフィール

スーパーフライ:越智志帆によるソロプロジェクト。2007年にシングル「ハロー・ハロー」でデビュー。08年に1stアルバム『Superfly』をリリースすると、2週連続1位を記録! 以降、オリジナルアルバム及びベストアルバム計6作品でオリコンアルバムランキング1位を獲得。09年にはニューヨーク郊外で行なわれた『ウッドストック』の40周年ライヴに日本人として唯一出演し、ジャニス・ジョップリンがかつて在籍したBig Brother & The Holding Companyと共演を果たす。シンガーソングライターとしてのオリジナリティーあふれる音楽性、圧倒的なヴォーカルとライヴパフォーマンスには定評があり、デビュー17年目を迎えてもなお進化を止めずに表現の幅を拡げ続けている。Superfly オフィシャルHP

「Farewell」MV

「Farewell (Gospel Ver.)」MV

「Presence」MV

「ダイナマイト」MV

「Voice」MV

『Heat Wave』 トレーラー映像

Heart of “Heat Wave”
ダイジェストムービー

OKMusic編集部

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