L→R 朋(Ba)、涼太(Vo)、理緒(Dr)、太嘉志(Gu)

L→R 朋(Ba)、涼太(Vo)、理緒(Dr)、太嘉志(Gu)

【THE MADNA インタビュー】
シーンの急先鋒が希求する
今この瞬間のリアル

考えてみると今回の楽曲は
全て挑戦かもしれない

すごくいいと思います、とても似合っていますし。では、カップリング曲についても訊かせてください。今回も3タイプの形態でCDがリリースされますが、それぞれに収録されるカップリングがまた実に多彩な音楽性で。共通カップリングの「TRiCKSTER」はまさにタイトルどおり、トリックスターな仕上がりとなっていますね。

太嘉志
僕、ロックもですけどアニソンも好きで、「TRiCKSTER」はTHE MADNAがもしアニメのタイアップを手がけるとしたらこういう曲がやりたいっていうイメージで作ったんです。THE MADNAの曲をサウンド的にアニソンに変換したらどうなるのかっていう自分自身への挑戦の意味も込めて、取りかかった曲ですね。

歌詞に散りばめられた言葉遊び的な要素も面白くて。

涼太
言葉の響きやハマり具合はかなり気にして書いた記憶があります。耳で聴いている時と歌詞カードを読んだ時のギャップというか、そういう部分でも楽しめるようにって。

曲中、ポエトリーリーディングじゃないですけど、歌詞に載っていない語りのパートもありますよね。

涼太
あれは、あえて歌詞にしなかったんです。ライヴを想定した時に、あの部分に関してはきっと毎回言いたいことが変わっていくだろうと思ったんですよ。なので、文字として残しておきたくなかったというか、ライヴでその時に感じていることを話せる場所としてとっておきたくて。

Type-Bに収録される「東京lonely girl」もまたちょっとこれまでになかったタイプの曲じゃないですか。シティポップ的な匂いも感じさせるジャジーで洗練されたサウンドがとても新鮮です。

太嘉志
考えてみると今回の曲は全て挑戦かもしれないです。この曲にしてもそうで、“丸サ進行”と呼ばれるコード進行があるんですけど、これまで100曲以上作ってきた中で、その進行を使った曲をまだ作ったことがないなってふと気づいたんですよ。俺ももういい大人だし、そういう雰囲気の曲を作ってもいいんじゃないかと取りかかってみたら、無理をしていない背伸び感っていうか、すごくいい感じの背伸び感を出すことができて。
実はこれ、だいぶ早い段階からデモがあったんですよ。前回のリリースの時にはもうストックとしてあって。その時からベースプレイのイメージもできていたし、THE MADNAでやったらきっと良くなるとは思っていたんですよね。ただ、個人的には正直言って、「東京lonely girl」は苦手なジャンルなんですよ。ずっとパンキッシュに育ってきて、お洒落には蓋をして生きてきたので(笑)。なので、レコーディングには自分のMAXプラス40パーセントぐらい背伸びして臨みました。とはいえ、レコーディングとか弾くたびに等身大になってきてる気はするので、ライヴで披露する頃にはけど、かなりいいものになってるとは思いますね。

理緒さんはいかがですか?

理緒
僕はポップスは全般的に得意なので、身体にすごく馴染みやすかったです。フレージングに関しては跳ねている感じをどれだけ耳触りよく聴かせられるか考えながら、引き算の美学を意識して組み立てていきました。

この曲を聴いて涼太さんはどんなイメージをもたれました?

涼太
最初に聴いた時はまずお洒落だなって。で、漠然と浮かんだ歌詞のイメージが“大人”“セクシー”“ネオン”(笑)。

まさに“東京”ですね。

涼太
で、まだ書き始めていない時に太嘉志から“この歌詞、書き始めてる?”って訊かれて、“いや、進んでない”とか話していたら“東京でスレちゃった女の子みたいな感じがいい”って言われたんです(笑)。でも、僕もそれを聞いて、あながち自分のイメージともかけ離れてない、むしろ合っていると思ったんですよ。自分も女の子視点の歌詞がいいってなんとなく思っていたので、じゃあその方向で進めちゃおうって。太嘉志に背中を押された感じでしたね。

歌い方もちょっと女性っぽさを意識されていたりしてませんか?

涼太
あっ、そうですね。女性っぽさというか、エロさかな?(笑) セクシーな雰囲気が少しでも出せたらって。

Type-Cの「Sugar trip」はその対極といいますか、恋を失った寄る辺ない痛みがしんしんと染みるクリーントーンなミディアムチューンとなっています。

太嘉志
これは絶対にいい歌詞が乗るだろうなとトラックを作りながら思っていたんですよ。なので、あえて展開を作らずにおいたんです。そのほうがトラックではなく歌に耳が行くので。結果、狙いどおりの曲になりましたね。
理緒
今、太嘉志くんがトラックに耳が行かないように意識して曲を作ったと言っていましたけど、僕も同じ感覚はありました。歌を立たせたい曲なのでドラムを叩く時もそこは意識して。でも、音量は非常にミニマムにしつつも、あえてTHE MADNA最速のフレーズを入れてみたりもしているんですよ(笑)。

そんなマニアックなこだわりポイントがあったとは。どこか訊いてもいいですか?

理緒
普通に聴いていたらたぶん全然気づかないと思うんですけど…ひとつ挙げると、アウトロに入るタイミングのフィルですかね。そこは音量的にはすごく小さいけど、あえて一番速いフレーズを叩いています。もし気になった方はぜひチェックしてみてください。

それにしても今回のシングルはまたTHE MADNAの新境地を開く一作だと強く感じるのですが、今作では一番表現したかったことってなんですか?

涼太
やっぱりアダルトな部分じゃないですかね。それなりに俺ら、年齢も重ねているので、今の俺らの年齢で表現できるものっていう。太嘉志が言っていたように、そういう背伸び感も汲み取ってもらえたらなって。

4月からは今作を携えたレコ発ワンマンツアー『THE MADNA sweet dream TOUR’23 in a sweet dreams』もスタートします。こちらでもこれまでとは違うTHE MADNAが観られるのでしょうか?

涼太
そうですね、昨年のワンマンとはまた全然違ったものになると思います。
理緒
これまでもツアーは何回かやってきて、そのひとつひとつが何かしら転機となるものだったんですよ。今回もどういうふうに変わっていくのか僕自身、楽しみですし、ぜひ多くの人に体感してほしいですね。
極端な話、多少ハンドルは切っても、グルッと180度変わることって滅多にないと思うんですけど、今回のツアーではそれぐらいの変化がTHE MADNAに訪れそうな予感がしていて。なので、“みんなもちょっと覗いてみたら?”って言っておこうかなと(笑)。自分たちですら始まってみないと分からないし、ただ予感がしているっていうだけなんですけど。
太嘉志
僕はもう“エロみ”を観に来てもらいたいですね。今回のシングルの曲ももちろん披露しますし、ちょっと大人なTHE MADNAを耳でも目でも体でも直接感じてほしいです。
涼太
表現の振り幅も広くなってきているので、その広がった部分を観てもらえたら。あと、コロナ禍もちょっと落ち着いて、ライヴハウスの制限とかもどんどん緩和されてきているなか、個人的には今一度、自分たちのあり方を再確認しにいくツアーになる気がしていて。ファンのみんなも僕ら自身も、コロナ禍になってからのライヴハウスの状況にちょっと慣れてしまっているところがあると思うんですけど、そういうある種のぬるま湯みたいな状況に冷たい水をかけていきたい。自分も含めてお互いにそうしなきゃってモードになってきているんです。攻撃性をいかに強めていけるか、それが今のテーマですね。

まさに「sweet dream」の《痛いほど感じさせてくれ君の鼓動を/君のリアルを》ですね。現状に一石を投じるようなステージ、楽しみにしています。

涼太
ありがとうございます。よろしくお願いします!

取材:本間夕子

シングル「sweet dream」2023年4月5日発売 HAPPINET CORPORATION/Timely Records
    • 【Type-A】(CD+DVD)
    • LHMH-1042
    • ¥1,980(税込)
    • 【Type-B】(CD)
    • LHMH-1043
    • ¥1,650(税込)
    • 【Type-C】(CD)
    • LHMH-1044
    • ¥1,650(税込)

『THE MADNA sweet dream TOUR’23 in a sweet dreams』

4/08(土) 広島・CAVE BE
4/09(日) 兵庫・神戸KINGS X
4/15(土) 大阪・心斎橋VARON
4/16(日) 愛知・HOLIDAY NEXT NAGOYA
4/22(土) 茨城・club SONIC 水戸
4/23(日) 宮城・仙台ROCKATERIA
4/29(土) 東京・原宿RUIDO

THE MADNA プロフィール

マドンナ:2021年12月にデビューEP『Beautiful Inferno』を発表。メンバーの狂った遺伝子が混ざり合った予測不能なサウンドで、最後まで飽きさせない無限の可能性を秘めた傑作となった。22年11月に2ndシングル「CREAM SODA」を発表し、結成1周年ワンマンツアー『THE MADNA CREAM SODA TOUR「チェリーボゥイ&チェリーガァル」』を開催。23年4月に3rd シングル「sweet dream」、10月には1stアルバム『ElecT ЯiP』をリリース。THE MADNA オフィシャルHP

「sweet dream」MV

OKMusic編集部

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