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【ナノ インタビュー】
10周年のアルバムは
未来を感じさせるものにしたかった

昨年デビュー10周年を迎えたナノがアルバム『NOIXE』をリリース。久々のヴォーカルコラボを筆頭に、数多のアーティストを迎えてのコラボ作、アニメタイアップ、さらに名曲アニソンカバーを加えた全15曲には“変化は進化”をモットーとするナノの挑戦がうかがえる。10年前の自分から10年後の自分へ――時を超えて贈られる希望の欠片が、そこに煌めく。

“進化”をテーマにしたアルバムで
すべてのパズルがはまった

10周年記念のアルバムということで、タイトルでもジャケット写真でも“X=10”が押し出されていますね。

アピールしまくっていますね! タイトルの“NOISE”も“S”を“X”にしていたり、ちょっと読みづらいとは思うんですけど、遊び心でメッセージ性を込めました。

10周年にアルバムを出すというのは、いつ頃から構想されていたんでしょう?

5周年を踏んだ時点で少しずつ10周年を意識するようになって、ファンの期待に応えるためにも今までに経験のないレベルのことをやらないといけないという想いはあったんですよ。そこで自分的に絶対やらなきゃいけないことが、アルバムを出すことだったんです。じゃあ、10年間を振り返って“ありがとう”を伝えるのか、現状を見せるのか、未来に向けて何かを発信するのか…と考えた時に、やっぱり未知の世界に飛び込んでいくような未来を感じさせるものにしたいと。そしたらナノチームのみんなも“10周年にしかできないことをやっちゃおう!”と言ってくれたので、前々からかかわってみたかったクリエイターさんや、普段だったら遠慮しちゃうような大物の作家さんにも、勇気を持ってお声をかけることができたんです。

今回、数多くのアーティストやクリエイターとコラボなさっていますが、その人選もナノさん自身が?

心底“一緒にやりたい!”と思った方々ばかりです。特にヴォーカリストとのコラボはMY FIRST STORYのHiro(2013年10月発表のシングル「SAVIOR OF SONG」)以降は音源として出していなかったので、今回すごくやりたかったんですよ。それで10年前からかかわっている__(アンダーバー)さん、数年前にアメリカのイベントで共演して以来仲良くしていて、ミュージシャンとしてもリスペクトし合っているMYTH & ROIDのKIHOWさん、そして昨年ハワイで初めてご一緒させていただいたDEMONDICEさんとのコラボで、それぞれに過去と現在と未来を表現させていただきました。

では、1曲目の「Evolution」と7曲目の「CATASTROPHE」はアニメタイアップ曲でもありますが、特にアニメタイアップありきの制作ではなかったんですね。

はい。「CATASTROPHE」は昨年の夏にアルバム制作に入った時にはレコーディングも終わっていましたけど、「Evolution」も含めて大半のオリジナル曲とDISC 2のカバー曲は同時進行でしたね。でも、すごく理想的なバランスな気がしているんですよ。やっぱりアニメソングというのは自分に欠かせないもので、アニソンがあってこそアニメの世界が大好きなリスナーさんたちにも届くから、アニメソングがあるかないかで届く人たちの範囲が変わってくると思うんです。

確かに。ただ、アルバムの歌詞は全曲ナノさんご自身で書かれていて、一貫して自分のアイデンティティーや生きる意味、何かにとらわれている現状に対する葛藤といったものを感じたんです。TVアニメ『真・進化の実~知らないうちに勝ち組人生~』のオープニングテーマである「Evolution」の歌詞も同様で、これはアニメのほうにもリンクする要素があったということなんでしょうか?

これは偶然なんですけど、もともと今回のアルバムでは“進化”をテーマにしていたんですね。ただ、具体的に“進化”という言葉を使うのではなく、新しいことをしてもっと先に進みたい気持ちや空気感を出していこうと。そしたら『進化の実』という作品の第二弾のタイアップをいただいて、すごくリンクしたと思ったんです。なので、タイトルもそのまま進化を意味する“Evolution”にしましたし、曲も2023年一発目の新曲に相応しく勢いのある曲で、全てのパズルがはまったような気持ちになりました。

拳をあげたくなる勢いのあるロック曲ですよね。加えて1番は《My evolution》で“私”、2番は《Your evolution》で“あなた”、最後は《Our evolution》で“私たち”と、歌詞の視点が移り変わっていくのも意味深い。

そこ気づいてもらえて、すごく嬉しいです! みんな最初は孤独の中で自分と戦っていたのが誰かと、もしくは何かを出会うことによって“同じように苦しんで戦っている人がいる”と気づけて、最終的には“じゃあ、一緒に戦おう!”っていう気分になれる。それが救いであり、そうして人との出会いや人生の出来事によって変わっていけるのが進化だと考えているんですね。だから、自分の口癖も“変化は進化”なんですよ。変化を恐れてはいけないし、それが出会いなのか大失敗なのか分からないけれど、全てに進化へと至るヒントの可能性があると考えれば、人間は苦しみから救われることができる…そんなことを真面目に考えながら、この曲の歌詞は書きました。

いわばナノさんの人生哲学をぶつけている曲になっていますから、この曲でアルバムが幕開けるのも納得です。

良かったです! 自分が一番届けたいメッセージを、まず1曲目から出さないと10周年アルバムは始まらないと思っていたので、この曲を頭に持ってくることに自分の中では迷いがなかったんですよ。この曲がアルバムの中で一番好きというわけではないんですけど、一番このアルバムのテーマを歌っているのが「Evolution」なので。
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アルバム『NOIXE』

OKMusic編集部

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