ミュージカル『マチルダ』 主人公マ
チルダ役の4人(嘉村咲良・熊野みの
り・寺田美蘭・三上野乃花)に聞いた

イギリスで生まれた大ヒットミュージカル『マチルダ』日本初演の東京公演が2023年3月25日より、東京・東急シアターオーブでスタートした(東京公演:3月25日~5月6日。その後、梅田芸術劇場メインホールにて大阪公演:5月28日~6月4日)。ロアルド・ダールの小説「マチルダは小さな大天才」を原作に、英国ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーによって2010年に製作された本作は、天才少女マチルダと彼女を取り巻く大人たちの物語が、色鮮やかな演出とキャッチーな音楽で描かれる。ウエストエンドやブロードウェイをはじめ世界各国で上演され、米トニー賞や英ローレンス・オリヴィエ賞など約100の国際的な演劇賞を受賞した。
今回の公演でも、魅力溢れる日本オリジナル・キャスト陣が勢揃い。元オリンピックのハンマー投げ選手で、暴力で学校を支配する小学校校長のミス・トランチブル役を 大貫勇輔/小野田龍之介/木村達成(トリプルキャスト)。マチルダのクラスの担任で彼女の良き理解者となるミス・ハニー役を 咲妃みゆ/昆夏美(Wキャスト)。ダンスの事ばかり考えているマチルダの母親、ミセス・ワームウッド役を 霧矢大夢/大塚千弘(Wキャスト)。娘に無関心なマチルダの父親、ミスター・ワームウッド役を 田代万里生/斎藤司(Wキャスト)がそれぞれ務める。
そして何といっても注目なのが、主人公のマチルダ役に選ばれた 嘉村咲良/熊野みのり/寺田美蘭/三上野乃花(クワトロキャスト)である。理不尽な仕打ちをする両親や校長先生たちに、持ち前の頭脳と不思議な力で懲らしめるべく立ち向かう、本好きの天才少女、という大役を演じる彼女らは、海外クリエイティブスタッフによる厳しいオーディションを勝ち抜いた精鋭なのだ。そんな彼女たち4人にSPICEから質問を投げかけた。
ミュージカル『マチルダ』製作発表会より (写真撮影:松村 蘭)

■嘉村咲良さん
嘉村咲良さん
ーー 『マチルダ』のオーディションを受けた理由は?
いとこからオーディションの話を教えてもらい、すぐに原作を読んだところ、面白かったので、受けてみようと思いました。
ーー オーディションでは、どんなことをしましたか。そして、マチルダに選ばれた理由は何だったと思いますか。
オーディションでは歌と芝居とダンスをしました。選ばれた理由は、背が小さいことと、お芝居のセリフの時に眉毛を動かしたことだと思います。
ーー 稽古中に印象深い出来事はありましたか。
大人キャストの方がセリフを忘れた時でも、アドリブでうまく切り抜けるのを見て、凄いなあと思いました。
ーー マチルダ役を演じる経験を経て、自分の中で変化したと思うことはありますか。
ご飯を沢山食べられるようになりました。それから、毎日、お風呂でマッサージをして、腹筋、ストレッチも欠かさないようになりました。
ーー 劇中の曲「いつか/原題 When I Grow Up」にちなんで……、「大きくなったら(When I Grow Up)」したいことは?
姉や兄と一緒に、ミュージカル映画を作りたいです。
ーー 劇中の曲「ちょっと悪い子/原題 Naughty」にちなんで……、「正しくない(that's not right)」と思っていることは?
ゴミのポイ捨てと、犬の飼い主が糞を片付けないで残していくことです。

■熊野みのりさん
熊野みのりさん
ーー 『マチルダ』のオーディションを受けた理由は?
イギリスで有名な『マチルダ』がついに日本で上演されると聞いて、とても興奮しました。「マチルダ」の本を読んで、小さい女の子のマチルダが、たくましく大人に立ち向かうのがかっこよくて、自分も演じてみたいと思いました。また、「Naughty」や「When I grow up」等、いい曲がたくさんあるので、歌ってみたいとも思いました。
ーー オーディションでは、どんなことをしましたか。そして、マチルダに選ばれた理由は何だったと思いますか。
事前に与えられた課題の歌と台詞をやりました。審査が進んでいく段階で、課題が追加されていくので、限られた時間の中で準備するのが大変でしたが、いい経験になりました。(選ばれた理由は)あまり緊張せず、のびのびできたところが良かったのかもしれません。
ーー 稽古中に印象深い出来事はありましたか。
初めて大人キャストの方々と稽古をして、みなさん個性的で、おもしろくて、歌や演技が上手だったので、自分も負けないようにがんばろうと思いました。毎日、稽古場で『マチルダ』の歌を聞くことができ、楽しいです。
ーー マチルダ役を演じる経験を経て、自分の中で変化したと思うことはありますか。
時間の大切さを教えてもらいました。『マチルダ』の稽古ではやることがたくさんあるため、空き時間の使い方やほかの人に迷惑をかけない(他の人の時間を使わない)ことを学びました。
ーー 劇中の曲「いつか/原題 When I Grow Up」にちなんで……、「大きくなったら(When I Grow Up)」したいことは?
毎日が大晦日のように、好きなことをして、夜更かしして、年越しそばをたくさん食べたいです。
ーー 劇中の曲「ちょっと悪い子/原題 Naughty」にちなんで……、「正しくない(that's not right)」と思っていることは?
学校でSDGsを勉強していますが、世界で生産されている食料の1/3が捨てられてしまうと知り、「そんなの正しくない」と思いました。食べ残しをしないようにがんばっています。

■寺田美蘭さん
寺田美蘭さん
ーー 『マチルダ』のオーディションを受けた理由は?
オーディションを受ける前から「マチルダは小さな大天才」(ロアルド・ダール著)を読んでいて、とても大好きな本でした。その「マチルダ」がミュージカルになると知って絶対受けたい!と思ってオーディションを受けました。
ーー オーディションでは、どんなことをしましたか。そして、マチルダに選ばれた理由は何だったと思いますか。
課題曲は難しく、セリフはとても長くて覚えるのが大変でしたが、オーディション自体は審査されるというよりもお稽古のようで、マチルダについてたくさんのことを教えていただき勉強になりました。どうして選ばれたのかは……よくわかりませんが目力(めぢから)かな?
ーー 稽古中に印象深い出来事はありましたか。
ミセス・ワームウッドが歌い踊る迫力のあるシーンがあり、そのナンバーが終わった時にミセス・ワームウッドが端にはけて、立てないでいる様子を見た時はとても驚きました。大人キャストの方々の本気度がすごくて、圧倒されています。次はマチルダが出るシーンだったので、私も負けないように頑張らなければと思いました。
ーー マチルダ役を演じる経験を経て、自分の中で変化したと思うことはありますか。
マチルダは、眉毛すら動かしてはいけないという、無表情の演技をしなければいけません。表情がないからただ緊張しているようにも見えてしまい、どのように表現すべきなのかとても悩みました。本当に苦労しましたが、そのおかげで演出補のジョーさんや演出助手ナタリーさんと役作りについて話し合い、自分自身でも深く考えることができるようになったと思います。
ーー 劇中の曲「いつか/原題 When I Grow Up」にちなんで……、「大きくなったら(When I Grow Up)」したいことは?
演じることがとても好きでこれからも頑張りたいですし、演出のお仕事もしてみたいです。私はマチルダのように本を読むことが好きなので、もっと本を読んで知識を増やして、お話も書いてみたいです。
ーー 劇中の曲「ちょっと悪い子/原題 Naughty」にちなんで……、「正しくない(that's not right)」と思っていることは?
電車の優先席では携帯電話は禁止なのに使っている人が多いし、右側通行の場所で堂々と反対側を歩いて人にぶつかる人がいたりと、正しくないなと思うことはたくさんあります。理由があって禁止されていることは守るべきだと思います。

■三上野乃花さん
三上野乃花さん
ーー 『マチルダ』のオーディションを受けた理由は?
6歳の時に幼稚園の遠足で観に行ったミュージカルに心を打たれ、「私も舞台に立って、お客様を感動させたい」と思ったので、今回のオーディションを受けました。
ーー オーディションでは、どんなことをしましたか。そして、マチルダに選ばれた理由は何だったと思いますか。
台詞課題では、短い期間で覚えなくてはならずとても大変でしたが、その時にマチルダの力強さを出すことができたのかなと思います。
ーー 稽古中に印象深い出来事はありましたか。
シーンを分けてお稽古している時には『マチルダ』の世界に入りこむ事が簡単ではなかったけれど、通し稽古になった途端、いつもより深く『マチルダ』の世界に入りこめたことが、印象深い出来事でした。
ーー マチルダ役を演じる経験を経て、自分の中で変化したと思うことはありますか。
お稽古では、何度も練習してやっとできるようになった事がたくさんありました。でも、難しくてできなかった事が一つありました。それは、『マチルダ』の世界に深く入りこむ事です。たくさんお稽古をして通し稽古の日を迎え、なんと『マチルダ』の世界に深く入りこむ事ができました。それからもどんどんお稽古を重ね、今ではいつでも入りこめるようになって、難しい気持ちから楽しい気持ちになりました。
ーー 劇中の曲「いつか/原題 When I Grow Up」にちなんで……、「大きくなったら(When I Grow Up)」したいことは?
優しい優しいミュージカル俳優になって、たくさん活躍したいです。
ーー 劇中の曲「ちょっと悪い子/原題 Naughty」にちなんで……、「正しくない(that's not right)」と思っていることは?
大人の人が子どもに「してはいけない」と言ってることを自らしている時、それは正しくないと思います。
ミュージカル『マチルダ』製作発表会より (写真撮影:松村 蘭)
取材・文=安藤光夫(SPICE編集部)

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