2023年の『KAATキッズ・プログラム』
はダンス・演劇・音楽劇の3作品を上
演 出演者など公演詳細が発表

KAAT神奈川芸術劇場では、2011年の開館以来、現代の舞台芸術シーンを先導するアーティストとの新作創作や、良質な海外作品の招聘等、おとなもこどもも楽しめるキッズ・プログラムを上演している。
『KAATキッズ・プログラム 2023』は、プレシーズンの7月~8月に、ダンス・演劇・音楽劇という、新作2作を含むバラエティー豊かな3作品をおくる。この度、公演詳細が発表された。
(左側)伊藤郁女(右側上段左から)川合ロン、Aokid(右側下段段左から)岡本優、石川朝日
スタートを飾るのは、欧州を中心に活躍し高い評価を得る、ダンサー・振付家 伊藤郁女による新作ダンス作品『さかさまの世界』。本作は、21年10月にフランスで初演されたこども向けダンス作品『LE MONDE À L'ENVERS』を『さかさまの世界』と題し、日本版として新たに創作。こどもたちの「想像力」が世界を救うという伊藤の想いから生み出された作品であり、今回は神奈川県内のこどもたちの「想像力」も本作に織り込む。なお、フランス版は3名のダンサーによる構成に対し、日本版は3名のダンサー(川合ロン、Aokid、岡本優)と1名の俳優(石川朝日)という構成に変わるところも見どころのひとつとなる。
伊藤郁女 コメント
伊藤郁女   (c)Anaïs Baseilhac
【KAAT神奈川芸術劇場 2023年度ラインアップ発表 ビデオメッセージより】
『さかさまの世界』は、元々フランスのチームで、フランスのこどもたちの秘密を使って創作したダンス作品
です。今回はフランスのスタッフも参加しながら、日本バージョンとして、日本語で、日本のアーティストと創っていきたいと思います。12月にKAATの近くにある幼稚園に出演者の皆さんと行って、こどもたちに秘密を教えてもらいました。私はこどもの秘密や発想力が世界を逆さまに変えることができるのではないかという思いでこの作品を創っています。こどもの力を借りることで、アーティストや観客の「こどもごころ」を揺さぶり、観た方が笑って帰ることのできる作品になると思います。是非劇場にいらしてください。
『さいごの1つ前』22年度初演より    撮影:宮川舞子
2作目は、劇作家・演出家 松井周✕俳優 白石加代子という、キッズ・プログラムとしては異色の顔合わせで22年8月に初演し、好評を博した『さいごの1つ前』の再演。白石扮する主人公が、天国と地獄の分かれ道で「生きていた頃の記憶」を探す物語を、今年はKAATの他、神奈川県座間市、逗子市で上演後、県外各地でも行う。出演者は、白石に加え、
久保井研、薬丸翔、湯川ひな。
(上段左から)白石加代子、久保井研(下段左から)薬丸翔、湯川ひな
作・演出 松井周 コメント
松井周   撮影:平岩享
今回、『さいごの1つ前』という作品を上演します。これは去年の夏休みに、白石さんが今まで演じたことのない役を演じ、こどもたちと一緒に何かを創れるような作品をやってみたいという想いから生まれました。
コロナ禍でできることは限られましたが、こどもたちと一緒に創っていくシーンを考えたり、ワークショップをしてできた作品を上演中にも登場させたりと、こどもたちと一緒に楽しめる、遊べる作品を創りました。
今年も「遊べる作品」にしたいと思っています。劇場に来てくださった方との間で生まれることをできる限り採り入れて、楽しい作品にしたいと思います。
出演 白石加代子 コメント
『さいごの1つ前』22年度初演より   撮影:宮川舞子
昨年の再演ということで、皆様との再会に胸を躍らせています。
本作に登場する「地獄」などという禍々しい言葉はもちろん、年齢と共に輪郭がなくなっていく記憶や近づいてくる死というものは、やはり深刻で、暗くて、恐ろしいものとして目を背けたくなるものですが、私個人としては、根っからの楽観主義者ということもありますので、楽しく演じ、松井さんの優しい世界観に再び身を委ねるつもりでいます。
『さいごの1つ前』は、お子さんをはじめとする、客席にいらっしゃる皆さん全員と創りあげる作品ですので、今回もどんな素敵な世界にいけるのかしらと、とても楽しみです。

3作目は、劇作家・演出家として活躍目覚ましい根本宗子との新創作による音楽劇『くるみ割り人形外伝』。引っ込み思案な少女が、大好きな人形とともに一夜の冒険をくり広げ、大切なものを見つける“根本版”『くるみ割り人形』だ。これまでにも根本とのコラボレーションを重ねてきたチャラン・ポ・ランタンの小春が音楽、ももが歌手として参加するほか、主人公の少女クララ役はオーディションで選ばれた子役が担うのも、見どころ。個性あふれる魅力的なキャストとともに、舞台の楽しさをフルコースで味わえる音楽劇となる。

(上段左から)大橋凜乃/澤田杏菜(中段左から)中村鶴松、一色洋平(下段左から)もも(チャラン・ポ・ランタン)、山之口理香子
主人公の少女クララ役はバレエ経験もある子役 大橋凜乃と澤田杏菜(Wキャスト)。クララの大切にしているウサギの人形キャロル役には、本作が現代劇初挑戦となる歌舞伎俳優の中村鶴松。物語の案内人役には、舞台『鋼の錬金術師』で主人公を務めた一色洋平、強くなったクララ役にはMETAMUSE(旧・ZOC)の雅雀り子としても活躍する山之口理香子、と個性あふれる魅力的なキャストが揃った。また、注目の若手ファッションデザイナー・タナカダイスケ(tanakadaisuke)が初めて舞台衣裳を手掛ける。

作・演出:根本宗子 コメント
根本宗子
【KAAT神奈川芸術劇場 2023年度ラインアップ発表 ビデオメッセージより】
『くるみ割り人形外伝』の作・演出を担当します根本宗子です。
KAAT 神奈川芸術劇場はいつもわくわくさせてくれるラインアップで、作り手としても観客としてもとても大好きな劇場です。
今回芸術監督の長塚さんからお声かけいただき、キッズ・プログラムの新作を担当することになりました。チャラン・ポ・ランタンの楽しい音楽に乗せて、舞台芸術の楽しさをこどもたちとそしてかつてこどもだった大人たちと共有できたらと思います。
どうぞご期待ください。
『さかさまの世界』は7月1日(土)・2日(日)・8日(土)・9日(日)、『さいごの1つ前』は7月21日(金)~24日(月)、『くるみ割り人形外伝』は8月5日(土)~13日(日)に上演。国内外で活躍する一流のアーティストたちが手掛ける『KAAT キッズ・プログラム 2023』を楽しみにしよう。

KAAT 神奈川芸術劇場 芸術監督 長塚圭史 コメント
KAAT キッズ・プログラムは開館した2011年から毎年様々な形になりながらもずうっと続いています。10年前はまだ、こども向けの劇、というと所謂通常の舞台公演とは違う、
また別のジャンルという受け止め方をされていたように思います。けれど今は、トップ・アーティストがこぞって取り組むようになりました。枠組みも、こどもだけではなく、おとなも楽しめる劇、と銘打っている劇場がほとんどです。YouTube など気軽に楽しめる娯楽が溢れる中、何もない空間で生身の人間が、観ているあなたと共にあらゆる世界を生み出せるという、その原始的な人間のイマジネーションの力を体感して欲しいと願うからです。
2023 年度はダンス、演劇、音楽劇と実に3作品。今年も強力なクリエーター陣がキッズ・プログラムのラインアップに参加してくださいます。KAAT神奈川芸術劇場はアーティスト、スタッフ、一丸となって最高の観劇体験を皆さまにお届けしたいと思っております。ご期待ください!

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