諏訪ななか

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【諏訪ななか インタビュー】
“お洒落な楽曲を歌いたい”と、
私の直感で選んだ楽曲揃い

諏訪ななかが春から初夏に届けるさわやかなミニアルバム『Starry Garden』のコンセプトは“bloom”。これまでの可愛い路線の作品とは違い、“お洒落な楽曲を歌いたい”という想いで選ばれた全5曲は、時に散歩中の足取りを軽やかに、また時には失恋にそっと寄り添ってくれる多彩なポップスやヒーリングバラードなどが出揃った。そんな強い想いを持って完成させた同作を解析すべく、本人を直撃した。

お花にまつわる単語や情景描写が
全ての楽曲に登場している

新作『Starry Garden』について、まずはコンセプトから教えてください。

今回のコンセプトは“花が咲く”という意味で“bloom”です。お花にまつわる単語や情景描写が全ての楽曲に登場しています。

諏訪さんご自身がコンセプト決めをされたのですか?

はい。もともと“お花”というコンセプトが決まっていて、そこからリリース時期が5月になるので、春から初夏をイメージした楽曲にしようと方向性が固まりました。今回はこれまでの可愛い路線の作品とは違って“お洒落な楽曲を歌いたい”と、私の直感で選んだ楽曲揃いです。

それこそ前回のコンセプトミニアルバム『Winter Cocktail』(2021年11月発表)のテーマが“いろいろな冬を混ぜ合わせる”だったので、この流れだと近いうちに夏の作品集もありそうですね。

少なくとも今年の夏はないですね(笑)。今回もたまたま季節ものが続いただけなのと、途中にも2022年11月に2ndシングル「Fine Days」を発売しているので。でも、いつか夏の作品集を作るかもしれないです。

来年の夏が待ち遠しくなりますね。ちなみに、諏訪さんの思うお洒落の定義が気になります。

いわゆるアニソンチック、声優ソングらしさのない雰囲気ですかね。少し凝ったポップさのような。

なるほど。諏訪さんの先ほどの言葉どおり、今回はお洒落な楽曲が勢揃いといったところで、これまでの作品とは雰囲気ががらりと変わっています。全5曲あるうち、ファンの方の予想をいい意味でもっとも裏切りそうなのは?

やはり5曲目「夢十夜」ですかね。そもそもミニアルバムの制作初期には、5曲とも明るい楽曲で統一しようと考えていたんです。なのに、気づけば最後の一曲だけすごく沈んでいて(笑)。他にもふたつほど明るい楽曲で候補があったのですが、「夢十夜」がピンと来て。ディレクターの井上哲也さんには“このアルバムに合わなければ他のふたつの候補でもいいです”とお伝えしていたものの、結果的に選んでいただけました。

せっかくですので、今回はアルバムの収録曲を後ろから順にうかがっていきましょう。「夢十夜」は夏目漱石の小説をモチーフにしているのかと思われますが、この楽曲が生まれた経緯が気になります。

こちらは作家の松坂康司さんが以前から温めていたものらしいです。とても力を入れて制作していながらも、楽曲が持つ世界観が強いために、いろいろなコンペに応募してみてもいつも選ばれなかったそうで。今回も最初のコンペでは外されていたのですが、私の希望もあってようやく救い出されたという。ちなみに私の音楽活動では初の全楽器が生演奏の一曲となっています。

なんと豪華な! タイトルはコンペの段階から“夢十夜”だったのですか?

そうですね。でも、私自身は夏目漱石の小説の名前だということをあとから知りました。コンペの段階で歌詞が1番まではあったのですが(笑)。

曲中には《こんな夢を見た》という小説内での有名な書き出しが引用されていたり、《百年待っていて》など作品に絡む重要な言葉が散りばめられていたりと、夏目漱石リスペクトが随所にうかがえました。レコーディング時には歌詞に感情移入をしましたか?

私は夏目漱石だと『坊っちゃん』など、他の小説を読んだ経験しかなかったんです。なので、過去に読んだ作品から素朴なイメージを想像してレコーディングに臨みました。

レコーディングの話のつながりで、Bメロはリズムも変則的で歌唱が難しかったかと思います。振り返ってみていかがですか?

いや、特に難しくは感じませんでした…

「Fine Days」でのインタビュー時にも感じたのですが、諏訪さんはいい意味で、そつなく音楽活動をこなしますよね。本当に超人なんじゃないかと思います。

いやいや…本当ですか?(笑)

そう思いますよ。前回の取材で作家の松坂さんについてお話をしていた際、諏訪さんから“もう10曲もご一緒しているし、すでにバラエティー豊かな楽曲が揃っているのではないでしょうか?”という発言に、私が“松坂さんならもっとやれると思います!”と返した場面もありました。

ありましたね! 今回は松坂さんに3曲も書いていただきました。実は5曲目の枠は「夢十夜」の他に2曲ほど別の候補があったのですが、一番惹かれたのがこの曲で。でも、あとから知ったことなのですが、その候補に選んでいた2曲はどちらも松坂さんが作ったものだったらしく(笑)。

松坂さんから逃れられない運命なのかもしれないですね(笑)。

コンペの時には作家さんの名前は隠されているのですが…。いったいどうしてなんだろう?(笑)
諏訪ななか
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OKMusic編集部

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