L→R さいとー(Dr)、かずき(Gu)、向後雅貴(Vo&Gu)、SHAKE(Ba)

L→R さいとー(Dr)、かずき(Gu)、向後雅貴(Vo&Gu)、SHAKE(Ba)

【鳩とスパイス インタビュー】
活動はこれからどんどん広く、
さらに精力的になっていく

自分が書いている歌詞に
元気づけられる

2曲目の「ワンデーユートピア」はいかがでしたか?

向後
この曲も《AM3:00のティータイム/9%なんかで酩酊しちゃって/ぱりらりら》というサビの歌詞はメロディーと同時に出てきました。この曲は歌詞を書くのがめっちゃ早かったですね。

サビの歌詞から全体像を作っていったと?

向後
そうです。そこから何を書こうか考えたんですけど、日頃から僕はお酒を呑んで、酩酊することが多くて、翌日に反省するんですけど、繰り返してしまう。その中で感じる《現実逃避と優越感》と《現実直視と憂鬱感》の対比を書いてみました。

この曲は「それは銀河鉄道にて」よりも演奏面でテクニカルなことをやっているとおっしゃっていましたが。

向後
演奏面で遊べるちょっとオルタナチックな、ちょっと捻くれたギターロックを目指しました。
SHAKE
デモを聴いた時、やりたい放題できると思って、実際に好き放題やっちゃいました。

スラップベースも含めて?

SHAKE
あれもデモにはなかったんですよ。本当はギターのかけ合いだったんですけど、入れてやろうと思って、ソロパートとしてもらっちゃいました。
さいとー
みんなが弾いている時、何もしないのは寂しいもんね(笑)。
SHAKE
そうそう(笑)。ひとりだけ宙ぶらりんは嫌だから、やっちゃいました。それぐらい好き放題やっても、むしろそのほうがカッコ良くなりそうだと思って、いろいろやりましたね。
さいとー
それに合わせたらドラムも激しくなっちゃって(笑)。やっぱり同じ温度感でやらないと、逆に浮いちゃうんで。でも、実はあえて抜いている場所もあるんですよ。鳩スパのドラムは前のめりにしないようにしています。かずきとSHAKEが前に出ているわけだし、全員が前に出ることに美学を感じないんですよ、自分は。だから、ドラムは常に後ろでいたいんです。

ヴォーカルとサオ隊を立てたいと。

さいとー
立てたいタイプですね。それを考えると、この曲はちょっとやりすぎましたね(苦笑)。ただ、温度感を合わせなきゃいけない曲だったので。
向後
カッコ良けりゃいいんだよ。
さいとー
はい。そのテンションでやりました。

かずきさんのギターは?

かずき
好きなことを好きなだけ詰め込ました。デモをもらった時、リズムの刻み方がちょっとボカロっぽいと思ったので、ボカロっぽいフレーズを最後までつけたら、“意外に良かった”と言ってもらえたんですよ。

歌が入ってからの前半は音数を抜いている印象がありましたが。

かずき
入れてはいるんですけど、目立たないように和音で入れて、その和音の中にたまに単音を入れて、そこだけ音が出ているように聴こえる感じでやっているんです。

そんな「ワンデーユートピア」と「それは銀河鉄道にて」は鳩スパが持つ振り幅の対極を物語る2曲だと思のですが、3曲目の「幸福に妥協はいらない」は、どういう位置づけになりますか?

向後
「それは銀河鉄道にて」「ワンデーユートピア」と比べると、今まで作ってこなかったくらい聴かせながら、ギターは演奏面でも美味しいところがあるミッドテンポのロックバラードなのかな?

確かに、かずきさんのギターはディレイを効果的に使った空間系のプレイが印象的でした。

かずき
向後も言ったとおり、この曲は鳩スパのバラードという位置づけだったので、前に出すぎずに後ろで包み込むフレーズが欲しかったんです。
さいとー
リズム隊のふたりは絶対前に出ないと思ってました。
SHAKE
だから、本当にシンプルに、シンプルにと考えて。
さいとー
無駄なことはしない。
SHAKE
歌に寄り添いました。

お話を聞きながら、楽曲、歌を真ん中に捉えて、アレンジやアンサンブルを考えていることが改めて伝わってきましたが、3曲の歌詞には生きることに対して真摯に向き合っているという共通点がありますね?

向後
僕、かなり悲観的な人間なんですよ。それを受け入れつつ、“悲観的な人間だからこそ書ける歌詞ってあるよね。そういう人にこそ伝わるものってあるよね”と思っているんです。ただ、器用に歌詞を書けるタイプではないせいか、考え込んで、考え込んで、頭がパンクしてからようやくドバッと歌詞に出しているんです。

歌詞に出すと、パンクした頭が楽になるのですか?

向後
歌詞を書いている時は、人に聴いてほしい、届いてほしいと思っているんですけど、同時にほんのちょっと自分に歌ってくれているようにも感じるというか、自分が書いている歌詞に元気づけられる一面もあるんです。なので、ちょっと楽になるかな?

もちろん、リスナーにもそんなふうに感じてほしいと?

向後
そうですね。まったく同じ人はいないと思うんですけど、少なからず自分みたいな人はいると思うので、そういう人に届いてほしいと思っています。

さて、シングルのリリース後はどんなふうに活動していこうと考えていますか?

向後
5月26日にShibuya Milkywayでリリースライヴをやります。その後、鳩スパとしては初めてなんですけど、6月12日の府中Flight公演を皮切りに全9公演の東名阪ツアーをやります。ツアーファイナルは8月31日の下北沢 近松です。それも含め、活動はこれからどんどん広く、さらに精力的になっていくと思います。本当にここからなんで、必死に、がむしゃらに、頑張っていこうと思います。配信シングルも含め、できればどんどんリリースもしていきたいですね。

取材:山口智男

シングル「それは銀河鉄道にて」2023年5月24日発売 蔵前レコーズ
    • HMKR-10009
    • ¥1.320(税込)

ライヴ情報

『鳩とスパイスpre. 〜天の川を渡る〜『それは銀河鉄道にて』リリースイベント』
5/26(金) 東京・Shibuya MilkyWay

『鳩とスパイスpre. ~天の川を渡る~「それは銀河鉄道にて」リリースツアー』
6/12(月) 東京・府中Flight
6/14(水) 埼玉・越谷EASYGOINGS
6/29(木) 千葉・Sound Stream sakura
7/16(日) 東京・下北沢 近道
7/30(日) 愛知・名古屋 RAD SEVEN
8/06(日) 東京・赤坂navey floor
8/14(月) 兵庫・神戸KINGSX
8/15(火) 大阪・寺田町 Fireloop
8/31(木) 東京・下北沢 近松

鳩とスパイス プロフィール

ハトトスパイス:2014年に向後雅貴(Vo&Gu)を中心に千葉県柏にて結成。バンド名の由来は“鳩くらい身近に、日常にスパイスを”。21年にメンバーチェンジを経て現体制にて活動を開始し、23年1月よりハピネットミュージックレーベルの『蔵前レコーズ』へ所属。同年3月に配信シングル「ワンデーユートピア」を、5月には初となる全国流通シングル「それは銀河鉄道にて」を発表。鳩とスパイス オフィシャルHP

「それは銀河鉄道にて」MV

「ワンデーユートピア」MV

OKMusic編集部

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