ナイロン100℃×ザ・スズナリ 劇団
結成30周年記念公演 第一弾『Don't
freak out』が開幕 濃密なレトロホ
ラー

劇作家・演出家ケラリーノ・サンドロヴィッチが率いる劇団ナイロン100℃の、結成30周年記念公演第一弾『Don't freak out』が、下北沢ザ・スズナリにて、2023年2月24日(金)のプレビュー公演を経て、2月25日(土)初日を迎えた。
結成当時から人気劇団として30年間走り続けて来たナイロン100℃にとって、ザ・スズナリでの本公演は26年ぶり。客席数150席程の濃密な空間でナイロン100℃の芝居を細部まで目の当たりに出来る貴重な機会だ。
時は大正か昭和初期か判然としない時代、姉のあめ(村岡希美)と妹のくも(松永玲子)は、脳病院を営む天房家の屋敷に住み込み女中として働いていた。
撮影:桜井隆幸 
天房家はかつては長男の征太郎(みのすけ)が当主であったが、今は、次男の茂次郎(岩谷健司)が当主をつとめる。茂次郎の妻・雅代(安澤千草)、二人の息子・清(新谷真弓)、雅代と前夫・征太郎の娘・颯子(松本まりか)と婚約者・ソネ(尾上寛之)…、屋敷には一族やその周囲の人々が出入りしている。
撮影:桜井隆幸 
撮影:桜井隆幸 
長い歳月天房家の家事を切り盛りしてきた女中姉妹はこの家の暗部や秘密を把握する一方で、彼女たち自身の人生も影と秘密を抱えていた。あめは婚約者(入江雅人)との悲しい過去に囚われ、くもは天房家と離れられぬ因縁を抱え…。
撮影:桜井隆幸 
撮影:桜井隆幸 
キャストの吐息や衣擦れの音まで聞こえてくるような空間、不穏でミステリアスな展開に、客席は息を飲むようにのめり込んでいく。白塗りのメイクが陰鬱な空気をより不気味にさせる。
撮影:桜井隆幸 
撮影:桜井隆幸 
怖さとおかしみを一緒に味わうようなケラリーノ・サンドロヴィッチならではの味わいのある作品であり、そして"ナイロン印"とも言える、キャストとスタッフの揺るぎないチームワークに支えられた精度の高い技術も健在、美術、照明、音響、音楽、映像、衣裳、ヘアメイク、細部まで編み上げられた総合芸術を間近に堪能できる作品だろう。
撮影:桜井隆幸 
公演は、3月21日(火・祝)までザ・スズナリで上演後、3月30日(木)〜4月2日(日)大阪・近鉄アート館で上演予定。東京公演は完売しているが、当日券販売方法、大阪公演チケット情報などの詳細についてはキューブHPにて確認して欲しい。
公演開幕に際し、主演の松永玲子、村岡希美、作・演出のケラリーノ・サンドロヴィッチから、コメントが届いた。
<松永玲子 コメント>
まずは無事にお客様の前に作品を出すことができ、ほっとしています。何とかこのまま大阪大千穐楽まで全ステージ出来ればと祈っております。
ナイロン公演をよくご覧になる方は、3時間越えで1時間半位で休憩が入るといったパターンに慣れてらっしゃると思いますが、今回はノンストップで2時間20分、それはそれで腰やお尻にはなかなか厳しいものもありますので、そこのところはちょっとお覚悟の上、どうぞ濃密な時間を楽しんで下さい。
30周年記念公演の第一弾としてこれを書いた、主宰ケラリーノ・サンドロヴィッチは本当に斜め上の発想の人だなと、改めてそう思いました。またナイロン100℃の新たなジャンルが生まれた。
スズナリは全てが視界に入る小さな空間です。皆様もどうぞ隅々までご覧頂ければと思います。
大阪近鉄アート館公演は前売券販売中。スズナリより空間も広がりますので、大きな額縁の観てはいけない紙芝居を観るような作品になるのでは? と予想しています。
<村岡希美 コメント>
『Don’ t freak out』プレビュー公演無事に終了致しました。ナイロン100℃30周年の年に、26年ぶりにまたスズナリに立てたわけですが、スズナリでしかできないこと、30周年という劇団でしかできないことにチャレンジしております。
その感じをお客様も感じ取ってくださって、とても集中してご覧頂けたように思います。お客様と一緒に空間を作る作品だと思いましたし、また聖地スズナリがそうさせてくれているように感じています。
千穐楽まで日々どんどん良くなるように一生懸命チャレンジを続けたいと思ってます。当日券も少し出るようですので、ぜひお客様も宜しければ足を運んで頂けたらと思います。お待ちしております。
<ケラリーノ・サンドロヴィッチ コメント>
周年を祝ってばかりきたので30周年の感慨はあまりありませんが、長い年月で培われた数々あっての今作なのでしょう。
まずは松永と村岡が、全く頼もしくなってくれた。彼女たちへの長年の努力に対する贈り物のような気持ちで書いた戯曲が、ふたりだけでなく、観客の皆さん含めた全員に刺激的であってくれるなら、やった甲斐があったというもんです。
それから、劇場の力ですね。本当に久しぶりにスズナリでやらせて頂いてます。この劇場ならではの芝居を、と皆で頑張りました。
劇場と作品のマッチングは大切。上手くいったのではないでしょうか。
あとはキャスト、スタッフ全員が楽日まで緊張感を持ち続けてさえくれれば。
御来場お待ちしてます。

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