Gacharic Spin、ライブでニューアル
バムリリース&レーベル移籍発表

Gacharic Spinが2月23日にLINE CUBE SHIBUYAで開催した単独公演『New Revolution~最終章の始まり~』のオフィシャルレポートが到着した。

Gacharic Spinが2月23日、LINE CUBE SHIBUYAにて単独公演『New Revolution~最終章の始まり~』を開催した。
本会場でのライブは改装前の2015年5月、つまり渋谷公会堂の頃、メジャーデビューシングル「赤裸ライアー」を携えて全国を回ったツアーのファイナル公演だった。その後、バンドは数々の紆余曲折を乗り超え、形態も変わり、再びその舞台に立ったのだ。タイトルに掲げる“New Revolution”という気合いと、“最終章の始まり”という覚悟。それを圧巻かつ圧倒的なパフォーマンスで、場内を埋めるガチャマン(男性ファンの呼称)&ガチャピン子(女性ファンの呼称)に叩きつけた――。
オープニングムービーがメンバーを紹介し、それに併せてyuri(Dr)、オレオレオナ(Key)、Fチョッパー KOGA(Ba)、TOMO-ZO(Gu)、はな(Vo&Gu)と順に登場。最後に“アンジー”ことアンジェリーナ1/3(マイクパフォーマー)がセンターに立つと公演タイトルでもある“New Revolution”というアナウンスが流れ、本公演は新型コロナウイルス感染予防対策ガイドラインに沿っての“声出し”が解禁になったこともあり、場内に響きわたる歓声やオイコール、クラップにも一段と力が入る。そして、イントロダクションとして“最終章の始まりを目に、心に、今焼きつけて”と歌う新曲「last start」を披露すると、アンジーの「LINE CUBE SHIBUYA!やるぞー!」の一声で、湧きかえる場内に起爆力を秘めた「BROKEN LOVER」を投下。1曲目から会場が爆上がりしたことは言うまでもないだろう。
2曲目の楽器陣がテクニック全開のハードチューン「MindSet」からはもう彼女たちの独壇場。yuriが打ち鳴らすタイトなビートの上で竿隊の3人、KOGAとTOMO-ZOとはながバトルし、そこにオレオの鍵盤も乱入し、はなのデスヴォイスとアンジーの咆哮がインパクト大の「A LALA」でギアがトップに入る。それはメンバーの感情ものっけからリミッターを振り切ったようで、『まさか「BROKEN LOVER」で泣くとは思わなかった』とアンジーが告白すると、続けて語ったKOGAも「また渋谷公会堂のステージに立てることを本当に嬉しく思います」と早くも声を詰まらせた。
その後も“出会いは奇跡”とKOGAの言葉からプレイされ、バンドの変遷を追ったムービーと連動する“2023年冬”バージョンの「今を生きてる」で客席を焚き付け(ムービーの最後には“出逢ってくれてありがとう”というメッセージも!)、その流れを受けてファンに向けたキャッチーで爽快な「Dear_____」、挑発的なヘヴィチューン「Forever 9teen」で場内の熱気をグイグイと引き上げていく。
続いてアコースティックセットで心疲れた人に“あなたはそのままでいいんだよ”と寄り添う新曲「Where you belong」、さらにオレオがメインヴォーカルをとる「夢言実行」をしっとり聴かせると、“プリティーエイリアン”ことTOMO-ZOのソロ曲「マジックアンブレラガール」につなげる。屈託のない笑顔でキュートなナンバーを歌うTOMO-ZOだが、ギタープレイではテクが爆裂。この愛くるしいギャップはGacharic Spinのライブの醍醐味のひとつだろう。そして、「シャキシャキして!!」「赤裸ライアー」のシングル曲で再び場内を盛り上げ、楽器隊が牙を剥くサウンドの中で“こんな世界だからこそ此処に立ち続けて歌おう”と威風堂々と歌い上げるバンドの意識表明とも言える「I wish I」で前半戦が締められた。
幕間、インターバルに流れるムービーがバンドのヒストリーを映し出す(アンジーのオーディション時の黒髪というレア映像も)。2022年12月30日の大阪 umeda TRAD公演の映像の中で、現体制はGacharic Spinとして第5期であり、最終形だと告げ、「2023年は新しいGacharic Spinの波を作って勝負していきたいと思います!」と宣言するKOGA。さらにムービーの最後には“みんなへお知らせがあります!”という文字が。それを受けてステージに戻ったメンバーを代表してKOGAの口から発表されたのは、日本クラウンに移籍し、2023年7月初旬にセルフタイトルを掲げた前作から約2年振りとなるニューアルバムのリリースが決定したこと。その流れで同アルバムに収録曲される、はなとアンジーの掛け合いのようなツインヴォーカルと疾走感のあるサウンド、“私は私を生きろ”という歌詞が印象的なタイトル未定の新曲が初披露され、未発表の新曲で大村孝佳作曲によるハイパー激ムズメロハー曲「Live every moment~ヒトヨバナ~」が客席をヒートアップさせる。
途中、TOMO-ZOの“Talk Time”で場内を和ませた後、強靭なバンドグルーブで会場を床ごと揺らした新曲「リバースサイコロジー」で後半戦の口火を切り、スリリングに爆走する「デジタルフィクション」、曲中にオレオが前に出て客を煽り立てたジャンプナンバー「ミライ論争」、菅波栄純提供曲ということでTHE BACK HORNばりの熱量を湛えた「超えてゆけ」がガチャマン&ガチャピン子たちを際限なく高揚させる。本編の最後はアンジーが「みんなと歌いたかった曲が、もう一曲あります」とコロナで声が出せなくなった日々のことを語り、「みんなの声が聴こえない日々なんて慣れることは一回もなかったです。だから、この曲を一緒に歌ってください!」と促した、サビは観客のパートとも言えるシンガロングナンバー「365日」。ビジョンには手書きの歌詞も映し出され、場内に響く大合唱がアットホーム&ハートフルな空間を作り出した。
アンコールの幕開けは「WINNER」。その場で腿上げを強要する“5分間一本勝負”のライブ定番曲で再び客席にボルテージを上げる中、舞台袖から移籍先である日本クラウンの片岡社長とクラウンレコードの古宮ディレクターをステージに引き入れて、Gacharic Spinを迎えたからには運命共同体とばかりに一緒に試練の腿上げ。曲終わりには片岡社長が息を切らせながらも「クラウンに移って、また新たなステージに行っていただきたい」と語りつつ、「僕的には大きな玉ねぎのある下の会場でライブを観て、みなさんと喜びを分かち合いたい」という切望と話す場面も。さらに、その流れでKOGAの口から重大発表が。バンドが2024年10月に15周年を迎えるということで、“Limit Breaker~結成15周年に向けて~”をタイトルに、11月18日に日比谷野外大音楽堂でライブを開催することを発表すると、「もうひとつGacharic Spinからお知らせがあるんです!」と本公演と同じく“New Revolution”と題したツアーとコロナ禍等で中断していた47都道府県ツアー「ROCKET SPIRITS」のリスタートも告知された。
そして、KOGA曰く“優しい応援歌”こと新曲の熱唱系バラード「ロンリーマート」でいったん場内の空気を落ち着かせ、オーラスは激アツのタオルぶん回し曲「ダンガンビート」。メンバーがステージを行き来し、入り乱れての大団円に。yuriも“愛くるしいギャップ”とも言える屈託ないの笑顔でダイナミックなビートを繰り出し、KOGAの超絶スラップをはじめ、他のメンバーのテクニカルなプレイを後押しし、バンドの持つ爆発力を何倍も高めているのも特筆すべきところだろう。最後は客席をバックに記念撮影し、オレオが「今日はみんなの声が聞けて、顔が見れて嬉しかったです」と場を締め、6人でエンジンを組んで(アンジーはすでに泣き顔)、本公演は幕を下ろした。
新旧織り交ぜた全22曲をプレイし、ステージも客席も完全燃焼した本公演。“最終章の始まり”とサブタイトルに掲げているとおり、ここからツアー、ニューアルバム、野音…と結成15周年に向けてのフェーズがスタートする。現体制となって4年が経ち、アンジーとyuriが加入したばかりの10周年の際に謳っていた“最高最強伝説”がアップデートされることは間違ない。“全力エンターテイメントガールズバンド”のキャッチコピーも納得の、本公演の6人のエネルギッシュなパフォーマンスがそれを物語っていた。なので、我々は“新しいGacharic Spinの波”を期待して待っていよう。
撮影=ゆうと

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