L→R 水野良樹(HIROBA)、橋本愛

L→R 水野良樹(HIROBA)、橋本愛

【HIROBA×橋本愛 インタビュー】
HIROBAは自分が今まで
出会ってないものと出会える

いきものがかりのリーダー・水野良樹が2019年からスタートさせたプロジェクトであるHIROBA。名立たるアーティスト、作家、役者たちとのコラボレーションを重ねてきたHIROBAが、ついにフルアルバム『HIROBA』をリリースした。女優・橋本愛が作詞を手がけて自身が歌う新曲「ただ いま(with 橋本愛)」も収録することから、同曲を中心に水野と橋本の両名に話をうかがった。

自分自身を振り返るような時間が
橋本さんのパフォーマンスにあった

まずは、水野さんから橋本さんがHIROBAに参加することになったきっかけを聞かせてください。今回の収録曲「ただ いま(with 橋本愛)」制作以前からおふたりは面識があったのでしょうか?

水野
もちろん橋本さんのことはテレビで存じあげていました。NHKで言葉をテーマにしたトークセッション番組『言葉にできない、そんな夜。』がありまして、そこにパネラーとして自分も出演していた時に橋本さんもいらっしゃったので、そこで初めてしっかりとお話しました。その番組は例えば名作と言われている小説作品について“ここの表現はどう感じる?”とか“この表現の違う言い方を考えてみよう”とか、ある種言葉遊びみたいなことをみんなでやっていくんですけど、その時に橋本さんが出す喩えであったり、新たなフレーズであったりをうかがっていて、言葉に対する感覚がすごく研ぎ澄まされている人だっていうことをすごく感じて。それは僕だけじゃなく、番組に一緒に出ていた人たちも“この人は何者なんだ!?”みたいな(笑)。
橋本
(笑)。
水野
それと、自分が尊敬する武部聡志さんが筒美京平さんのトリビュートアルバム『筒美京平SONG BOOK』(2021年3月発表)でプロデュースされた「木綿のハンカチーフ」をYouTube番組『THE FIRST TAKE』で橋本さんが歌われていたのですが、それを聴いて“歌にも興味があるんだ!? いつか一緒に何かできないかな?”とずっと思っていたんです(笑)。それで、今回は“ただ歌っていただくだけじゃなく、制作にもかかわってもらえないかな?”と思って、“もし、興味を持ってもらえたら作詞もしていただけませんか?”とお声がけをしたのがスタートラインですね。

橋本さんは水野さん、あるいはいきものがかりに関してどんな印象を持っていらっしゃいましたか?

橋本
年齢的にもいきものがかりさんの曲で育ってきたようなものなんですけど、『THE FIRST TAKE』で「木綿のハンカチーフ」の歌唱が配信されて、一番最初くらいに水野さんがインターネットで反応されていらっしゃったんです。水野さんが思いのほか感動してくださっていることがとても伝わってきて、それがすごく嬉しかったですね。自分の歌には自信もないですし、反響も分からなかったくらいの時期にプロの方にも届いたことが信じられなかったのですが、“届いたことは確かなんだな”という実感をもらえました。

そこで橋本さんに確認したいのですが、「木綿のハンカチーフ – From THE FIRST TAKE」以前にも大森靖子さんの楽曲に参加されていましたよね? これからの活動の軸足を歌手に置くことも考えていらっしゃったんですか?

橋本
歌手という肩書きには一切こだわっていなくて。ただ歌が好きで、“歌を歌いたい!”という欲望が抑えられなくなった感じなんです(笑)。
水野
あははは。
橋本
数年前からいろんなライヴに行くたびに“あんなことをやりたいな”とずっと思っていて。でも、私は本当に平凡に育ってきて、音楽の教養もなければスキルも何もないので、やるなら技術的な面もちゃんとスキルアップしてからやりたいと思っていたんです。ですが、それより先にもう“やりたい! やりたい!”っていう気持ちがどんどんと湧いてきて、我慢できなくなっていったんですよね(笑)。それで、私は大森靖子さんの音楽がずっと好きで、大森さんの書いた曲「堕教師」を歌いたいと思って参加させてもらったんです。

水野さんが初めて橋本さんが歌う「木綿のハンカチーフ」を聴いた時の印象を改めて言葉にしていただくとどうなりますか?

水野
こんなことを言ったら仕事に疲れたおじさんが癒されてるみたいであれなんですけど(苦笑)。その時の自分の状況もあって…すごくいろんな仕事をやっている時に、Twitterでフォローをしている武部聡志さんのツイートが流れてきて、そこに橋本さんが出演された『THE FIRST TAKE』のリンクがあったんです。ふっと再生ボタンを押したら、橋本さんのお声もそうなんですけど、歌う姿がね。あれだけ淡々としていながら、最後までずっと目を離せなかったというか、非常に繊細なものが成立していることに衝撃を受けました。そう感じたことで、“こんなふうに芯を喰ったような作品を自分は書けているかな?”と自分自身を振り返るような時間が橋本さんのパフォーマンスにあったので、おこがましくも“これは素晴らしい”とツイートしました。

橋本さんは水野さんから“歌詞も書いてほしい”というお話をもらった時はどう思いましたか?

橋本
“やった!”と思いました。
水野
それは良かった(笑)。
橋本
(笑)。自分から歌詞を書きたいと思ったことはなくて。ただ、ご縁やそういう流れがあるのなら絶対にやりたいという気持ちはありました。NHKの番組の時から“どこかで水野さんと一緒にお仕事ができたらすごく嬉しいな”とは思っていましたし、それを密かな目標みたいな感じで持っていたので、お声がけいただいた時は本当に嬉しかったです。
L→R 水野良樹(HIROBA)、橋本愛
L→R 橋本愛、水野良樹(HIROBA)
水野良樹(HIROBA)
橋本愛
アルバム『HIROBA』

OKMusic編集部

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