ももすももす

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【ももすももす インタビュー】
“アニメのストーリーも、自分も、
いつか報われるように”と
願いを込めた

渦巻く思考を唯一無二のワードセンスで描くシンガーソングライターのももすももすが、ソニー・ミュージックレーベルズ移籍第一弾シングル「エソア」をリリース。タイアップソングであり、自分にとっての“生きること”に想いを巡らしながらも新しいももすももすの始まりの一曲に仕上がった表題曲をはじめ、彼女の個性が注がれたカップリング「宵待花」「犬飼いたい」について語ってもらった。

“新しいももすももす”に
なっていこうと思った

表題曲「エソア」はTVアニメ『魔王学院の不適合者II ~史上最強の魔王の始祖、転生して子孫たちの学校へ通う~』のエンディングテーマとなっていますが、アニメから受けたイメージが曲になっているのでしょうか?

このアニメは主人公のアノス・ヴォルディゴードが2,000年前から現代に転生して、仲間と一緒にあらゆる敵に立ち向かっていく物語なんですけど、私は普段“ひとりで戦っているな”と思うことがあり、最後にはいつも孤独になるタイプなので、“アニメのストーリーも、自分も、いつか報われるように”という願いを込めて書きました。

歌詞は“強くなろう”と何かに立ち向かっている印象がありましたが、ももすさん自身、自分の気持ちを引き上げるような感覚で書いたところはありましたか?

そうですね。自分はあまり生きるのが得意じゃないので、“生きること”をテーマに書いた曲でもあります。太宰 治は“命は羽根のように軽い”と言っていて、それも分かる部分があるけど、私が太宰 治のような考えで生きていたら人を悲しませることになるし、この曲を歌っている時は本当に“生きなきゃダメだな”って思います。

タイトルの“エソア”にはどんな意味が込められているのですか?

“絵空事”と“愛”を組み合わせた造語で、“どんな絵空事にも少しは愛が入っていてほしい”と思ってつけました。現実と向き合うことってつらいことが多いじゃないですか。だから、現実的ではない絵空事を考えることがあるけど、その中にも愛があってほしいと思って。本当につらい時に美味しいものを食べて生きる喜びを感じたことはあったんですけど、それ以外にはあんまりなくて。だからこそ、私は曲を作って世の中に出せることがすごく生き甲斐なんです。私みたいに生きることに希望がない人にも「エソア」を聴いてもらえたら嬉しいし、少しでも希望を見出してもらえたらと思って書いた曲でもあります。

ももすさんはSNSやYouTubeにアップしている“ももすももすの豚バラジオ”などで、ここ一年間、路頭に迷っていたと話されていて、その心情も歌詞に入っていると思ったのですが、そんな「エソア」が溌剌としたバンドサウンドになったのはなぜですか?

アニメの戦っているイメージもありましたし、今までにリリースした曲では生バンドでやってこなかったんですけど、今回ソニーさんに移籍することになって初めてドラム、ベース、ギターの全部を生で弾いてもらったから、“新しいももすももす”になっていこうと思ったのもあって、サウンドも半分変わりました。作詞作曲編曲は自分でやっているので、もう半分は今までのままなんですけど。

殻を破るくらいの意気込みが?

殻はめっちゃ破っています! ソニーさんに移籍することになって、もうこれがラストチャンスというか…それは自分で決めちゃいけないのかもしれないけど、これ以上にない音楽人生の転機だと思ったので、自分の殻を破って何でもやっていこうと思っています。

「エソア」はそんなももすさんの意気込みも感じられる一曲なんですね。

やっぱり生きていると世の中のつらいことを目の当たりにするので、前向きになりきれたわけではないんですけど、自分の殻を破らなきゃしょうがないこともたくさんあるから、前よりも強くはなったと思います。「エソア」はももすももすの古いところと新しいところが合わさって一枚のシングルになりました。古いのは弱々しくて外に向かっていけない部分で、新しい部分はちょっとは強くなろうとして、外に向かって生きていこうとしている自分です。もう自分は何も失うものがないので、それだったら自分が出せるものを全てを出して音楽と向き合っていこうと、「エソア」を書いて決めました。

MVは屋上で撮影された躍動感のある演奏シーンや、振り付けがあったり、ももすさんが増殖するシーンもあって面白い仕上がりですね。

MVは映像作家のスミス監督に撮ってもらったんですけど、スミス監督が手がけている作品が好きだったので、全部お任せでお願いしました。前回の「サーモクライン」(2021年10月発表の配信シングル)のMVは自分で編集をしていたから、次は委ねてみたかったというのもあります。色もきれいだし、屋上のシーンとももすが増殖するシーンは360度カメラで撮ってもらって、撮影も面白かったです。赤と白が好きなので、2色がセパレートされた衣装を着ているのですが、ファンの方に“カニカマだ!”って言われて、あの衣装はみんなに“カニカマ”と呼ばれるようになっちゃいました(笑)。
ももすももす
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OKMusic編集部

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