コレサワ

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【コレサワ インタビュー】
5年間の感謝を
伝えるものにしたいと考えていた

10~20代の女性から圧倒的な共感を得ているシンガーソングライターのコレサワから最新作『かわいくしながら待ってるね』が届けられた。幅広さと質の高さを併せ持った楽曲やリアリティーにあふれる歌詞、表情豊かなヴォーカルなどが詰め込めれた同作を聴くと、彼女がメジャーデビューから5周年を迎えてより魅力を増していることを実感させられる。そんなコレサワの最新の声をお届けしよう!

猫に対してだったら
ずっと片想いでもいいと思った

本作の制作に入る前はどんなことを考えていましたか?

最初はアルバムのテーマとか構想みたいなものは特になかったです。その後、曲がどんどんできたりして入れたい曲は集まったけど、それでもテーマが見えてこなかったんですよね。タイトルを決める締切のギリギリまで引っ張ってしまって、その時に改めて7曲を見渡したら、歌詞の中の主人公がみんな何かを待っていたり、期待していたりという共通点があることに気づいたんです。それで、“かわいくしながら待ってるね”というタイトルにしようと決めました。

最後にタイトルが決まったということは、純粋に今のコレサワさんがいいと思う曲をパッケージした作品と言えますね。本作は温かみや煌びやかさを湛えたテイストが心地良い一枚になっています。

私は昨年の8月にメジャーデビュー5周年を迎えて、今年の5月から全国ツアーをして、8月にZepp Haneda(TOKYO)でツアーファイナルのワンマンをするんですね。ツアーも5周年という気持ちで回るし、アルバムも5周年をお祝いするというか、5年間の感謝を伝えるものにしたいと考えたりもしていたんです。だから、『かわいくしながら待ってるね』は“感謝”をテーマにした作品ではないですけど、感謝を伝えたいという想いはあって、曲を作ったりしている間はずっと温かい気持ちで過ごしていたと思うんですよ。今回は昔の曲も結構多いですけど、ハートフルなものをなるべくセレクトしたので、そういうマインドではあった気がしますね。

では、曲を揃えていく中で、キーになった曲などはありましたか?

「にゃんにゃんにゃん」ですね。「にゃんにゃんにゃん」が完成した時に、この曲があればアルバムをいいところに持っていけると思ったんです。これが入っていれば、あとの曲は気楽にいけるというか。なんとなく、そんなふうに感じました。

分かります。「にゃんにゃんにゃん」はすごくインパクトがありますし、エモーショナルなAメロが配されていることで、単に可愛いだけで終わることなく、力を持った曲に仕上がっています。

そう言っていただけると嬉しいです。最初は全部おちゃらけたほうに振ろうとしたんです。でも、なかなか曲作りが進まなかったんです。たぶん自分でもAメロはこれじゃないと感じていたんだと思いますね。2年前くらいに作り始めた曲ではあったんですけど、Aメロが決まらないから完成させられなかったんですよ。そういう状態が続いたあとに今のAメロができたんですが、テンポがすごく難しかったです。♪にゃんにゃんにゃん〜と歌っているパートのテンションに合わせると、サビが速くなっちゃうんですよ。でも、Aメロを心地良く歌うには逆にもう少し速いほうが良くて、全部のパートを気持ち良く歌うためのテンポを探すのが難しかったです。この曲は本当に猫を飼い始めたことがきっかけになって作ったんですけど、その猫がめっちゃ“にゃあにゃあ”言っているなぁって(笑)。そこから入っていって、私としては初めてのことなんですが、猫に対してだったらずっと片想いでもいいと思ったんです。私が好きなだけで、この子が私のことを好きじゃなくても構わないって。“私に愛させてくれてありがとう!”みたいな気持ちで、それはペットにしか持てない感情なんですよね。

特に猫はそういう気持ちになりますよね。

そう! ツンデレだし、うちの猫は呼んでも来なくて、尻尾で返事したりするんですよ。でも、自分から側に来る時もあったりして、そういう気まぐれに振り回されていて。でも、そこがすごくいいと思うんですよね。遠くからジィーッと見ている時もあったりするし。初めて猫と暮らしたので、“不思議だな〜”と思いながら過ごす中で作った曲です。

「にゃんにゃんにゃん」の歌詞は人間と猫の目線を使い分けているのもいいですね。

猫目線のところは猫が本当にそう思っているかは分からなくて、ただの人間の欲と言いますか(笑)。“こう思っているんじゃないかな?”という想像で書きました。

《おかえりニャ おやつくれ 夜の分のおやつくれ》という辺りなどは、すごくリアリティーがあって楽しいです(笑)。そんな「にゃんにゃんにゃん」を筆頭に今作は必聴と言える楽曲が揃っていて、例えばリード曲の「真っ赤な爪と牛乳」はウォームかつアッパーなテイストが心地良いですし、オン/オフやスローダウンなどを用いてドラマ性を高めているアレンジも秀逸です。

実は「真っ赤な爪と牛乳」はインディーズの頃に作った曲で、メジャーデビューしてからは一回くらいしか演奏していないんですよ。

えっ!? こんなにいい曲なのに?

はい。自分でもずっとお気に入りの曲だったんですけど、インディーズの時にすごく歌っていたから、聴いてくれている人は新曲のほうが嬉しいだろうと思って。だから、音源に入れたいと思いながら機会を逃してしまって。あと、好きだからいいタイミングで出したいとも思っていて、“これは今度にしよう”となっていたんです。で、今回のアルバムを作る時に急に思い出して。“そう言えば、あの曲はまだレコーディングしていない!”って。5周年というタイミングでインディーズの頃にずっと歌っていた曲を入れるのもいいかなと思って、今回レコーディングしました。

インディーズの頃から良質な曲を作られていたことが分かります。歌詞は“待っている女の子”がテーマで、寂しさを感じていながらも待っているのを楽しんでいるという心情が巧みに描かれていますね。

楽しんじゃっているのがリズムに出ているというか、特にサビのリズムは楽しいですよね。この曲を作った時は本当に爪を赤く塗ることにハマっていて、当時はまだジェルネイルに出会う前だったので(笑)、マニキュアを塗っていたんですね。マニキュアはすぐに剥げちゃうんですよ。なので、また塗るという。それって、信じて、裏切られて、信じて、裏切られて…という乙女心に似ていると思って。当時の自分は恋人を信じたい、だけど完全には信じることができないというところで揺らいでいたと思いますね。その頃は牛乳を飲むことにもハマっていたから、本当に牛乳を飲んで、爪を赤く塗っている時に作った曲です。
コレサワ
配信ミニアルバム『かわいくしながら待ってるね』

OKMusic編集部

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