【The Brow Beat インタビュー】
コンセプチュアルな楽しさ
みたいなものも感じてほしい
「な訳ねぇだろ」のレコーディングは
めちゃめちゃ面白かった
続いて、5タイプ共通のカップリング曲「な訳ねぇだろ」。この曲も爽快感を湛えたロックチューンですが、ギャルっぽいコーラスなどが入っていて…
HAKUEI
あれは子供です(笑)。この曲を書いてくれたtatsuoのお子さんたちなんですよ。ふたりはYouTubeで『高級うみろんチャンネル』というのをやっているので、チャンネル登録をよろしくお願いします(笑)。「な訳ねぇだろ」は「ラブレター」ありきでカップリングはどういう曲にしようかと考えて、いっぱい曲を作ったんです。その中に、疾走感があるけど「ラブレター」とは全然違うキャラで、縦ノリのメロコア的なデモを作ってみて。カップリングも勢いがあるのもいいというところで、この曲をチョイスしました。で、ライヴの時にみんなで歌えるようにコーラスを入れて、イントロとかも合唱しているかたちにしたいと思ったんです。そうしたら、Ryujiくんのすごい歌詞が乗ってきた(笑)。とんでもない歌詞が!(笑)
HAKUEI
でも、この曲のレコーディングはめちゃめちゃ面白かったです。Ryujiくん、大喜利力あるなって(笑)。コーラスの《行こうベネズエラ》とか《五寸釘でも可》とかは、全部Ryujiくんがその場で考えたんです。もともとは入っていなかったんだよね?
HAKUEI
そこを追っかけヴォーカルみたいなので埋めようということになって、僕が歌うかどうするかということを言っていたんですけど、そこはもうガヤにしようということになって。それで、Ryujiくんに“コーラスの歌詞を考えて”と振って、ちょっと待っていたんです。そしたら10秒くらいで“俺、いつでもいけますけど”って(笑)。あまりの早さにびっくりしたし、歌ったら《行こうベネズエラ》だし(笑)、コントロールルームは爆笑でした(笑)。
個人的には《アイツだけは地味に腹下せ》に対する《気持ちゆるいかな》が一番ツボです(笑)。“ゆるい”というのが、お腹がゆるいという意味と天罰としてゆるいという2重の意味になっていますよね。
HAKUEI
そう! しかも、“気持ち”というのがいいですよね(笑)。思いきりお腹が痛いわけじゃないという(笑)。
「な訳ねぇだろ」はコーラスパートに限らず、歌詞そのものもいいですね。生きていると日々イライラすることがたくさんあるけど、The Brow Beatを聴いてストレスを発散させてほしい…ということを歌っているという。
Ryuji
あまりに忙しくて、マジでどうしようもないくらい疲れてしまった時があって。忙しいのはありがたいことなんですけど、本当にパツパツに詰まっている時期に歌詞を書いたらこうなりました(笑)。
愚痴で終わらせずに“嫌なことは吹き飛ばそう!”というところに持っていっているのがいいと思います。
HAKUEI
そう! 過激っぽいことも言っているけど、聴いていて嫌な気持ちにはならなくて、むしろ明るい気持ちになる。そこがいいですよね。個人的には《プリン誤発注後》にも注目してほしいです。自分がこんな言葉をシャウトするとは思っていなかった(笑)。2番のAメロの歌い出しの直前のシャウトだから俺だなと思って歌詞を見たら、《プリン誤発注後》と書いてあったという(笑)。
Ryuji
“何を言っているんだ!?”っていう(笑)。
HAKUEI
不思議な気持ちでレコーディングしました(笑)。
キテいますねぇ(笑)。歌と言えば、Ryujiさんは曲調に合わせて、いつもよりも明るい声で歌っていますよね。
Ryuji
はい。我慢している時って顔は笑っているけど、こめかみに血管が浮いていたりするじゃないですか(笑)。そういう状態で歌っている感じです(笑)。
HAKUEI
あははは! 僕はこの曲は勢い重視で歌いました。“行けっ!”みたいな感じで歌って、レコーディングは早かったです。
そう言えば、今回おふたりともかなり多忙な中でのレコーディングになったわけですが、歌録りはすごく早かったという話を聞きました。
HAKUEI
PENICILLINのツアー中だったこともあって、いいニュアンスの歌がわりとすぐに録れたので、そのまま次々と録っていく感じでした。
Ryuji
僕が時間がかからなかったのは、今回は好きな分野だったというのも大きいかもしれないですね。HAKUEIさんが得意とするニュアンス系の曲とかだったら、すごく時間がかかったと思います。
とはいえ、おふたりともに秀でた歌唱力に加えて強い集中力を持たれていることが分かります。それに、細かい話になりますが、HAKUEIさんはRyujiさんのハーモニーパートを歌われる時はRyujiさんの歌に寄せていますね。
HAKUEI
ふたりが地声でハモると派手じゃないですか。でも、メリットとデメリットがあるんですよ。きれいにハモるということであれば、なんなら主旋律の歌の機械ハモを使うのが一番気持ち良いけど、ゴージャス感というか、それだと派手がはない。かといって、ふたりが好きなように歌ってしまうとハーモニーの心地良さが薄れてしまう。なので、ふたりいるという感じは出しながらもハーモニーがきれいに聴こえるような歌い方をしています。
Ryujiさんの明るい声にしても、HAKUEIさんのハーモニーにしても、細やかなニュアンスの使い分けは本当にさすがです。「ラブレター」はThe Brow Beatの5周年を飾るに相応しい充実したシングルになりましたし、同作を携えた全国ツアーも楽しみです。
Ryuji
今回のツアーは絵巻的な感じと言いますか…The Brow Beatの歴史が描かれた絵巻を見るような感覚のライヴになると思います。
HAKUEI
5年という節目になるタイミングのツアーなので時系列というか、“The Brow Beatはこういう感じで始まって、こういうふうな活動をしてきている”ということが感じられるようなライヴをしようと思っています。
今回は2デイズツアーですが、The Brow Beatの歴史を2日間にわたって辿っていくかたちになるのでしょうか?
HAKUEI
1日完結だけど、2日間でバージョンが違うというパターンです。
Ryuji
1日だけ観ても楽しめるし、2日とも観ても飽きないセットリストになっているので、好みやスケジュールに合わせて来てもらえればと思います。
HAKUEI
ただ、2日とも観ると面白いと思う。1日目で流れを掴んで、その上で2日目は“今日はこの曲を持ってきたんだ!?”という楽しみ方をしてもらえるから。
早くライヴが観たいです。いい機会ですので、それぞれここ最近ライヴを行なうにあたって大事にしていることなども話していただきたく思います。
Ryuji
後先のことは考えずに、もう一曲一曲全力でいくようにしていて、それは一貫してずっと変わらないですね。あとは、バンドプロジェクトなので、極力楽器隊を変えずにここまできているというのがあって。1回だけO-JIRO(Dr/PENICILLIN)さんに手伝ってもらったことがありますけど、それ以外は一貫して同じメンバーなんですよ。だから、年々バンド感がより強まっていて、そこを押し出したライヴをしたいというのもありますね。
全曲に全力投球で、さらにRyujiさんはMCも決め込まないタイプですので、常に一期一会のライヴをされていると言えますね。ツアーに出ると毎回同じMCをして、歌のフェイクなども毎回同じというようなパターンではないので。
HAKUEI
Ryujiくんは全然そうじゃないです(笑)。ロックの解釈というのはいろいろあるけど、その場の空気で生まれた自由な感じだったり、攻撃的な感じのほうが響くじゃないですか。僕はロックとはそういうものだと思っているので、いろいろなことをあらかじめ決め込まないRyujiくんのスタンスはいいなと思う。僕がライヴをするにあたって意識していることも同じですね。もともと決め込んでやるのはあまり好きじゃないところがあって、いかにその場の肌感でエネルギーで爆発させるかを大事にしています。ただ、Ryujiくんは急にMCをやめて曲にいったりして、“えっ!?”ってなる時もあるけど(笑)。
HAKUEI
いや、ずっと今のままでいてほしいと思っているよ。
取材:村上孝之
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シングル「ラブレター」2023年5月31日発売
ドリーミュージック
- 【Type-01】(CD)
- MUCD-5414
- ¥1,980(税込)
- 【Type-02】(CD)
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- ¥1,980(税込)
- 【Type-03】(CD)
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- ¥1,980(税込)
『The Brow Beat Live Tour 2023 "The Five Senses”』
5/09(火) 神奈川・CLUB CITTA'
5/10(水) 神奈川・CLUB CITTA'
5/13(土) 大阪・なんばHatch
5/14(日) 大阪・なんばHatch
5/18(木) 北海道・札幌PENNY LANE 24
5/19(金) 北海道・札幌PENNY LANE 24
5/24(水) 愛知・名古屋DIAMOND HALL
5/25(木) 愛知・名古屋DIAMOND HALL
5/28(日) 福岡・福岡DRUM LOGOS
5/31(水) 宮城・仙台Rensa
6/01(木) 宮城・仙台Rensa
6/03(土) 東京・LINE CUBE SHIBUYA
6/04(日) 東京・LINE CUBE SHIBUYA
ブロウビート:俳優・佐藤流司がアーティスト「Ryuji」として結成したバンドプロジェクトで、PENICILLIN「HAKUEI」とのツインヴォーカル&トータルプロデュースにより、ヘヴィ、オルタナティブで骨太なサウンドから軽快なロックまで、多種多様なRyujiの世界を表現し続けている。2018年1月1日、1stアルバム『ラグナロク』で待望のデビューを果たし、1月17日から仙台を皮切りにスタートした1stツアー『The Brow Beat Live Tour 2018 “Ragnarök”』のチケットは全公演がソールドアウトに。その後、配信限定でリリースした楽曲もiTunes Store ロック部門で軒並み1位を獲得するなど勢いは止まらない。そして、21年7月にシングル「ハレヴタイ」でメジャー進出し、22年4月にはアルバム『404』を発表した。The Brow Beat オフィシャルHP