中山優貴や鷲尾修斗、横井翔二郎、前
田隆太朗、結城伽寿也らが個性溢れる
猫たちの愉快な青春を描く 『なめ猫
onSTAGE』ゲネプロレポート

1980年に一大ブームを巻き起こしたキャラクター「なめ猫」。可愛らしい猫と暴走族風の格好のギャップが多くの人の心を掴み、ポスターや免許証風ブロマイドが大人気となった。また、2015年には猫ブームとともに復活をとげ、多くの企業やゲーム、アパレルブランドなどともコラボ。そして2023年、『なめ猫onSTAGE』が上演される。
初日に先駆けて届いたキャスト陣の挨拶とゲネプロの様子をお届けしよう。
小林けんいち:僕が演じるのはなめ猫たちが入り浸る喫茶またたびのマスター、小川健一。原作のないものをスタッフ・キャスト全員野球で組み立てました。ぜひ楽しみにしてください。
林野健志:昨日武藤(敬司)さんが引退され、昭和のいいものがどんどん世代交代していく中で、昭和の古き良きものをみんなで提案できるというか、お見せできることがすごく楽しみです。本番は皆様の力でも盛り上げていただけたらと思います。
杉山真宏:ゲルマウスもカンパニーもみんなで千秋楽まで頑張ります。最後までよろしくお願いします。
大見拓土:(ラップ調で)俺らが作ったこの「なめ猫」、他の作品に絶対負けねえぞ! よろしく! ……いけた!
結城伽寿也:「なめ猫」を知らない人の方が少ない、歴史あるものだと思います。また、劇中では昭和・平成・令和の言葉などが散乱していて、幅広い世代に楽しんでいただける舞台になっていると思います。全力で皆さんにお届けしたいと思っております。
蔵田尚樹:転校生チームの紅一点(?)、野間克人を演じます。小さい頃から慣れ親しんでいる「なめ猫」。この令和に旋風を巻き起こしたいと思っています!
前田隆太朗:劇場の双方にお客さんがいるちょっと特殊な形で、距離感もすごく近いです。ライブパートなどもあるので、ぜひその辺も楽しんでいただけたらと思います。
横井翔二郎:この日ほどロックンロールを聞いててよかったなと思ったことはないです。僕の身体に亡きクリフ・バートンを降臨させたいと思います! 分かってる人だけが笑ってますね(笑)。「よく分からないけど面白い」ってのは、芸術で一番大事なんじゃないかと思うので、そういうものをお届けできればいいなと思います。
鷲尾修斗:今回は演出が村井さんで脚本が村上のしずるさん……。
一同:逆(笑)!
鷲尾:あっ、しずるの村上さん(笑)! 音楽がユニコーンの手島さん。それぞれの分野に特化した人たちが作ったものの化学反応を、僕らが舞台上でお見せできればいいなと思っています!
中山優貴:今みんなが言ってくれた通りで、本当にいい仲間に巡り会えたなと思っています。どの世代にも刺さるような作品ですし、僕の親がなめ猫世代だったようですごく楽しみにしてくれていて、親孝行できたのかなとちょっと思っています。そんな姿も見ていただきつつ、皆さんを全力で楽しませられるように頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。
(c)NAMENEKO・J (c)2023 全日本暴猫舞台連合なめんなよ
以下、ライブパートを含めたゲネプロの写真あり。

<あらすじ>
転校初日に遅刻&迷子という大ピンチに陥った野間(蔵田尚樹)。そこに現れたのは、同じ朋郷高校の生徒で、野間が以前見たライブに出ていたバンド『not men not 4』のボーカルの室川(中山優貴)とギター・袋井(鷲尾修斗)だった。
二人は野間を溜まり場である喫茶またたびに連れて行く。ベースの松下(横井翔二郎)ドラムの橋田(前田隆太朗)も加わり、マスター(小林けんいち)が見守る中、昭和とロックにすっかり魅了される野間。
学園祭に向けて準備を進める彼らだったが、そこに同級生のヒップホップチーム『ゲルマウス』の錦城(結城伽寿也)、東尾(大見拓土)、井草(杉山真宏)が現れ、「学園祭のステージに立てるのはSNSで一番票を集めたチームのみ」という情報を教える。どうにかしなければと焦り、伝説の先輩・沢永(林野健志)にも相談に行く室川たち。果たして『not men not 4』はステージに立てるのか――

(c)NAMENEKO・J (c)2023 全日本暴猫舞台連合なめんなよ
(c)NAMENEKO・J (c)2023 全日本暴猫舞台連合なめんなよ
ゲネプロ開始前のコメントにあったように、今回は中央にステージがあり、それを挟むように客席が設置されたスタイル。サーカスやおもちゃ箱を思わせるポップなステージや、作中で出てくる改造自転車などのアイテムがレトロで可愛らしい。座る席によって見えるものが変わるため、何回か観る方も毎回新鮮に楽しめるのではないかと感じた。
『not men not 4』は古き良きヤンキーと言った感じの熱さと勢いが楽しく、対する『ゲルマウス』はフラットな軽さが見ていて心地良い。昭和を愛するnot men not 4とSNSなどを使いこなす今時のゲルマウスの間に立って橋渡しをする野間の奮闘、学生たちを翻弄しながらも優しく見守るマスターや先輩の頼もしさと安定感も見応えがある。声で参加している吉田広大も短いシーンながら強い印象を残していた。
また、not men not 4とゲルマウスの服装やパフォーマンスの違い、会話の中で登場する単語やアーティストのジェネレーションギャップと、そこから生まれる台本かアドリブか分からないやり取りに思わず笑ってしまう。ボケやツッコミの多くが昭和のノリ満載なため、時折「?」になるかもしれないが、そこは作中で言われる通り、後で調べることで新たな知識や新たなアーティストに出会えるだろう。
(c)NAMENEKO・J (c)2023 全日本暴猫舞台連合なめんなよ
(c)NAMENEKO・J (c)2023 全日本暴猫舞台連合なめんなよ
(c)NAMENEKO・J (c)2023 全日本暴猫舞台連合なめんなよ
(c)NAMENEKO・J (c)2023 全日本暴猫舞台連合なめんなよ
そして、ギャグ満載で進んでいくゆるい物語……と思いきや、王道とも言える熱い展開があったり時折時代に関係なく大事なメッセージや考えさせるセリフがポンと投げ込まれたりと、グッと胸に迫るシーンも。
劇中では撮影OKシーンもあり、キャストたちは客席に向かってたっぷりアピール&サービス。「ちゃんと撮影できました?」と確認しながらポーズを決めてくれた。
(c)NAMENEKO・J (c)2023 全日本暴猫舞台連合なめんなよ
ラストのライブパートは、作中で歌われた曲を熱いパフォーマンス付きで改めて披露。芝居パートよりもさらに近い距離で歌って踊る彼らの姿を堪能できる。not men not 4とゲルマウスはもちろん、マスターや先輩、野間の見せ場も充分ある。芝居パートではいい意味でおバカなストーリーを繰り広げて楽しませてくれた彼らのステージを一緒に盛り上げ、一体感を得られるだろう。
(c)NAMENEKO・J (c)2023 全日本暴猫舞台連合なめんなよ
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(c)NAMENEKO・J (c)2023 全日本暴猫舞台連合なめんなよ
(c)NAMENEKO・J (c)2023 全日本暴猫舞台連合なめんなよ
(c)NAMENEKO・J (c)2023 全日本暴猫舞台連合なめんなよ

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本作は2月22日から3月1日まで新宿FACEにて上演される。

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