L→R 岩橋茅津(Gu)、汐田泰輝(Vo&Gu)、中村龍人(Ba)、清弘陽哉(Dr)

L→R 岩橋茅津(Gu)、汐田泰輝(Vo&Gu)、中村龍人(Ba)、清弘陽哉(Dr)

【Bye-Bye-Handの方程式
インタビュー】
大事なのは“何かにトキメキながら、
それに対して突き進む”という部分

変なビートと、変なギター、
変なベースが入り混じって気持ち良い

それは今後の作品に、またひとついい影響を及ぼす気がします。3曲目の「小さな怪獣」は、さわやかかつエモーショナルなナンバーで。

汐田
「小さな怪獣」のもともとのアイディアは、地元の友達が結婚して子供もできたんですね。近所に住んでいるんですけど、友達は一般的な仕事をしているから土日が休みなわけですよ。バンドマンは土日はだいたいライヴが入ったりするし、ライヴが入っていなかったらバイトしたりしているから、なかなか会いに行く機会がなくて。それこそ半年に1回のレベルなので、もちろん赤ちゃんは僕のことを覚えていなくて。それに、会うたびにちょっとしゃべれるようになっていたり、歩けるようになっていたりしているのに対して、何も成長していない自分とのギャップがエグくて。そういう中で、この子が僕が会いに来ていたことを覚えていてほしいという欲が出てきてしまって、“これを歌にするしかないな”と思ったんです。赤ちゃんに向けたラブソングを書こうというのが最初の発想の種になって、その赤ちゃんは“このちゃん”という名前なんですよ。なので、サビの頭が“このまま”という言葉なのも、そこからきています。

そうだったんですね!? とはいえ、プライベートなことを基盤にしながら、幅広く解釈できる歌詞になっていませんか?

汐田
普遍的なラブソングとしても当てはめられるようにしたいとも思っていたので、そこのバランスは考えましたね。僕の体験がもとになっているけど、いろんな人に刺さるようなものにしたつもりです。
清弘
「小さな怪獣」で僕的にこだわったのは、頭のラジオヴォイスからダカダカダカッ!とバンドインしてくるアレンジです。最初に泰輝の弾き語りを聴いた時に、それがパッと出てきて、それを活かしたくてみんなに提案したら採用になって。なので、そこが僕的にビッグポイントです!(笑) ドラムに関してはドラムが目立つことが求められる曲でもないので、シンプルな方向でいきました。
汐田
ただ、2Aの入り部分のスタッターというキメがあるじゃないですか。そこはめっちゃBye-Bye-Handの方程式やと思ったんで、あえて採用したんです。シンプルなドラムやけど、そこがいいフックになっていると思いますね。
中村
ベースはここまでの2曲から一変して、結構動いています。動かないベースでも全然良かったけど、すごくBye-Bye-Handの方程式らしい曲やなという印象があって、だったらいつもどおりの自分を出したいと思ったんです。個人的にBメロのフレーズが気に入っています。そこは“こういくんですか、俺!?”みたいな感じで作ったんですよ(笑)。自分の癖も出したいけど、出しすぎると邪魔やから変なフレーズは2番の頭のキメに入れ込みました。変なビートと、変なギター、変なベースが入り混じって気持ち良い…みたいになっていて、個人的にはそこが一番好きです(笑)。
岩橋
この曲のギターは本当に型にはまってないと言いますか、“なんでこんなことをしたんやろう?”と思うようなことをいっぱいしました(笑)。サビ然り、1番のサビが終わったところのフレーズ然り、間奏然りという感じで。1番のサビと2番のサビは同じふうに聴こえるけど、実は弾いていることが違っていたりするし。この曲は頭の中がグチャグチャみたいなイメージかもしれない。無理矢理こじつけて言うと、赤ちゃんは周りの情報が全部そのまま入ってくるじゃないですか。その感じに近い気がしますね。

「小さな怪獣」の間奏はリズミカルなギターフレーズから始まって、ギターソロが入ってきてからも最初のフレーズが遠くで鳴っていますよね。あのアレンジはすごくセンスがいいと思います。

岩橋
それ、めっちゃ嬉しいです。デモの段階で思いついて自分で作って、エンジニアさんにもこういうふうにしたいと伝えて、今のかたちに落とし込んだので。だから、そう言ってもらえると本当に嬉しいです。

さらに、トリッキーなフレーズなども入れ込みつつアウトロのエモーショナルなギターソロで完結させるという流れも絶妙です。

岩橋
確かにあのアウトロはエモいですね。めちゃめちゃエモい(笑)。バックのコードがすごくエモかったので、それを無駄にしたくない気持ちになったんです。変にテロテロ弾きまくるんじゃなくて、雰囲気を大事にしたソロを弾きました。
汐田
この曲の歌は一番得意系かもしれない。キーも自分の声に合っているし。逆に“ここはファルセットでいくのか? 地声でいくのか?”という二択を持っているから、どっちでいくかを吟味したような気がしますね。「小さな怪獣」は歌っていて、すごく気持ち良いです。

OKMusic編集部

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