龍ヶ崎リン

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【龍ヶ崎リン インタビュー】
不安に苛まれる中で得た
“焦らず自分のペースで過ごす”
という気づき

心地良いアルトヴォイスで数多くのカバー曲を投稿し、今年2月に念願のアーティストデビューを果たした龍ヶ崎リンが、VTuberデビュー3周年記念日に2nd配信シングル「追熟」をリリースする。ブラックミュージックとインターネットミュージックを軽やかにブレンドした、メッセージ性あふれる同作の制作過程に迫った。

「追熟」は
殴り書きのメモから生まれた曲

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今年2月に配信シングル「Twilight Stream」で念願のアーティストデビューなさって心境はいかがですか?

自分の好きなシティポップやラップのグルーブ感のあるトラックと、これまでの活動が反映された歌詞に、“これは紛れもなく龍ヶ崎リンの歌だね”“やっとオリジナル曲が出せてよかったね”とファンのみなさんが自分事のように喜んでくれたんです。安直な言い方になってしまいますが、自分にとっての幸せはリスナーさんが喜んでくれることなんだなと改めて感じました。サブスクや人からのオススメ経由で僕の曲を聴いてくださった方も多くて、聴いてくださった方々自身の過去の経験や生活に自然に結びつけられる楽曲にできて良かったと思います。

そして今回、VTuberデビュー3周年記念日に2ndシングル「追熟」がリリースされました。この曲には“せわしない都会の喧騒にのまれず、焦らず自分のペースで日々を過ごしていこう”というメッセージが込められているとのことで。

これは僕の経験がもとになっていて。VTuberに限らず、自分のコンテンツを生み出している人全般に言えることかもしれないんですけど、何もしていない時間がすごく不安なんです。配信をしていなかったら、音楽活動をしていなかったら、ファンが離れてしまうんじゃないかという不安が常につきまとっていて。東京という街に身を置いているとそれを余計に感じるんですよね。

東京は大勢の人がとにかくせわしなく日々を過ごしている場所ですからね。

みんな急いでいて、すれ違う人もどこを見ているか分からなかったり。そういう環境もあってなおさら“何かしないと!”という気持ちに追われていたんです。それでVtuberデビューをして1年半くらいの頃、大好きな曲を聴いても全然気持ちが弾まなかったんですよ。ほんと右から左みたいな感じで、すーっと耳を素通りしていったんです。

そこでご自分の異変に気づいたと。

はい。好きなものが好きじゃなくなっていく感じというか、直感的に“今の自分、ダメだわ”と思いました。歌を歌いたくて、それをいろんな人に届けたくてこの世界に入ったのに、歌うことすら義務になりそうな気がして。適度に力を抜いて人生を送らないと、このままじゃ音楽を楽しめなくなると思ったんです。「追熟」はその学びをシェアしたくて、アザミさんの力を借りて作った曲で、アザミさんに当時書いていたメモを渡して曲作りをしていただきました。

メモ?

その当時、思ったことを殴り書きしていたんですよ。最初のうちは“今、自分がいる場所は本当にいるべき場所なのか?”とか、“理想と現実の違いを突きつけられている”とか、“やりたいことをやるために始めたのに、やりたくないことばっかりやらないといけない”みたいな愚痴ばっかりで。でも、メモの後半になっていくと、愛について語っていたんです。

それが“適度に力を抜いて人生を送らないと”と気づいたあとでしょうか?

そうです。“愛する人が自分みたいに悩んだり、苦しんで壁にぶつかった時に、手を差し伸べられる存在であるためにも自分が強くならないと”といったことが書いてあって。そのあたりから自分のメンタルをケアできる方法を取るようになって、心に余裕ができてきました。今でも“あのタイミングで音楽を聴いていなかったらどうなっていたんだろう?”と思うんですよ。だから、僕はずっと音楽に助けられているんだと思います。

そのテーマをアザミさんに曲にしてもらうことになった経緯というと?

アザミさんの音楽に出会ったのはYouTubeのオススメに「ビジンハクメイ」が出てきたことがきっかけで。それがVTuberデビューしてから少し経った時期、メモを殴り書きするようになる少し前くらいでした。主人公の身体がボロボロに傷ついて痛々しいのに、明るさも感じさせるという文才に圧倒されたんです。配信でアザミさんの曲を紹介したくてご連絡したのがファーストコンタクトでしたね。自分がオリジナルの楽曲を出せるタイミングになったらアザミさんにお願いしたいとずっと思っていたので、今回念願が叶いました。
龍ヶ崎リン
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配信シングル「追熟」

OKMusic編集部

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