ACT2!2周目スタート! MANKAI STA
GE『A3!』ACT2! ~SPRING 2023~ ゲ
ネプロレポート

2023年5月13日(土)TACHIKAWA STAGE GARDEN にてMANKAI STAGE『A3!』ACT2! ~SPRING 2023~が開幕。シリーズを重ね、ACT2!もここから2周目に突入。再び巡ってきた“始まりの春”が新たに紡ぐ物語は、心にぽっと灯りが灯るようなあたたかなストーリーが用意されていた。劇場を包み込むのは原点回帰と進化を両立させたエーステの底なしのパワー。その感動、ゲネプロの様子からレポートしたい。
   (c)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved. (c)MANKAI STAGE『A3!』製作委員会
これまでに4作のチーム公演を成功させ、メンバーも佐久間咲也(横田龍儀)、碓氷真澄(高橋怜也)、皆木 綴(前川優希)、茅ヶ崎 至(立石俊樹)、シトロン(古谷大和)に卯木千景(染谷俊之)が加わり6人編成となった春組。舞台を成立させることに必死だった彼らも、今では着実に役者としての器量を身につけ、自信を持って板の上へと立つ日々が身についている。そんな中持ち上がったのは人気ゲームとのコラボ企画だ。しかも作品は至の大好きな『Knights of Round』、通称ナイラン。いつになく積極的な至は子供の頃から憧れていたキャラクター、主役のランスロット役に立候補するが、企画を持ち込んだゲーム会社の担当はかつての親友・外岡 巧だった。さて、この久々の再会が意味することとは——。
   (c)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved. (c)MANKAI STAGE『A3!』製作委員会
過去への邂逅、友情の行方、そして「大好きなモノへの恩返し」がテーマとなった第1部は、新生春組第五回公演『Knights of Round IV THE STAGE』上演にまつわるエピソード。今回は冒頭から至が大活躍! 筋金入りのゲームオタク=原作厨の深すぎる作品愛を春組メンバーに伝授するナンバーなど、これまでの至のイメージを覆してくれる暑苦しさがいい! 「解釈違いなんて言わせてたまるか」とゲームのやり込みと共に役作りに没頭する様子を見せているその場所が“原作ありの舞台”というメタ構造も楽しく、2.5次元舞台を愛する客席の私たちの中にも自然と春組と共有するあれこれへの想いが膨らみ、“ナイステ”の成功を祈る気持ちが強くなっていく。
   (c)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved. (c)MANKAI STAGE『A3!』製作委員会
本番はゲームの世界と演劇を融合させた、まさに2.5次元な舞台が展開。巨大なクリーチャーの登場、セット全体に投影される映像や派手な効果、大きな武器を振り回しての怒涛のアクションにドラマティック&スピーディーな展開と、春組の新たな魅力も引き出された意欲作となった。
   (c)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved. (c)MANKAI STAGE『A3!』製作委員会
   (c)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved. (c)MANKAI STAGE『A3!』製作委員会
第2部は新生春組第六回公演『春ケ丘Quartet』上演にまつわるエピソード。主演はシトロン。「なりたかったモノは?」と問われたシトロンが「バイオリン弾き」と答えたことから生まれた、音楽学校の生徒たちを描く青春ストーリーだ。ダイナミックな世界観を展開したナイランから一転、繊細な心情の変化で紡がれていくドラマを弦楽器のあたたかな音色が彩る、本来の春組らしさが溢れる一作である。
   (c)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved. (c)MANKAI STAGE『A3!』製作委員会
   (c)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved. (c)MANKAI STAGE『A3!』製作委員会
子供の頃から自分の夢をバイオリンの調べに乗せて育んできたシトロン。そんなシトロンに憧れ、尊敬し、自身の国王即位の前に「もう一度大好きな兄さまに会いたかった」と、衝動的にMANKAIカンパニーにやってきたシトロンの弟・タンジェリン(新谷聖司)も加わっての物語。家族だからこそ、兄弟だからこそ、互いを守りたいという願いを抱きながらも上手伝えられない思いもある……。いつもはユーモアを忘れないムードメーカーのシトロンの、タンジェリンと向き合うときにだけ見せる王族としての精悍さもとても魅力的。『春ケ丘Quartet』にはその彼本来の姿も投影されており、役者としての成長もしっかりと作品に刻み込んでいた。
   (c)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved. (c)MANKAI STAGE『A3!』製作委員会
毎回新たな“なにか”に挑戦しながらシリーズ作品としての強度を上げ続けているエーステだが、今回真っ先に感じたのは春組メンバーの安定感と信頼感だった。共に月日を重ね、舞台を重ね、個々はもちろんチームとしても確実にMANKAIカンパニーを支えていける演劇力と自信を身につけていることが、彼らの佇まいからしっかりと伝わってくる。演じる役者一人ひとりが、自身の役がここで積み上げている時間を含めて芝居、歌、キャラクターとしての会話、全てに磨きをかけて臨んでいる。パワーを増しながら役の精度と成長を丁寧にチューニングしている“巧さ”が心地よい。
劇中劇の表現もさらに一歩、深化していた。演目単体としてのスケールが大きくなっているのと同時に、より本編とシームレスになっている印象というか……おそらくそれは彼らの生活、彼らの人生、彼らの絆と愛情、全部をひっくるめてすべて演劇で繋がっているのだ、という実感がますます強くなっている証なのだろう。
   (c)Liber Entertainment Inc. All Rights Reserved. (c)MANKAI STAGE『A3!』製作委員会
最後の締めくくり、レビューナンバーは素敵なピンクの衣装で華麗に。ここはある意味原点回帰、MANKAIカンパニーは常に“ショウ マスト ゴー オン”の精神でいてくれるんだと、嬉しい気持ちが湧き立ってくるひとときが堪能できるはず。しばらくの間、気持ちは全て拍手に込めて贈っていたけれど、いよいよ声出しもOK。コール&レスポンスのタイミングは逃さず、思いはしっかり声へと乗せて届けていこう。
いつもあたたかく幸福な時間を提供してくれる春組も、これで6人全員が主演を経験することとなった。さて、今度はどんなキャスティングで、どんな演目で、MANKAI劇場を満席にするのだろうか。次の春が、今から待ち遠しい。
キャストコメント
■佐久間咲也役:横田龍儀
いよいよMANKAI STAGE『A3!』ACT2! ~SPRING 2023~が開幕します。初演の~SPRING & SUMMER 2018~から約5年を経て、春組全員が劇中劇で主演を経験するということでとても感慨深いです。さらに千景さんも加わり、6人での作品が2作品目、3作品目と経験できるのが楽しみです。今作は一人ひとりが何かを乗り越えるというところや、「信じる」というところが大事になっていると思います。そういった言葉だけではないところを皆さまに見ていただけたらありがたいです。そしてまたひとつ成長した春組を感じていただけるように頑張りたいと思います。 カントク、よろしくお願いします!!
■碓氷真澄役:高橋怜也
1年前の公演から春夏秋冬と季節が巡り、またこうして監督に会えることがとても嬉しいです。 真澄はどんなときも監督1番ですが、そんな中でも春組と、家族とどう成長していくのかを届けられたらと思います。 そして、見届けて見守ってください。
■皆木 綴役:前川優希
ついに4回目の春ですね。 同じ季節もないし同じ瞬間もないし、同じ関係なこともない。でも、無かったことになるものは一つもなくて。 どんなに新しくなっても変わらない春のあたたかさがここにあります。 またひとつ、僕たちと素敵な思い出を作りましょう、監督!
■茅ヶ崎 至役:立石俊樹
昨年のACT2! ~SPRING 2022~からちょうど1年が経ち、またこの季節が巡ってきたことに幸せを感じています。 茅ヶ崎 至として念願の主演公演もありますし、ACT2!シリーズの2 周目を更に監督さんに喜んでもらえると思っているので、ぜひ楽しみにして劇場へお越しください。 春の空気を存分に感じていってください!
■シトロン役:古谷大和
MANKAI STAGE『A3!』はいつも華やかで、カントクと幸せな時間を共有して季節を巡ってきました。 一俳優として出演しながらも、作品の持つ大きなパワーを感じて、噛みしめて多幸感で溢れていました。 ずっと向き合ってきたひとりの俳優の大切な主演作。彼に楽しんでもらえるように、尽力したいと思っています。 見届けてください。今の春組と、MANKAI カンパニーを。
■卯木千景役:染谷俊之
卯木千景役の染谷俊之です。6人揃って春組の公演をお届けできるのは約1年振り2回目という事で、今回は新メンバーが増えたり、誰かが退団の危機を迎えたり、海外に乗り込んだりと、特別大きな出来事がある訳ではないのですが、その分、公演に向かうひたむきな春組の姿をお見せできるのではないかと思っています。 ぜひ劇場で、春のあたたかさに浸っていただけたら幸いです。 最後まで応援の程、よろしくお願いいたします☆
取材・文=横澤由香

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着