【内田 彩 インタビュー】
世界が素敵な方向に向かって、
みんなとまた新しい思い出を作れたら
後輩声優たちの先を歩くような
存在にならなきゃいけないですね
ところで、今年11月には音楽活動も10年目になります。
本当に驚きです! “活動5周年”を祝うライヴを企画していたら、コロナ禍に入って中止になって…
その2年後の7周年にようやく開催されたのが『AYA UCHIDA 5+2 ANNIVERSARY LIVE〜And U!!〜』で、その模様は今作の限定盤にしっかりと収録されていますよね。
はい、まだ声出しはできない状況下でしたが、5周年とそれからの2年間の想いを込めてステージに立ちました。コロナ禍になってからは、バンドメンバー不在でも実現できるライヴのかたちを模索していました。例えば、ステージをディスコ風にして、可愛い衣装でエレクトロな楽曲だけを披露するとか。私のライヴは毎回が集大成クラスの公演だからこそ、今後は“夏だから!”とか“ラブソングだけ!”と、思いつきのようなコンセプトでたくさんステージに立っていきたいです。
今回のシングルが活動10年目を盛り上げる起爆剤になりそうですね。
ありがたいことにまた新しい作品を発売できて、本当に良かったなと。実は、世に情報が出ていなかったライヴもいくつか中止になっているんです。その時はもう、このまま活動がフワッと終わってしまったらどうしようなんて考えましたね。だからこそ、今まで溜めてきたパワーをとことん発散していきたいです。あと、レーベルメイトの後輩たちとも一緒にライヴをしてみたい!
内田さんの頼もしい後輩シンガーがこの数年で一気に増えましたよね。
日本コロムビアでは女性声優で初のアーティストとしてデビューさせていただいてから、今ではもう“何人いるの!?”とびっくりします。それと同時に、中身は相変わらないのに、“ヤバい、私って先輩なんだ〜”なんてことを考えてもいて。でも、例えば10年後に“私も内田さんのように音楽活動を続けていきたい”と目標にしてもらえる、後輩声優アーティストたちの先を歩くような存在にならなきゃいけないですよね。それに、年齢を重ねることで歌えるメッセージもあるので、そういったことも伝えていきたいな。
それも間違いないですね。先ほど音楽活動が“フワッと終わってしまったらどうしよう”というお話がありましたが…
当時を振り返ると、本当にあのままだとどうなっていたか。それに私自身も健康状態によっては、今までのように歌えなくなる可能性もきっとあるだろうなと考えていました。
それは誰もが望む終焉のかたちではないですね。そんな内田さんが考える将来的なアーティストの理想像はあるのですか?
ありますよ! 緒方恵美さんが2022年の春に主催されたイベント『Precious Anime&Game Song Festival』で、私はアシスタントMCとして出演させていただいたのですが、そのイベントに日本コロムビアの先輩アーティストである堀江美都子さんもご出演されていて。堀江さんの歌声を聴いて、感動して涙がこぼれたんです。私もアーティストを名乗るのならば、堀江さんのようになりたいんですよ。
キャリアを重ねてもなお、老若男女に世代を超えて愛される存在ということですね。
私自身も最近だとファンのみんなが結婚や出産を経験して、時には家族写真つきでメッセージまでくれることがあるんです。アーティストとファンという関係性から、大人になった今では同じ時間の中で生活していることを実感できるようになってきて。だからこそ、私もみんなのお子さんと一緒に応援してもらえるような存在になりたい。それに、私が群馬県出身ということで、2021年3月に歌わせていただいた「ぐんまちゃん えかきうた」のように、お子さん向けの歌にも改めて挑戦してみたいです。なので、理想の終わり方はあっても、結果的にはずっと続いていく気がしますね。
理想的な音楽活動の終わり方を聞きはしたものの、これはもう終わらないということで安心しました。今回のシングルに再び話を戻して、アートワークの仕上がりはいかがでしょう?
ポップコーンは散らかっているし、椅子にもきちんと座っていない。まぁ、若干…いや、だいぶお行儀が悪いです(笑)。
“悪うっちー”が登場しましたね。
きっと視線の先にはモニターがあって、映画か何かが映っているのかな? 何かの“Preview”を観ているのかも。
今回のMVを観ているかもしれませんね。
確かに! 今回のMVは「Pale Blue」のカップリングに収録した「Destiny」でリリックビデオを手がけていただいたクリエイターのWAKAMEさんが監督を務めてくださいました。口元や手元にフォーカスしたり、さまざまな色や動きが次々に切り替わったりと、今までとは少し雰囲気が異なるコミカルなショートフィルムのようになっています。そう言えば、なぜか私がネギをマイクに見立てて歌うシーンがあって。リハーサルで1本折ってしまい、最終的には2本のネギを家に持ち帰りまして。もちろん美味しく食べましたよ。
スタッフならぬ、“ご本人が美味しくいただきました”ですね。
ちなみにこぼれ話ですが、私が群馬県出身だから現場のネギも“下仁田ネギかも!?”とラベルを確認したところ、千葉県産と書かれていました。私はこの目でちゃんと見ましたよ! あのMVに出てくるのは千葉県産のネギです!(笑)。
取材:一条皓太
「Preview」MV
「Preview」 (Lyrics)
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