前回大会銀メダリスト・中山楓奈が教
える!『X Games Chiba 2023』の楽し
み方

アクションスポーツの国際競技会『X Games Chiba 2023』が、5月12日(金)~14日(日)にZOZOマリンスタジアム(千葉県)で開催される。
昨年大会の女子スケートボード ストリートで、国内外の強豪を抑えて銀メダルを獲得したのが、東京五輪の銅メダリスト・中山楓奈だ。『X Games』という憧れの舞台で、「大会でやったことがない」という大技・フロントサイドKグラインドを決め、大観衆に驚きと感動をもたらしている。
弱冠17歳にして世界のトップを争う数々の大会で結果を残し続ける彼女が見据えるのは、もちろん世界最高峰の大会での栄冠。そしてその先に続く、パリ五輪への道だ。無限の才能を放ち続ける“高校生スケーター”に、『X Games Chiba 2023』への意気込みや、スケートボードストリートという競技の魅力などを聞いてみた。
(c)辰根東醐
『X Games』は「楽しむ」という要素がたくさん詰まった大会
——いよいよ『X Games Chiba 2023』の開催が間近に迫ってきました。現在のコンディションはいかがですか?
中山楓奈:4月中旬に大会(第2回マイナビスケートボード日本OPEN)に出場して、実戦感覚を掴むことができました。『X Games』という大きな大会の前にワンステップ踏めたことで、気分的にも、カラダ的にも一段上がった状態で臨むことができると思います。
——中山さんはお若いですが、これまでさまざまな大会に出場しています。そんな中山さんにとっても、『X Games』は特別な存在なのですか?
中山楓奈:もともとインスタやYouTubeで観ていて「いつか、生で観てみたいなぁ」と思っていた憧れの対象でした。今自分がそんな大会に出場していることが不思議に感じます(笑)。それは私だけでなく、他のスケーターも似たような感覚はあると思います。
(c)辰根東醐
——他の大会にはない、『X Games』の特徴や魅力というと、どのようなところでしょうか?
中山楓奈:スケートボード ストリートの一般的な大会では、ランがあって、ベストトリックがあってという構成ですが、『X Games』ではランだけで、そこにベストトリックを混ぜなければいけない。それだけ難易度の高い大会というのが大きな特徴です。観る人にとっては、ランの流れの中で大技が次々入ってくるので観ていて飽きないし、「次に何をするんだろう!?」というワクワク感を味わえると思います。
あと『X Games』は技を競う場ではあるものの、それだけではない「楽しむ」という要素がたくさん詰まった大会だと思っています。真剣にやっているんだけど、競技中の選手同士のコミュニケーションが明るくて、いつも「楽しいなぁ〜」と思いながら滑っている感じです。
——例えばオリンピックなどの大会と『X Games』は、選手にとっても全然違う存在なんですね。
中山楓奈:オリンピックは「結果」を一番の目標にしている”ザ・競技会”という感じですけど、『X Games』は真剣に競技に取り組んでいる中にも”お祭り感”のある、特別な大会ですね。
金が獲れたら嬉しい。でもそれ以上に『X Games』を楽しみたい
——昨年の『X Games Chiba 2022』では銀メダルという結果でしたは、ご自身ではそれをどのように評価していますか?
中山楓奈:最後に練習でもあまり成功していない技(フロントサイドKグラインド)に挑戦したら出来ちゃって(笑)、それで4位から2位に上がれたのには自分でもビックリしました。良いイメージをもって終われたので、その後につながる大会になったと思います。
(c)辰根東醐
——前回の結果を踏まえて、今大会の目標は、どの辺りに設定していますか?
中山楓奈:ランの中にベストトリックを2つほど入れて、それを成功させること。それと、まずは楽しんで滑ることですかね。
——順位的な目標としては?
中山楓奈:もちろん金が獲れたら嬉しいですが、それよりも日本での開催ですし、憧れの選手もたくさん来日するので、その中でとにかく自分自身が『X Games』を楽しめればいいかなと思っています。
——ちなみに今回参加する中で、中山さんの一番の憧れの選手は?
中山楓奈:ジェイミー・フォイ選手!……来ますよね?
——来ますよ(笑)。
中山楓奈:緊張しすぎて、しゃべりに行けないかも!
——野球少年にとっての「大谷翔平」みたいな存在?
中山楓奈:ホントにそう!『X Games』の期間中、日本にいてくれることが不思議なくらい。同じ舞台に立てるなんて、信じられません。
選手が全身で楽しんでいる姿を、ぜひ見てもらいたい
——『X Games』でスケートボード ストリートを初めて観るという人もいるかと思います。選手個々の特徴や凄さを感じるためには、どこを注目すれば良いでしょうか?
中山楓奈:全選手の滑りを1本観て比べれば、この選手はテクニックが凄い、スピードが速い、ジャンプが高いなど、なんとなく特徴はわかってきます。それを頭に入れて2本目以降を観ていくと、自分の好みの選手の凄さや迫力をもっと感じやすくなると思います。
ただスケートボードは特定の選手に声援を送るのではなく、技に乗るごとに会場みんなで盛り上がるのがいいところ。そんな一体感を味わうのもいいと思いますよ。
——観客だけでなく、待機している選手たちも、とても楽しそうですよね。
中山楓奈:競い合っているとはいえ、誰かが技を決めたらデッキを叩いたり、声をあげたり、選手はみんなでお互いを称え合います。言葉が違っても、同じ競技をする同士が一緒に全身で楽しんでいる姿を、ぜひ見てもらいたいです。
——競技以外についても、『X Games』ならではのオススメの楽しみ方はあります?
中山楓奈:スケートボード ストリートの大会だと、普通はスケートボード ストリートだけしか観ることができませんが、『X Games』ではスケートボード パークや、BMX、モトエックスなど、他のアクションスポーツも楽しめます。去年の『X Games』では自分たちの練習後、スケートボードの選手たちが一緒になって間近でBMXやモトエックスを観て盛り上がっていました。そんなところも『X Games』ならではですね。
あとは音楽ライブも楽しみ。去年のMAN WITH A MISSIONさんのライブも、スケーターの仲間たちと踊りながら盛り上がっていました。
——パリ五輪も見据えて、中山さんの今後の目標を聞かせてください。
中山楓奈:6月にあるローマの大会で結果を残して、世界ランクを上げるのが今の目標です。そのために『X Games』で勢いをつけておくことが大切かなと思っています。
——最後に、『X Games』での中山さんの活躍に憧れてスケートボードを始めたり、これから始めたいなと思っている子どもたちに、何かメッセージをいただけますか?
中山楓奈:スケートボードを楽しみつつも、一生懸命練習もして、どんどん上手くなってもらえればいいかなと思います!

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