南座で初日開幕した『若き日の親鸞』
オフィシャルレポートが到着、藤山扇
治郎とはいだしょうこのコメントも

4月10日(月)に南座にて、親鸞聖人御誕生八五〇年、立教開宗八〇〇年慶讃法要記念『若き日の親鸞』が開幕した。オフィシャルレポートが到着したので紹介する。

『若き日の親鸞』 (c)松竹
ベストセラー作家・五木寛之原作の小説『親鸞』シリーズより、「青春篇」の初舞台化で、小説の世界が目の前に広がる、ドラマティックな作品になっている。松竹新喜劇の次代を担う藤山扇治郎が、親鸞聖人役で新境地に挑戦。はいだしょうこ、須賀貴匡、春本由香、三林京子、藤川矢之輔ら、多方面で活躍する実力派俳優が共演し、テンポの良いストーリー展開で、親鸞聖人の青春を描く。
<舞台の見どころと初日の様子>
『若き日の親鸞』 (c)松竹
平安時代末期、不遇の運命に生まれ、出家を決めていた少年・忠範(読み:ただのり)のまえに、平清盛の手先として恐れられる六波羅王子(須賀貴匡)とその一味が立ちはだかる。法螺坊弁才(読み:ほうらぼうべんさい、曽我廼家寛太郎)やツブテの弥七ら仲間の助けもあり王子を退けるも、皆散りぢりになることに。忠範は、乳母・サヨ(三林京子)に見守られながら、比叡山に入山する。
『若き日の親鸞』 (c)松竹
そしてそれから十年の月日が流れ、名を忠範から範宴(読み:はんえん)と改めた主人公(藤山扇治郎)が、サヨに教わった歌を歌いながら登場するシーンでは客席から大きな拍手が送られた。範宴は、天台宗の門主・慈円(嵐芳三郎)から、吉水の庵で念仏を説いている法然(藤川矢之輔)の説法が、なぜ世の人の心をつかんでいるのか確かめよ、と命じられる。その道中、自身の煩悩や悪の部分を感じ、命がけの修行に取り組むが、心に仏が現れることもなく、苦しみは増すばかり。修業の場面で扇治郎は、実際に比叡山で修めた五体投地の作法を、力のこもった演技で見せる。
『若き日の親鸞』 (c)松竹
物語はさらに十年が経ち、比叡の山を下りて京都の六角堂へきた範宴は、病気の人々を治療する弁才と再会し、手伝いをするようになった。弁才を演じる寛太郎のアドリブに、厳しい修行のシーンからは一転、客席からも笑いがこぼれる。範宴はこの六角堂で、紫野(読み:しの、はいだしょうこ)と出会い、互いに心惹かれあうが、紫野は病のため、涙ながらに故郷の越後へ帰ることに。そして範宴は法然の「念仏を称えれば誰もが救われる」という教えに思いを馳せ、世俗の人々と生きる決心をする。
『若き日の親鸞』 (c)松竹
紫野の妹・鹿野(読み:かの、春本由香)に世話になりながら、法然のもとで修行を続ける中、範宴は善信(読み:ぜんしん)という名を与えられ、さらに選択集の書写を許された。法然に心酔する高僧・安楽房遵西(読み:あんらくぼうじゅんさい、榊原徹士)はそんな善信を快く思っておらず、一方、慈円は比叡山を去った善信を許すことができない。さらにかつての六波羅王子だった黒面法師も善信を狙っていて……。様々な思惑が交錯する都で、大きな事件へと発展していく。
『若き日の親鸞』 (c)松竹
五木寛之の小説に登場するスペクタクルな描写が、出演陣の熱演と舞台ならではの演出で表現される。激しい立廻りもあり、終始目の離せない展開に客席は引き込まれた。
新たな希望を見出した親鸞聖人の門出に、客席からは万雷の拍手が送られ、カーテンコールでは、初日開幕を祝して大谷婦人会・大谷サチカ会長から、扇治郎へ花束が贈られた。
初日を終えた扇治郎とはいだしょうこからコメントも届いた。
※忠範、範宴、善信はすべて同一人物で、後の親鸞聖人。
藤山扇治郎
『若き日の親鸞』 (c)松竹
親鸞聖人のお役と聞いた時は本当に驚きましたが、ついに初日を迎えることができました。
本当に座組のみなさまのサポートがあって、ここまでくることができたと思っています。
親鸞聖人に見守っていただいて、最後まで怪我無く勤めていきたいと思います!
最初から最後まで見どころばかりです。ぜひみなさんに観ていただきたいです!
はいだしょうこ
『若き日の親鸞』 (c)松竹
初めて南座の舞台に立たせていただいて、舞台上から見える光景に感動しました!
令和の時代もさまざまな苦難がありますが、この作品をご覧になったお客様が、「生きていくうえで何が大切なのか」など、何か感じていただければ幸いです。千穐楽まで、精一杯勤めさせていただきますので、ぜひ劇場でお待ちしております。
『若き日の親鸞』は4月29日(土・祝)まで、南座にて上演。チケットはイープラスほかプレイガイドにて販売中。

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