MISIA、デビュー25周年記念ツアーで
「つつみ込むように…」から「希望の
うた」まで新旧ヒット曲を網羅

本日・2⽉21⽇(⽕)にデビュー25周年を迎えたMISIA。現在、デビュー25周年記念アリーナツアー『Yakult presents 25th Anniversary MISIA THE GREAT HOPE』で全国を巡っている真っ只中で、残すは2⽉25⽇(⼟)・26⽇(⽇)の福岡公演とファイナル公演の3⽉31⽇(⾦)・4⽉1⽇(⼟)・2⽇(⽇)の有明アリーナのみとなった。
ベストアルバム『MISIA THE GREAT HOPE BEST』を携えてのツアーとなった今回、そのセットリストは圧巻の⼀⾔に尽きる。デビュー曲の「つつみ込むように…」から、⽮野顕⼦提供で話題となった「希望のうた」までMISIAの25年の軌跡がその歌声とパフォーマンスで⼀気に体感できるヒット曲満載のライヴだった。

超満員の横浜アリーナのオーディエンスをいきなり驚かせたオープニングは、今のMISIAとデビュー当時の原点を同時に感じさせるものだった。まず登場した4名のドラァグクイーンはオクトパスを想起させるドット柄のついた⾐装を⾝に纏っていた。そして巨⼤なワシの背に乗って現れたのはMISIAだ。エレクトリックなSEが響く中、まるで地球そのものがクラブになったかのような圧倒的な演出で「Everything」の⼀節を歌い出した瞬間、フロアからはため息とも歓声ともつかない声が溢れた。そう、⼤阪公演よりオーディエンスの声出しが解禁されたのだ。
曲間にはバンド(総勢25名)によるつなぎの妙が凝らされ、さらにダンサー(総勢22名)が加わり、「忘れない⽇々」「LIFE IN HARMONY」とRemix⾵のメドレーが途切れなく続いていく。ライヴ終盤かと思ってしまうような、いきなりのスパート。今この瞬間、最⾼の⾳楽の中にいることを実感できる。そしてその実感は、満員のオーディエンスがいて、歓声が聴こえるという当たり前のライヴ空間がようやく戻ってきたことと無関係ではない。世界を照らす光のようなシルバーを基調としたMISIAの⾐装には、ガラスのかけらのようなものがあしらわれている。⼀度壊れたものが再び元の形に戻ろうとするプロセスを表現しているように思えた。「THE GLORY DAY」「INTO THE LIGHT」とMISIAの声が照らすその先がそのまま希望に繋がっているかのようだ。

叙情的なトランペットソロに続いて、グリーンと⽩の⾐装にチェンジした MISIAが披露したのは「CASSA LATTE」。ホーンセクションにストリングスを加えた豪華なアンサンブルに菅原⼩春、辻本知彦といった世界的なダンサーが彩りを添える。曲終わり、ピアノの調べに乗せてMISIAは25周年の瞬間を満員のオーディエンスと迎えられた喜びを即興の歌にして届けた。そしてそのまま「Higher Love」へ。⿊い⾐装に⾝を包んだダンサーがまるでゴスペル隊のような雰囲気を醸し出す。
ステージ正⾯の⼤型LEDヴィジョンには、東京ディズニーシー(c)の「ビリーヴ!〜シー・オブ・ドリームス〜」のショーの模様が映し出され、その⽇本語版テーマ曲として、2022年の『NHK 紅⽩歌合戦』でも披露した「君の願いが世界を輝かす」を披露した。
丁寧に歌を届けることにフォーカスした中盤を経て、後半ブロックが始まる前に MISIAがこんなことを語った。
「私がこの25年の中で⼀番うれしかったのは、⾳楽を通して多くの皆さんと喜びや悲しみを共有できたことです。私たちのこの⾳楽で皆さんが少しでも元気になっていたら、明⽇への⼒を感じてくれていたなら、こんなにうれしいことはありません。私はたくさんのあたたかい⽇向の中で⽣きてきたんだなと思います。皆さんは私にとっての光なんです。そして世界情勢の中で今思うことは、私が思いっきり歌を歌い続けてこられたのは、やはり私たちの⽇常の中に戦争というものがなかったからなんだと思います。戦争のない世界を望み、それに向けて努⼒する世界、これも私たちにとって⼤きな光なんだと思います。この光を⾒失うことがないように想いを込めて次の歌を歌います」

「希望のうた」のパフォーマンスは印象的だった。ダンサーによる群舞、圧倒的な規模のバンド、そしてMISIA。⼀⼈ひとりがそれぞれに存在しながら、想いをひとつに寄り合わせていく。その姿がそのまま⾳楽として表現されていた。⽬の前にある奇跡のような⾳楽は決して偶然が重なり合ったものではなく、現実の我々の世界でも私たちの⼒次第で、奇跡のような出来事を紡ぎ出すことができるのだと、勇気づけてくれているように思えた。MISIAの歌声に導かれるように次曲の「MAWARE MAWARE」のコーラスをオーディエンスが合わせていく。そこに確かに希望が⾒えた瞬間だった。本編ラストは「あなたにスマイル」。 MISIAの歌を、⾳楽を届けたいという想い、それを⼀⼈でも多くの⼈と分かち合いたいという想いに溢れたライヴだった。そしてそれは、決して⼀⼈では実現できないのだということを改めて思い知らされた。
アンコールはオーディエンスの⼤きなウェーブからスタート。⾞椅⼦ダンサーのかんばらけんた、みゅうが参加して「おはようユニバース」を、そしてデビュー曲の「つつみ込むように…」では菅原⼩春と辻本知彦が情熱的なダンスを披露。「まだファイナルじゃないんだけどね」とMISIAが笑って⾔うように、とにかく最初から最後まで圧巻のステージが繰り広げられた。ラストは「アイノカタチ」でこの⽇のライヴを終えた。デビュー25周年記念ライヴで灯した希望の光の照らす未来が、MISIAの歌声の先に確かに⾒えたような気がした。

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