L→R 桐木岳貢(Ba)、柳田周作(Vo)、黒川亮介(Dr)、吉田喜一(Gu)

L→R 桐木岳貢(Ba)、柳田周作(Vo)、黒川亮介(Dr)、吉田喜一(Gu)

【神はサイコロを振らない
インタビュー】
この戦場のような世界で戦っている
全ての人たちに向けて歌いたい

TBS系日曜劇場『ラストマン―全盲の捜査官―』の挿入歌「修羅の巷」を配信リリースした神はサイコロを振らない(以下、神サイ)。福山雅治×大泉洋によるバディを筆頭とする超豪華キャストで送るヒューマンサスペンスを盛り立て、逆境と孤独に満ちた“修羅の巷”を生きる全ての人に捧げる、神サイ流ロックアンセムはいかにして生まれたのだろうか?

何度も曲を書き直して、
自分との戦いを続けていた

グルーブ感の心地良い重厚なロックアンセムが生まれましたね。ドラマ『ラストマン―全盲の捜査官―』の挿入歌としてオンエアされたのを聴いて、率直にどう感じましたか?

黒川
シンプルに嬉しかったですし、「修羅の巷」がドラマに華を添えられたらいいなという気持ちがあります。
吉田
まずは“この場面で流れるんや!?”と驚きました。“こんなに流してもらっていいのかな?”と思うほどがっつりとかかったので、“おぉ~!”ともなりましたね。
桐木
ドラマが始まる前はみんなで“本当に流れるのかな?”という話をしていたので(笑)、安堵したのが大きかったですね。シーンに曲が合っていたし、感動しました。
柳田
脇汗がむっちゃ出ました(笑)。“自分の曲がかかってる! 嬉しい!”という感じでは全然なくて。あの福山さんと大泉さんがバディを組んでいる、超豪華なキャストのみなさんの演技と遜色ない楽曲を作らなければいけないというのがそもそもの始まりだったので、どうしてもそのことがちらつくというか。ちゃんと曲が演技と肩を並べているかどうかを決めるのは観ている人なので、“怖い”という気持ちが若干ありましたね。

作品にぴったり合っていたと思います。これまでさまざまなドラマやアニメとコラボレーションしてきたみなさんですが、今回はとりわけ伝統ある番組枠ですし、プレッシャーも大きかったのかなと。お話があった時、どんなお気持ちでしたか?

柳田
ツアー(『Zepp Tour 2023 「雪融けを願う飛行船」』)が終わったあとぐらいのタイミングから話が進んでいきました。“そんな大役が自分に務まるのかな?”と最初は思いましたね。撮影中のスタジオへうかがって、番組のプロデューサーさんたちと“初めまして”のご挨拶をして、そこにサウンドプロデューサーの亀田誠治さんにも一緒に来ていただいて、どういう楽曲にしていくかについての打ち合わせをしました。ドラマサイドからの要望は“役者さんたちの演技に負けないぐらいの強い楽曲、強いメロディーと耳に飛び込んでくる歌詞は絶対条件で”というものでした。『日曜劇場』という歴史ある枠で起用される楽曲は、これまでわりとポップス系が多かった印象があって、なんとなくバラードを想定していたんです。神サイはそういうのも大得意なんですけど、今回は男臭いロックになりました。荒々しいサウンド感で、やさぐれ感もあるし、気怠げに歌っているところやギターが歪んでいるところはちょっとグランジっぽいというか。お洒落な音が多い今の時代に若干逆行している気がしますが(笑)、だからこそ“いいな”と思っています。

挿入歌担当が決まってから実際のプレイに落とし込んでいくまで、どのような気持ちの動きがありましたか?

黒川
担当すると決まった時は“ありがたいですけど…僕らで大丈夫?”という不安もありました。結果これでいくとなるまでに、びっくりするくらいの回数のバージョンアップがあったと聞きましたし、“マジで頑張っとるなぁ”と思いましたね。今まではそこまでデモのバージョン数がいくことはなかったので。柳田が一番頑張っているわけだから、もう僕らとしてはやるしかないじゃないですか。せっかくだったら自分がドラムを叩くことで、曲をそれ以上のものにしたいという気持ちがすごくありました。
吉田
ギリギリまでのバージョンアップがあったこともあり、デモの最終形が仕上がってから実際にレコーディングするまでの時間が少し短かったので、とにかく楽曲に集中していたという感じですね。僕はロック畑の人間なのでハードロックもルーツミュージックも好きだし、こういう曲調は肌に合っているから、神サイのいい色を乗せられたんじゃないかと思っています。
桐木
俺らはあまりジャンルを決めずにいろいろな音を使っていきたいという気持ちもあるんですけど、やっぱりこういったバンドサウンドで挿入歌を担当できるのは嬉しいし、良かったと思います。自分としても音に感情を乗せやすいですしね。
柳田
楽曲の色味としても前向きではあるんですけどダークな雰囲気があるし、僕らとしてはチャレンジなんですよね。テンポ感もゆっくりで、逆に難しくて。この曲をカッコ良くするのもカッコ悪くするのも僕ら4人次第だから、バンド力が試されるというか。

ギターリフもリズムセクションも印象的ですが、非常にシンプルですよね。

柳田
そうなんです。何も難しいことをしていないからこそ分かる人には分かってしまうというか。仮に演奏がすごくうまい4人が集まってポン!と演奏してもグルーブは出ないだろうし、息が合っていないとカッコ良くなりづらい。なので、ライヴで成長していく曲なのかなと思っていますね。

“修羅の巷”というタイトルはインパクトが強いですが、どのような想いを込めたのでしょうか? 

柳田
僕らミュージシャンもそうですけど、この戦場のような世界で、日々何かしらと対峙して戦っている人たちに向けて歌いたい気持ちがありました。修羅の巷で生きる全ての人に伝えたいというか。

世の中に対するシビアな現状認識と、そこで生きる人たちへのメッセージが反映されているんですね。

柳田
もちろんポジティブな意味ですけど、今回は何度も曲を書き直して、自分との戦いをずっと続けていた制作期間でした。僕には曲を作ることしか能がなくて、そのたったひとつの自分の武器でどれだけ闘うことができるのかと。でも、一度もへこたれることなく前向きに楽しんで音楽を作れたので、その時間は自分にとって財産になりましたね。
L→R 桐木岳貢(Ba)、柳田周作(Vo)、黒川亮介(Dr)、吉田喜一(Gu)
L→R 桐木岳貢(Ba)、柳田周作(Vo)、黒川亮介(Dr)、吉田喜一(Gu)
柳田周作(Vo)
吉田喜一(Gu)
桐木岳貢(Ba)
黒川亮介(Dr)
配信シングル「修羅の巷」

OKMusic編集部

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