大西亜玖璃

大西亜玖璃

【大西亜玖璃 インタビュー】
何度でも繰り返し聴けるような
1stアルバムになった

大西亜玖璃の初となるフルアルバム『Do you agree?』は“お子様ランチ”のように欲張りな一枚に仕上がった。本人曰く“濃い味”な楽曲揃いだという本作の制作を終えて、彼女は今、音楽活動を通じて充実の季節を迎えている。生き生きとした表情でアルバムについて語る彼女の発言ひとつひとつからも、今作の仕上がりに対する満足度の高さと自信の強さが感じ取れる。

“この曲も歌っているの!?”と
驚かれることが結構ある

大西さんの音楽活動も3年目に突入しました。本誌では2021年8月発売の2ndシングル「Elder flower/初恋カラーズ」以降、作品についてお話をうかがっていています。初回のインタビューの際に大西さんはご自身について“等身大で歌を届けるタイプのアーティスト”だとおっしゃっていましたが、この2年間で新たに気づいた一面などはありますか?

意外にも、私は来るもの拒まずなスタンスなんだと気づきました。どんな楽曲でも好きになれて、「Elder flower」のようにカッコ良い楽曲も歌うし、「はじまるウェルカム」のMVでアフロ姿にもなれるし。普段の地声と歌声のトーンが違うからか、周囲のスタッフさんにも“この曲も亜玖璃ちゃんが歌っているの!?”と驚かれることが結構あるんですよ。あまりにも怖いものでなければ、歌も映像も抵抗なく受け入れられるのかな? でも、おばけと虫、あと高いところは苦手です…

今のところ、それらが歌詞やMVには出てこないのが幸いですね(笑)。それではこの2年間の活動を振り返ってみて、特に気持ちがアガった瞬間を挙げるとすると?

まずは、2021年3月3日のデビュー当日にファンのみなさんの前で歌を披露した時。オリコンデイリーチャートで4位のお祝いもしてもらって、とても大喜びしていた思い出があります。次は、翌年1月に品川プリンスホテル ステラボールで『大西亜玖璃 First Contact 〜1st LIVEのその前に〜』、12月にはよみうりランド 日テレらんらんホールで『大西亜玖璃First LIVE~はじまりのはじまり〜』を開催したことですね。

どちらも素敵なステージでした。

あとは、やはり2022年8月に『Animelo Summer Live 2022 -Sparkle-』(以下、『アニサマ』)にソロで初出演できたことです。学生時代から毎年冬にTVでオンエアされる『アニサマ』を観て育ってきて、当時から田村ゆかりさん、小倉 唯さん、ゆいかおりのおふたりのステージに感動していたので。そんな方々と同じ舞台に立てたなんて、今でも信じられないです。あの当時のオンエアをDVDに焼いて、愛知県の実家から東京まで持って来るほど大切にしているんですよ(笑)。

今度はご自身が録画される側になりましたね。大西さんの姿を見て新たに声優を志す方もいると思います。

そうなれば本当にありがたいし、すごいことだと思います。

ところで、先ほどお話があった『First Contact』ではMCの中で1stアルバムの存在を匂わせるような発言もありました。あの当時から今回のフルアルバム『Do you agree?』の制作は始まっていたのですか?

その時は全然始まっておらず、“次の作品はアルバムかな?”なんて勝手に想像していただけなんです(笑)。実際にアルバム制作が始まったのは2022年の秋頃あたりで、確か2曲目「NTMUエイリアン」からレコーディングを始めました。『First Contact』で披露した「Love・Me・Do」(2022年4月発表のシングル「ジェリーフィッシュな君へ」収録曲)や「結んで、ひらいて」(2022年10月発表のシングル「はじまるウェルカム」収録曲)が、まさかアルバムではなく、その後のシングルに収録されるとは思いませんでしたが(笑)。

「NTMUエイリアン」はアルバム内でもトリッキーな一曲ですね。最初に聴いた際の印象は?

メロディーがお洒落で、それでいて誰が聴いても馴染みがあると感じられるような古き良きイメージもあって、心地良く引き込まれる楽曲だなと感じました。

ディスコテイストを織り交ぜているのがポイントですよね。続く「ジェリーフィッシュな君へ」への流れは“異世界っぽさ”を意識してみたり?

そうなんです! クラゲとエイリアン…不思議な生き物たちという括りですかね(笑)。「NTMUエイリアン」は初披露した『First LIVE』でも大好評だったので、ファンのみなさんもアルバムの始めのほうに聴きたいんじゃないかなと。

間違いないと思います。曲順でいくと次の新曲は「夏夢花火」。こちらは大西さんの楽曲史上、最大の名曲だと感じました。

これは以前からずっと温めていた楽曲なんです。2ndシングル制作時に、ロックテイストの楽曲と「初恋カラーズ」に「夏夢花火」の合計3曲が収録候補になっていたんですよ。その当時はまだアーティストデビューから間もないこともあり、結果的には「初恋カラーズ」が選ばれたのですが、「夏夢花火」もいつか歌わせてもらえるかなとずっと考えていて。そうしたら、スタッフさんが他の方へ曲を回さず、私のために取っておいてくださったんです。他のアーティストさんの歌になってしまう可能性もあったので、本当に嬉しかったですね。

淡い青春を大人になって回想する。これまでとはタッチの異なる一曲でしたが、どんな想いでレコーディングをしたのでしょう?

しゃべるようにまではいかないものの、落ち着いて穏やかに歌うことを意識しました。メロディーもスッと入ってきましたし、何より初のバラードを歌えたことが本当に嬉しかったです。

これまでと味わいの異なる歌い方はしっかりと届くと思います。ちなみに楽曲に絡めて、これまでに花火にまつわる思い出はありますか?

地元の愛知で毎年夏にあったお祭りです。家族で住んでいたマンションの屋上から花火が見られて、お祭り当日になると近所の子どもたちやマンションの住人が途轍なく狭い屋上に大集合しちゃうんですよ(笑)。思い出すと懐かしいなぁ。

そうした記憶が楽曲の隠し味になっているのかもしれませんね。6曲目「花と青空」も同じく恋の終わりを描いていますが、こちらはむしろ失恋を経て、力強い一歩を踏みしめるような楽曲ですね。

「Elder flower」などとはまた種類の違うカッコ良さがあって、歌っていて楽しさもありつつ、最初は“きっと歌いこなすのが難しいのだろうな”と感じた楽曲でした。個人的には歌詞の中に日常生活で使うような言葉の言い回しがされている部分が共感できます。例えば、サビの《本当は本当は》とか。同じ言葉を2回繰り返しちゃうことを私もしがちなので。

Dメロの英語のフレーズはいかがでしたか? この部分を聴く中で、大西さんが「Elder flower」のインタビューにて“ハモリを粒立った印象に歌えれば”と語ってくれたことを思い出したのですが、なんだか似ている雰囲気があると感じまして。

どちらもお洒落なコーラスやハモリが多い楽曲ですよね。レコーディングも普段以上に苦戦しました。でも、確かに「Elder flower」を歌った経験がなかったら「花と青空」を選ぶこともなかったかも。最初はこの曲をアルバムに入れることすら考えていなかったんです。

では、なぜ今作に収録を?

自宅に持ち帰って楽曲を聴くうちに、なんだかずっと耳から離れないことに気づいて。イントロもカッコ良いし、やっぱり歌詞に惹かれるし…知らず知らずのうちに好きになっていましたね(笑)。
大西亜玖璃
大西亜玖璃
アルバム『Do you agree?』【初回限定盤】(CD+Blu-ray)
アルバム『Do you agree?』【通常盤】(CD)

OKMusic編集部

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