DECO*27×ピノキオピー「デビルじゃないもん」歌詞の意味を考察!天使と悪魔の初音ミクが表すものとは?

DECO*27×ピノキオピー「デビルじゃないもん」歌詞の意味を考察!天使と悪魔の初音ミクが表すものとは?

DECO*27×ピノキオピー「デビルじゃ
ないもん」歌詞の意味を考察!天使と
悪魔の初音ミクが表すものとは?

2大ボカロP初タッグ楽曲を徹底解釈!

2023年1月13日にYouTubeにて動画が配信公開されたボカロ曲『デビルじゃないもん』が大きな話題を呼んでいます。
それは人気ボカロPとして最前線で活躍するDECO*27ピノキオピーが初めてタッグを組んで制作したコラボ曲だから。
互いに作詞作曲をし合った完全コライト作品となっていて、それぞれが担当するパートを自身が調教した初音ミクに歌唱させています。
それによりひとつの楽曲としての統一感はありながらも、独自の世界観が持ち味の2人の色をしっかり感じることができるコラボ曲ならではの魅力が詰まった楽曲が誕生しました。
▲DECO27×ピノキオピー feat. 初音ミク - 『デビルじゃないもん』【OfficialMusicVideo】
MVディレクターは両者とタッグを組んできたYuma Saitoが、アートディレクターは多くのDECO*27作品でデザインを務めてきたDMYMが担当。
悪魔のような雰囲気なのに天使の輪と羽を持つミクと、天使のような見た目なのに悪魔の角と羽を持つミクの主張がぶつかり合う歌詞の意味を考察していきましょう。
天使と悪魔は人の二面性を表している?
デビルじゃないもん 歌詞 「DECO*27,ピノキオピー feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/hw23011701
冒頭の「ながら」にはいくつか意味がありますが、そのまま同じ状態を指していると解釈すると見た目通りの「優等生」だと言っているように聞こえます。
DECO*27のミクは天使のモチーフを身に着けているため、天使らしい姿の通り自分は優等生だと主張していると捉えられます。
ところが後半では「ほんとは劣等生」であることも認めています。
毎日「自分と密会」しては「あたしはあたしに説教」していて、「絶交」したいとまで考えているようです。
「しんどいわ」と繰り返していることからも苦労が絶えないことが伝わってきます。
デビルじゃないもん 歌詞 「DECO*27,ピノキオピー feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/hw23011701
対して「心配無用」と返すピノキオピーのミクはおおらかな様子です。
「新米」だからと大人に軽んじられる若者たちと、「老害」だと若者に敬遠される老人たち。
そんな彼らも「みんな歌えるポップソング」というフレーズは、周囲からどう見られていようと全ての人を肯定してくれているように思えます。
それと同時にこの『デビルじゃないもん』が、全ての人の共通点を歌っていることも示しているように感じます。
主張し合う2人のミクは、誰の心の中にも存在するであろう相対する気持ちを表現しているのではないでしょうか。
何かを決定する時に自分の中で戦う自制心と衝動を天使と悪魔に例えることがありますよね。
天使と悪魔とは言ってもいつもはっきりと善悪に分けられるわけでなく、自制が悪い方向に向かうこともあれば衝動的な行動が良い結果を招くこともあるでしょう。
そうした人の心の複雑な二面性を表した楽曲であると解釈しました。
さらに「これは笑えるジョークソング」なので気楽に聴けばいいと言いつつも、後半の歌詞からは自分に都合のいい展開に持ち込むために深く考えさせたくないという意図も透けて見えます。
自分自身の心とはいえコントロールがままならないことを表しているかのようです。
生きやすい悪に傾く心
デビルじゃないもん 歌詞 「DECO*27,ピノキオピー feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/hw23011701
「君のため」と言ってくる人の真意は、大抵親切な皮をかぶった「悪意」です。
続く一文にある「サラリー」は給与のことなので、「夢はう」という無責任な声に乗せられたせいで本来なら働いて得られていたはずの給与を得られなかったことを指していると思われます。
中毒性が高いからとのめり込んでしまえば、魂を抜かれるように自分の心を支配されてしまうもの。
他人の言葉も自分の心の声に対しても、甘い言葉に騙されないように注意が必要です。
デビルじゃないもん 歌詞 「DECO*27,ピノキオピー feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/hw23011701
天使を象徴するはずの「光り輝く輪っか」によって「この首が締まっていく 嘘をつけば緩んでいく」という対比から、天使として正しくあろうとすると苦しめられ、反対に嘘をついて悪魔らしい行動を取ると生きやすくなる様子が見えてきます。
つまり、悪に進む方が簡単で楽な道であるという現実を表しているのでしょう。
苦しい目に遭うくらいなら、嘘をつきながら「白いペンキ」をかぶって天使らしく見せている方がいいと、悪に傾きかけている心情が伝わります。
デビルじゃないもん 歌詞 「DECO*27,ピノキオピー feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/hw23011701
自分は「デビルじゃない デビルじゃないもん」と必死に否定していますが、別の自分が「悪魔ほどそう言うもん」と主張します。
「死んじゃった」のはおそらく自分の中の天使の部分。
しかし、天使になりきって誤魔化そうとしています。
実は愛してほしいだけ、自分で自分を愛したいだけというのが本音なのかもしれません。
それでも嫌いな自分と好きな自分がぶつかり合ってしまうせいで、少しずつ自制心が削られていっているようです。
あくまで天使って最強じゃん
デビルじゃないもん 歌詞 「DECO*27,ピノキオピー feat. 初音ミク」
https://utaten.com/lyric/hw23011701
繰り返し出てくる「【悲報】」の表記はネットやSNSで多く使われています。
自虐的な意味としても用いられるので、その後に続けられる「汚い」「飛べない」「醜い」「映えない」という辛辣な言葉を自分自身に対して告げて嘆いているところと解釈できそうです。
「本当の天使」だったはずなのにその天使の部分が失われてしまい、見るに堪えない悪魔になってしまったのでしょう。
続く「ブレス・ユー(Bless you)」には「神の御加護がありますように」という意味があります。
英語圏ではくしゃみをすると体から魂が抜け出て、その隙に悪魔に侵入されると考えられています。
それで悪魔に入り込まれるのを防ぐために、くしゃみをした人に「Bless you」と声をかけるのが一般的です。
このことから本当の悪魔になっても自分は「あくまで天使」であり、悪魔に入り込まれないようにしなくてはいけないと思っていると考察できます。
さらに「あくまで天使じゃん?」のフレーズは「悪魔で天使」とも「飽くまで天使」とも表すことができるでしょう。
自分が認めている限り自分はどうなっても天使だと自信たっぷりな様子が窺えます。
そして、いいところも悪いところもひっくるめて「最強じゃん」と、自身を全肯定する一言で締めくくられています。
心の中では矛盾した感情が混ざり合っていても、全てを引っくるめて自分だと受け入れればいいというメッセージなのかもしれません。
コラボ曲だから感じられる魅力が満載!
ボカロ界を代表するDECO*27とピノキオピーによるスペシャル楽曲『デビルじゃないもん』は、聴けば聴くほど発見がある味わい深い曲です。
初音ミクの歌い方や声の違い、MVのイラストなどにも注目すると2人が生み出す世界観がよりはっきりと伝わってくるでしょう。
中毒性が高いですが、曲の中の悪魔に心を奪われすぎないように注意してくださいね!

UtaTen

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