【Dumyy Lou インタビュー】
俺はロックンロールを
流行らせたいんだ
既存の言葉では表せない想いを
造語で表現した「葛走とライター」
渡辺さんやベースの宮田‘レフティ’リョウさん、ドラムのTETSUYUKI YAMADAさんとともに作業する中で、思いがけない変化を遂げた曲を挙げるとすれば?
リード曲の「葛走とライター」をセッションした時、最初はピンときてなかったんですけど、全部を録り終えて、ミックスして…という過程で、自分の中でどんどんと良くなっていきましたね。この曲に詰まっている焦燥感に音がどんどん合っていく感じが分かるようになって、最高のものになったと思います。
2曲目の「Dancing 19」はエッジ―かつダンサブルで、どこか癖になるようなロックナンバーなのですが、メッセージ性がない曲を作るのも初の試みだったそうで。
最終的にこの曲にメッセージはなくなりましたね(笑)。音に関しては最初のギターリフを“何だ、これ?”というインパクトのあるものにしたいと話していたんです。曲の仕上がりで、もう一歩違うところに行きたかったから、ベースもいつもと違うエフェクターを使ってみたり、アコギも歪ませたりもしています。

レコーディング風景
3曲目の「My Life is Rock'n'Roll」はブルージーな雰囲気もある華やかなロックンロールな曲に仕上がりましたね。
自分が一番好きなロックンロールの要素を出す曲を入れたいと思って仕上げたのがこの曲です。タイトルどおりの音像ができてるんじゃないかな?
甘いメロディーが印象的なラブソングの「アイボリー、」や、エモーショナルな「葛走とライター」、疾走感あふれる「TEEN AGE」と、アルバム後半の3曲は特にメッセージ性の強い曲になっています。言葉の選び方も独特ですよね?
「アイボリー、」はラブソングなんだけど、タイトルの最後に句読点を打ったのは、句読点のあとって文章が続くから“終わらないように”という想い込めました。「葛走とライター」の“葛走”は造語なんだけど、自分の葛藤してる感じに合う言葉がどれも当てはまらなかったから、自分で作りました。“意味が分かんないから曲名を変えたほうがいいよ”って学校の友達にも言われたけど、そのままにしています(笑)。
“どれにも当てはまらない”という言葉がケイタさんそのもので、強い個性を表しているような気がします。そんな独特の言葉で体現した「葛走とライター」がアルバムのリード曲なんですよね。
どの曲もいいからリード曲は迷ったんだけど、「葛走とライター」が一番世に知らしめたい曲だったんです。今まで音楽活動をしてきた中で、認められない葛藤や大人になれない不安とかがずっと自分の中にあったんだけど、それをうまく言葉にできなくて。でも、そういう想いをある瞬間にかたちに出すことができて完成したのがこの曲なので、この曲を一番に出したいと思いました。
どの曲も自信作だと思いますけど、ケイタさんの中で「葛走とライター」はより自信につながった曲でもあるんですね。
「葛走とライター」と「TEEN AGE」は普段思っていたことや衝動的なものが組み込めたと思います。「TEEN AGE」は今書こうと思っても“これは出ないな”って思うぐらいの歌詞ができたので。10代のリアルな言葉が最後に表せた曲ですね。
その「TEEN AGE」は疾走感たっぷりのメロディックなロックナンバーで、ラストを爽快に締め括る楽曲です。そんな多彩な楽曲が詰まったデビュー作を引っ提げて、3月30日にはいよいよレコ発ライヴも開催されますね。
やっぱり同世代のどのバンドよりも一番いいライヴがしたですね。ライヴって観た人の心を変えられるのが理想なんだけど、そのためにはやる側も命を削らないといけないし、どれだけ削れるかの勝負だと思っていて。命を削って出来上がったアルバムの曲を披露する最初のライヴで、これまでを圧倒的に超えるようなプレイをしたいと思っています。
Dumyy Louとしては、“ROCK BAND”ではなく、“ROCK HOMIES”(※“HOMIES”は“連れ、仲間”を示す言葉)という楽曲に応じてかたちを変えるフレキシブルな体制でバンド活動をしていますが、今後はどんなアーティストになっていきたいですか?
またこういうロックンロールを日本で流行らせたい。その先駆者になるのが俺の夢です。だから、このアルバムはできるだけ爆音で聴いてほしいですね。
取材:齊藤 恵
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配信ミニアルバム『The Dumyy Lou』2023年3月29日リリース
OIKOS MUSIC
【LIVE映像】
GOT OIKOS GET LIVE Vol.1/Dumyy Lou