うらたぬき、“うらさか”タッグライ
ブが急遽ソロライブにーー愛と絆と団
結力で困難を乗り越え開催されたソロ
ライブをレポート

うらたぬきソロライブ

2023.2.12 東京ガーデンシアター
2023年、結成から10年を迎える浦島坂田船が、2月11日&12日の2日間にわたり、東京・東京ガーデンシアターにて『10th Anniversary 浦島坂田船SPECIAL TAG LIVE2023』を開催。あほの坂田。の体調不良により、うらたぬきとあほの坂田。による『URASAKA KINGDOM ~Dark Side Fantasy~』は残念ながら中止となってしまったが、代替公演として両日ともうらたぬきのソロライブが行われた。急遽英断を下したリーダー・うらたぬき、感服の心意気である。ここでは、嬉しいサプライズも飛び出した2月12日の夜公演の模様をお伝えする。

うらたぬき

深紅のドレープ幕で飾られ、シャンデリアが下がり、ギリシャ様式の柱が置かれた荘厳なステージ。ダークファンタジー全開なオープニングムービーは、『URASAKA KINGDOM ~Dark Side Fantasy~』のために用意されていたものだ。映像終わりでステージ上段にスポットライトが当たると、そこには玉座に悠然と腰かけたうらたぬきの姿が。1曲目は、うらたぬきととなりの坂田。(=あほの坂田。)名義のコラボ曲「ダークサイドファンタジー」だ。巻き舌に不敵な高笑いにドSな王子と化して華麗なダンスでも魅せたうらたぬき、白い衣装はあほの坂田。がソロライブで身につけていたものではないか。しかも、襟足はあほの坂田。のイメージカラーである赤に染まっている。あほの坂田。と坂田家(あほの坂田。ファンの呼称)の想いも背負って、うらたぬきはステージに立ったのだ。
うらたぬき
一転、「このふざけた素晴らしき世界は、僕の為にある」では、客席の隅々まで手を振って、幾度となく投げキッス。「みんなはたけのこの里ときのこの山どっちが好きですか? 俺は両方食べる! おまえら愛してるぜ!」と叫んだその笑顔も、こたぬき(うらたぬきファンの呼称)のハートを射貫く。
「ハートの後味」は、うらたぬきが2015年に動画投稿したナンバー。甘いだけでなくほろ苦い初恋を描く歌声に、胸がキュンキュンしたりチクチクしたり。観客は大忙しだ。
「坂田家、赤(のペンライト)振ってもいいんですよ?」と坂田家を気遣いつつ、ちょっとオーバーサイズなあほの坂田。の衣装をまとう姿に「かわいい!」という声が上がると、「かわいいのはおまえらだよ」とすかさず返すうらたぬきは、こたぬきはもちろん、坂田家も虜にしてしまう。
うらたぬき
あほの坂田。とのコラボ曲「プリンセンスに口づけを」では、うらたぬきの<You’ re my princess>に続いてこたぬき&坂田家が「尊いわ!」と大きくコール。ようやく声出し解禁となった今回の『10th Anniversary 浦島坂田船SPECIAL TAG LIVE2023』、ライブならではの一体感はやっぱり至高だ。
「シアワセは台本の外から」では、お立ち台にちょこんと腰かけて足をプラプラパタパタさせながら歌ったり。「ハロライン -Arrange ver.-」では、「愛にきたよ、声聴かせて! この景色、坂田に届けるから!」と相方への愛も滲ませて、渾身のハイトーンを響かせたり。浦島坂田船のナンバー「世界で一番好きな名前」では、あほの坂田。はもちろん、志麻センラもそばに感じながら歌もダンスもかわいいに振り切ったり。かと思えば、「Pink」では歌でもダンスでも色気を爆発させたり。なんて表情豊かなのだろう。
うらたぬき
うらたぬきととなりの坂田。名義のコラボ曲「VS」では、となりの坂田。の歌声が流れる中、「もっとこいよ!」と煽るうらたぬき。うらたぬきの相方愛とひとりでもがっつり盛り上げる!という気概に、高まらないわけがない。
「始まりがあれば終わりがある。そして、終わりがあれば始まりもあります。うらさかワンマン、いつか絶対やりますので、そのときはまた会いにきてください」
うらたぬき
そう誓って、「最強ライバル」へ。「志麻セン!」とうらたぬきが叫ぶと……なんとシークレットゲストの志麻とセンラがステージに登場。しかも、2人の腕にはあほの坂田。のパッチンバンドが! ギュっと寄り添って肩を組んで歌う3人を前に、客席が驚きと歓喜に沸く。
そして、最後に3人で届けたのは、となりの坂田。名義のソロ曲「スーパーヒーロー」。あほの坂田。と坂田家にとって、この日のうらたぬき、志麻、センラは頼もしいスーパーヒーローだったに違いない。なにしろ、あほの坂田。はメンバーにとことん愛されているし、4人の絆と団結力は生半可ではない、ということを思い知った公演である。
うらたぬき

文=杉江優花 撮影=小松陽祐(ODD JOB)

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