IdolPunch『EIGHT BALL FESTIVAL 20
23』ライブレポートーー地元岡山でフ
ァストチューン祭り、春フェス2日目
の幕を豪快に開く

『EIGHT BALL FESTIVAL 2023』IdolPunch
4月2日(日)、コンベックス岡山にて『EIGHT BALL FESTIVAL 2023』2日目公演が開催された。本イベントは今年から初めて開催される屋内型フェスで、「SOLID STAGE」、「STRIPED STAGE」の2つのステージに、2日間で計23組のアーティストが出演。
2日目となるこの日はサンボマスターUNISON SQUARE GARDENSaucy DogMOROHAMAN WITH A MISSION10-FEET、IdolPunch、UNFAIR RULEIvy to Fraudulent GameNakamuraEmi四星球羊文学が出演。初日に続き、チケットはソールドアウト。「晴れのくに」にふさわしい晴天の下、岡山の音楽シーンを賑わす祝宴の模様をレポートしたい。
2日目のトップバッターは、地元岡山を拠点に活動するファスト、ハードコアバンドのIdolPunch。活動開始から30年、活動休止やメンバーの逝去などもあり、ライブの機会はそう多くはないが、今なお音楽ファンはもちろん、バンドシーンからも愛されているバンドだ。Racco(Vo)はバンドマンとして活動するだけでなく、ハンバーガー店「RACCOS BURGER」のオーナーとしての顔も持ち併せている。地元の若いロックファンや、フェス好きの人ならこの店を通じ、バンドの存在を知った人も少なくはないだろう。
IdolPunch
定刻ちょうど、オープニングSEが鳴るとフロアからは、やいのやいのとバンドをはやし立てる声があちこちから聞こえる。さすが地元……と、メンバーのステージインを待っていると、そこにやってきたのは猫のゆるキャラ、スーちゃん。限られたステージ時間のなかで、バーガー店のゆるキャラが最初に登場するなんて! しかも中の人はRacco本人! この脱力感も彼らならではだ。
IdolPunch
ようやくメンバーがステージインするが、Racco以外メンバーはみなパンツ一丁! フロアからは驚く人の声も聞こえたけれど、彼らのライブは気づけばほぼ全員が裸になっているので、パンツを履いているだけでもまだマシで……。この日のサポートベース、岡峰光舟は服着用だったことに違和感を覚えるという、なんだかよくわからない事態になってしまい、ライブが始まる前から楽しくって仕方がない。
「My Summer」から、次から次に楽曲を投下していくけれど、そのどれもがファストチューンばかり。叫びまくる歌唱に、U.S.G(Gt)の速すぎるビートと、観客は追いつくのに必死だ。「Future」、「This is W day 2」も激しいけれど、しっかりポップでキャッチーで、フロア後方に突っ立っていた観客が気づけば前方でしっちゃかめっちゃかになって、彼らの音を全身で浴びまくっている姿も見える。
IdolPunch
地元の雄として、トップバッターを勢いよく駆け抜けた彼ら。この日のステージ時間は20分と短いものの、そこに詰め込んだ曲数はなんと8曲! しかも、ファスト・ハードコアバンドらしく、大幅に繰り上げてステージは終了。これでもかと勢いを加速させ、『EIGHT BALL FESTIVAL 2023』2日目の幕を豪快に開いてくれた。
取材・文=黒田奈保子 撮影=MAYUMI
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