L→R HiDEX、Rover、MOCA

L→R HiDEX、Rover、MOCA

【ベリーグッドマン インタビュー】
みんなで前を向いて
頑張っていく気持ちで
ライヴをやりたい

ニューアルバム『ピース』が完成! これまで出会ってきた大切なピース(Piece)が詰まった、ピースフル(Peaceful)な作品に仕上がっている。47都道府県ツアー、そして11月には阪神甲子園球場でのワンマンライヴも決定しており、2023年はこれまで以上に多忙な年に。今回はそんなアルバムやツアーについてRoverとMOCAに語ってもらった。

自分を救ってくれたのは
メンバーであり、過去の自分たちだった

ニューアルバムが完成しましたね。

MOCA
レコーディングが終わったのが昨年の12月30日とかだったので、だいぶ過去の曲みたいな感覚があるんですけど、いよいよリリースされるのは楽しみです。自分らが信じて作った曲が聴いてもらえるというのは嬉しいですね。

タイトルも含めて、どんなアルバムにしたいなどのテーマみたいなのはありましたか?

Rover
コンセプトを決めるよりも、どんどん曲を作っていって、最後にタイトルを決めてアルバムになった感じですね。そこでHiDEXがポンと言った“ピース”という言葉が全部的を射ていたんです。ライヴ前に3人で“ベリーグッドマン、キラキラキラ”って言って出ていくんですけど、10年近くこれをやってきたので、そう意味での“ピース”だったり、47都道府県ツアーでこれまでに行ったことのないところも回って、パズルの“ピース”を埋めていくということであったり…で、最後のピースが甲子園球場っていう。そのピースということと、平和の願いを込めた言葉でもあるし、すごく腑に落ちる言葉だなって。最初に僕らが書いた曲で、お客さんにピースサインをあげてもらう「コンパス」(2014年3月発表の配信シングル)って曲があるんですけど、10年経って、その時の気持ちに立ち返ってみようって思って作ったのが「マスターピース」なんです。なので、ライヴハウスで“はじめまして”の方も、今までお世話になってきた人も、みんなで前を向いて頑張っていくみたいな気持ちでライヴをやりたいので、こういう楽しい曲を多めに作りました。

“ピース”はいろんな意味がありますし、一周してここで原点なのも含めて、いいタイミングですね。リード曲でもある「マスターピース」はどんな曲になりました?

MOCA
このアルバムの中では最後にできた曲で、僕らは自分たちが経験してきたことだったり、今思ってることだったり、“こんなふうになっていきたい”ってことを歌にしてるチームではあるんですけど、より個人的に今感じてること、一番フレッシュな“社会に対してのメッセージ”という感じです。この曲を作っている時、友達が悩んでいて、その友達に向けて作ったんですけど、ずっと不幸な空気感を纏っていたんです。ダンスもやっている時と飲み会以外は“こいつ、明日死ぬんちゃうか?”って心配になるくらい暗かったんですよ。居酒屋で呑んでいても、店に入ってすぐにケータイをいじり始めて会話もない…みたいな。“だったら帰れよ!”と思ったりするんですけど、自分もその中のひとりだと思うし、そういうのを切り取った感じですね。
Rover
でも、一番肝になるのは“マスターピース=最高傑作”ということで、“生まれてこれただけでまず大優勝してるやん、俺ら!”っていうのと、“幸せになるために生まれてきたよな、俺ら!”っていうのが伝われば一番いいかなって思っています。

最新の曲でもありますけど、ベリーグッドマンらしい曲ですね。

MOCA
まぁ、そうですね(笑)。
Rover
“いい曲って何なんだ?”って、ちょっと考えたんですよ。これまでいっぱい曲を書いてきたけど、その答えはまだはっきりとは分かっていなくて。でも、誰かが“いい曲”って言ったらそれがいい曲なんじゃないのかなって。だから、自分たちで決めることではないというか、だからこそヒット曲を作るというのは難しいんやと思うんですよ。“名曲を作ろう!”という気持ちと熱量で曲を作っていますけど、僕らができるのはそこまでなので、それでめっちゃ悩んだりしました。中学2年生の時から曲を作っているんで、曲を作ることはできるけど、なんか面白くないと思ってしまったり。そんな時に、自分たちが最初に3人で書いた「コンパス」を作った頃に一回立ち返ってみたいってHiDEXが言ってくれたんです。

HiDEXさんのひと言が大きなヒントになったわけですね。

Rover
はい。自分たちの曲に励まされるというか、過去の自分たちを見習って作るというのも新しい作り方やなって。サビもほとんど「コンパス」のサビと言ってることは変わっていなくて、逆にそこは辻褄を合わせたいと思ったんです。MOCAのヴァースに“幸せになっていこう”っていうような言葉を入れたのは、「コンパス」を超えたかったというか、ちゃんとした言葉で“ありがとう”でもなく、“頑張れ”でもなく、“俺たちは幸せになっていこう”ということだけを言いたかったんです。この曲を作る時が一番緊張しましたけど、一番正直に作れたかもしれないです。

長く続けていると、最初の頃の楽しかった気持ちとか高揚感とかが薄れたりしますよね。

Rover
僕、以前は制作期間に入る前にめっちゃ音楽を聴いてたんですよ。インプットするために。でも、音楽から音楽は生まれないっていうのが答えで、生まれたとしてもリミックスとかサンプリングに近い感じやなって。だったら、今、自分の目の前にあることを頑張って、生きていくしかないと思ったんですよね。いざギターとかピアノとかマイクの前に立った時に、今どういうメッセージを込めたいかを自分の中から引き出していく作業なので。かと言って、疲れるのは嫌やなって思ったんです(笑)。曲ばっかり書いていてしんどいって思ってしまう自分が怖いというか。“大好き”が“大嫌い”になった時のエネルギーってすごいじゃないですか。
MOCA
むっちゃ分かる!
Rover
だから、嫌いになる手前までの努力にしておこうと。やりすぎはあかんなって。自分を救ってくれたのはメンバーであり、過去の自分たちだったという感じですね。
L→R HiDEX(Vo&TrackMaker&Pianoforte&Gu&Per)、Rover(Vo&Gu&Tp)、MOCA(Vo&MC)
アルバム『ピース』【初回限定盤】(CD+M-CARD)
アルバム『ピース』【通常盤】(CD)
アルバム『ピース』【クラウンミュージックストア限定盤】(CD)

OKMusic編集部

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