テノール高島健一郎が語る『プリンス
ガラ』~オペラ、ミュージカル・ナン
バーも披露でバラエティに富んだ内容

2022年は、オペラシティでのリサイタル公演、夏のウィーン郊外のメルビッシュ湖上音楽祭への参加、そしてLE VELVETSの佐賀龍彦プロデュースによって佐賀と旧友石井琢磨と共演した展覧会テーマ曲の発表などなど、話題を呼び続けてきたウィーン在住のテノール歌手・高島健一郎。今年最初の仕事となる、ミュージカル『パジャマ・ゲーム』は売り切れ公演となりそうだが、1月30日付の朝日新聞夕刊で「コロナ禍の人生の変化」について語った記事にも登場して多くの反響が寄せられている。
そこで、いよいよ開催まで2か月をきった、東京芸術大学時代の先輩や後輩たちとの浜離宮朝日ホールでのガラ・コンサート=題して『プリンスガラ 〜4日遅れのホワイトデー 王子達からの贈り物〜』について改めて話を聞いた。
――前回のインタビュー(三者三様、王子達からの贈り物~テノール高島健一郎にきく藝大声楽科出身の仲間が集う一夜限りのガラ・コンサート​)から2か月ほど経っていますが、ガラ・コンサートに向けての準備はいかがですか?
オペラシティでのリサイタルを終わって、自分1人でやるコンサートの楽しさもすごく感じたのですが、誰かと一緒にコンサートをすることやチームで何かを企画するといったことに興味がわいてきて……みたいなことは先日お話したと思いますが、あれから仲間と一緒にYouTubeの映像を撮影したり、企画会議を何度かしていく中でますますその楽しさを再確認していますね。
――映像というのは、「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を3人で歌っていたMVのことでしょうか。
そうですね。あれでまず3人でどんなことができるのか、3人でしかできない表現があるんだなということも、改めて実感できました。あと、YouTubeっぽい企画では、3人で「ふわふわパンケーキ」をつくるというものもアップしてみましたが、あのような企画でも3人の相性の良さとか、役割分担とか、3人でしかできないことがあることが、音楽以外の部分でも改めて実感できました。
藝大卒男声三声によるアヴェ・ヴェルム・コルプス - Ave verum corpus【モーツァルト / Mozart】
――鳥尾さんのかわいいところや、堺さんのバリトンらしい「低音キャラ」みたいなことは見て伝わっていきました。
ですね。コンサートの方も、3人ならなんとか頑張って面白いものにできるんじゃないかという予感が、確信に変わりつつありますね。
――企画会議では、さらに内容がはっきりしてきたのでしょうか?
もちろんです!追加で演奏する曲目も決めました。
―― 「誰も寝てはならぬ」や「オー・ソレ・ミオ」といった男声歌曲の華々しいレパートリーが楽しみでしたが、他には?
ソロ・パートは、すでに発表されている「グラナダ」を鳥尾君が歌うことは前回のインタビューでお伝えしたと思いますが、それに対抗して僕と堺君も各々一番得意な曲をもってきましたよ。堺くんはバリトンの名曲、ビゼーが歌劇『カルメン』の中で書いた「闘牛士の歌」。僕の方はマスカーニの「アヴェ・マリア」を選びました。二人が比較的アッパーな歌できたので、少ししっとりと心が高まる歌をお届けしたいと思います。そして、ミュージカルの曲も各々歌いたいと思っています。鳥尾くんが『リトル・マーメイド』から「Her Voice」、堺くんが『レ・ミゼラブル』から「Stars」!これは僕も聞くのが楽しみです。彼のミュージカル・ナンバーをこれまであまり聞いたことがなかったので。
――高島さんは当然あのミュージカルから何か聞けるでしょうか?
はい。ご期待いただいている通り、『パジャマ・ゲーム』から「Hey There」を歌おうと思っています。YouTubeでもアップしましたが、今度は藤川くんと演奏できるのが楽しみです。3人で歌うミュージカル・ナンバーもありますよ!
――藤川さんのソロも聞けるのでしょうか?
もちろんです。何を弾くのかはまだ聞けてませんが、彼のソロ・パートもご用意していますから、藤川ファンの皆さんにも是非おいでいただきたいですね!
――ますます楽しみになってきました。主演をつとめられるミュージカル『パジャマ・ゲーム』の公演も近くなってきました。こちらの方はいかがでしょうか?
11月からはじまった稽古もいよいよ大詰めを迎えています。演じる役のキャラクター、歌う音域、音楽のスタイル、全てが僕に合っていてこのタイミングでシド役を日本で出来る事に運命のようなものを感じています。そしてついに日本の皆様に僕が舞台に立っている姿を見て頂ける事が心から楽しみです。
――ありがとうございました。最後にSPICEを読んでいただいた皆さんに一言あれば。
いよいよ楽しいコンサートになる予感が確信となってきておりますので、まだ迷っている方はチケットも残り少なくなってきていると聞きましたから、ぜひお早めにお買い求めください!4日遅れではありますが、3人から心をこめてホワイトデーの贈り物のつもりで歌の花束をお届けますので。
取材・文=神山薫

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