木村拓哉が「ちょ、待てよ」掲げた書
道部と交流も 名古屋・岐阜・福岡・
京都にサプライズ降臨した『レジェン
ド&バタフライ』4都市行脚

1月21日(土)・22日(日)・23日(日)の3日間にわたり、映画『レジェンド&バタフライ』主演の木村拓哉らキャスト陣と大友啓史監督が、名古屋・岐阜・福岡・京都の4都市の会場にサプライズで登場した。
『レジェンド&バタフライ』は、東映70周年記念として、総製作費は20億円を投じて制作される映画。織田信長とその正室・濃姫(別名:帰蝶)の知られざる夫婦の物語を描いた作品だ。主演の木村拓哉が織田信長を、綾瀬はるかが濃姫をそれぞれ演じる。また、濃姫の侍従・福富平太郎貞家役で伊藤英明、濃姫の筆頭侍女・各務野役で中谷美紀、斎藤道三役で北大路欣也、明智光秀役で宮沢氷魚、森蘭丸役で市川染五郎が出演。音尾琢真が木下藤吉郎(のちの豊臣秀吉)、斎藤工が徳川家康を演じる。メガホンをとったのは、『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督。『コンフィデンスマン JP』シリーズやNHK大河ドラマ『どうする家康』でも知られる古沢良太氏が脚本を担当している。
1月21日(土)名古屋・岐阜
左から、伊藤英明、木村拓哉、大友啓史監督 『レジェンド&バタフライ』1月21日(土)名古屋舞台挨拶
1月27日(金)に全国公開を迎える映画『レジェンド&バタフライ』で主演を務めた木村拓哉、共演の伊藤英明、大友啓史監督は、愛知県の熱田神宮を訪れ、映画の大ヒットを祈願。木村は「(映画の)公開前にお邪魔させていただき、役を演じるだけではない嬉しさがあります」と感謝を伝えた。
この日、木村らが参拝した熱田神宮は、織田信長が桶狭間の戦いの前に戦勝を祈願したことでも有名な神社。戦で勝利を収めた信長が奉納したとされている“信長塀”を見学した木村は、「その当時からある空間に監督と共演者とともに参拝できたことは、非常に清められた感じがして、すごくありがたかったです」と感慨深く語る。学生の頃、合格祈願のため熱田神宮を参拝したことがあるという伊藤は、「僕自身も信長ファンで熱田神宮にも特別な思いもあって、その神社に映画のヒット祈願を兼ねて、敬愛する木村拓哉さんと大友監督と参拝できて本当に良い思い出になりました」と笑顔をにじませた。大友監督も「撮影前に信長という存在を実際に感じたくて、信長に関わる場所をいくつか訪ねて回らせていただいたのですが、ここは来られなかったので公開前のタイミングで信長様の良い霊気に触れたというのか、心が澄んだ気持ちになりましたね」とコメントを残した。大安の土曜日で多くの参拝客が訪れていた熱田神宮で、突如現れた木村たちに参拝客は熱狂した。
熱田神宮を参拝する木村拓哉、伊藤英明、大友啓史監督
熱田神宮を後にした一行は、昨年2022年11月『ぎふ信長まつり』の記憶も新しい岐阜の地に凱旋。祭りの成功を支えた関係者・スタッフたちが参加した試写会にサプライズ登場した。突然目の前に現れた木村、伊藤、大友監督の姿に、客席は昨年の祭りでの“降臨”を彷彿とさせる盛り上がりを見せる。これに木村は「去年、信長まつりでは皆さんのお力添え本当にありがとうございました」と御礼を伝え、大友監督も「二人の騎馬武者行列を見ていて、岐阜の皆さんのバックアップに感動しました。この映画は岐阜の皆さんの支援がなければ成功はしないと思いますし、皆さんにこの作品を応援していただいて沢山の方に愛してもらえたらと思います」と話す。客席からは、温かい拍手が沸き起こっていた。
岐阜県出身の伊藤は「お祭りの前日に木村さんと岐阜城に一緒に行ったのですが、木村さんが岐阜城から岐阜の町を見た時に、『信長と濃姫にはもう少し生きていて欲しかったな』と仰っていて、それが凄く刺さって、岐阜人としてその景色がある所に生まれ育って良かったと思いました。岐阜の皆さんにはこの映画をご覧になっていただいて、信長と濃姫に思いを馳せながら岐阜の町の良さを感じて欲しいなと思いました」と、思い入れたっぷりにふり返った。客席には運営に携わった市役所職員、一緒にパレードを歩いた学生や、応援団、吹奏楽部の方々、沿道に「木村拓哉さん ちょ、待てよ」という垂れ幕を掲げお祭りを盛り上げてくれた岐阜女子大学・書道部と交流する一幕も。
『レジェンド&バタフライ』1月21日(土)岐阜舞台挨拶
和気あいあいとした舞台挨拶の終盤、伊藤から岐阜の良いところを聞かれた木村は「去年(『ぎふ信長まつり』)の経験をさせていただいたので、他県という感覚がない。肉眼で岐阜城を確認できた時に『あ、帰ってきたな』という感覚はありますね」と話すと、大きな拍手が湧き上がる。伊藤が「ご自宅ですものね……?」と返すと、木村も「そうですね。あんまり大きい声で言えないけど」と即答し、軽快なやり取りに客席からは笑い声がこぼれていた。和やかな雰囲気のまま“ぎふ信長まつり大成功御礼舞台挨拶”は終了した。
岐阜での舞台挨拶を終えた木村、伊藤、大友監督は再び名古屋に向かい、一般の観客向けに開催されていた試写会にもサプライズで訪れることに。映画を鑑賞したばかりで余韻が冷めやらぬ観客を前に姿を現した木村、伊藤、大友監督は、割れんばかりの拍手の中迎えられ、この日最後の舞台挨拶が始まった。
午前中に熱田神宮を訪れていたことについて、木村は「今日は熱田神宮でヒット祈願をさせていただきました。(信長と)関係の深い神社にお邪魔させていただき、自分を招いてくれたという形でしたので非常に嬉しかったです。その当時から今日に至るまで同じ場所に同じものが存在してくれているということにも感動しました。あの神社の中に足を踏み入れた瞬間に空気が違うなと感じましたので、あそこにはきっといらっしゃると思います」と感謝。続けて、伊藤も「監督と木村さんの後ろを歩いていたんですけど、木村さんが歩かれると参拝のお客様がわっと分かれて幸せそうな顔で見てらっしゃるんですよ。信長も戦場へ向かう前、こうして兵の士気を高め勝利を掴みとったって、その時の僕自身の捉え方ですけど、信長は民や兵の士気を高めて一つの目標に向かっていくんだなって。いつもの参拝とは違う雰囲気を感じながら公開も間近ですし、いよいよ始まるんだっていう緊張感と高揚感を味わっていました」と、頬を緩ませていた。
撮影中の木村の印象を聞かれた大友監督は「途中から僕の中では木村拓哉と織田信長が一致していましたね。これは演出する上でとても大事なことで。信長だから“これは”やってはいけないという考えになると、せっかくの面白いアイデアが出来なくなってくる。ある段階から目の前にいる木村拓哉がイコール織田信長になりましたね」と、自信を覗かせ、名古屋での舞台挨拶は幕を閉じた。
1月22日(日)福岡
左から、大友啓史監督、和田正人、木村拓哉、レイニ 『レジェンド&バタフライ』1月22日(日)福岡駅 
2日目に訪れたのは博多。当日の朝6時に公式SNSで、さらに午前9時30分からは博多駅前で号外が発行され、博多駅前に現れることがサプライズ発表された。JR博多駅前のアミュプラザ博多には、木村たちを一目見ようと地面が見えなくなる程の、7,000人が当日の告知にも関わらず集まった。福岡のイベントには、前日に続き木村と大友監督、そして若いころから信長に仕え続けた小姓・前田犬千代役の和田正人と長谷川橋介役のレイニが参加した。
木村が右手を天に掲げてさっそうと現れると、会場には割れんばかりの歓声が上がる。木村も「最高ばい!」と力強く言葉を返した。続いて、「こんなに沢山の人に集まっていただき、本当に嬉しか。1月27日をもちまして、みなさんの手元に渡る『レジェンド&バタフライ』。是非受け取ってください」と博多弁を交えて挨拶した。今回の会場へは、初めて足を運んだという木村。集まった観客に対して、「みなさんが温かく受け入れてくださっていることが伝わってきて、本当に嬉しかったです」と感謝の想いを述べた。続く和田も、「ビビってます(笑)。岐阜城の天守閣さながらのこの景色を眺められることが、夢のようです」と感極まった様子。レイニは、「こういったステージに立つこと自体が初めてなので、来てくださった方にも、(沢山の方を)集めてくださった木村さんにも感謝しています」と、笑顔で語った。
本作では、木村が16歳から49歳までの信長をすべて演じている。これに、大友監督は「若い頃を演じる時は、とにかくはっちゃけてもらいたかった」「和田くんとレイニくんが頑張ってくれたことによって、思春期の高校生みたいな雰囲気が出たと思います」と、現場での三人の関係性を共有。木村も「撮影だけど部活動的な空気がありました」と言葉を添えた。一方で、和田は木村について、「瞳の奥にハートしか見えないような、頼りがいのある兄貴という感じでした(笑)」と語った。
『レジェンド&バタフライ』1月22日(日)福岡舞台挨拶
その後、木村ら4名は、博多の映画館で予定されていた一般向けの試写会にも上映前にサプライズゲストとして登場。興奮冷めやらぬ観客に、木村は「ひょっとすると、先程(JR博多駅前で)お会いできた方も中にはいるかもしれませんが、上映までの間、僕らと時間を過ごしていただければと思います。」と声を掛けた。続いて、和田は「この作品に出会えたことが嬉しく、誇りに思います。そして、今隣に木村さんが立っていて、一緒に舞台挨拶に臨んでいることが信じられない気持ちです」と嬉しさを露わに。さらに、「私は、(劇中で)殿に“犬”と呼ばれていたので、みなさんもこれから私のことを、“犬”と呼んでください」とユニークに挨拶した。レイニは、「殿は小さい頃から憧れの存在なので、今回初めて一緒の現場で演じることができて、感無量でした。良ければ、今日僕のことを覚えて帰ってください」と謙虚にお願い。大友監督は「この映画は、木村さんと綾瀬さんを中心に、和田くん、レイニくん、キャスト・スタッフが頑張って作りました。自信作になっています!令和にふさわしい、新しい信長の物語を是非、みなさんに持ち帰っていただきたいと思います!」とアピールした。木村の冒頭の挨拶では、イベント会場から駆けつけた方がいるかもしれないという話があがり、改めてMCから観客に問いかけると、多くの手が上がった。これには木村も、「思ったよりも多くてびっくりしました」と驚きの表情を見せた。
最後に木村は「2時間48分後、このスクリーンが真っ暗になって音だけになる瞬間があるんですけど、その時に、みなさんに愛しい人や大切な方をイメージしていただくことができたら、本作は成功なのかなと思っています。なので、是非、その瞬間を体感してほしいと思います」と、強くアピール。博多駅前と映画館、2か所のサプライズを無事に成功させ、2日目のイベントも無事に終了した。
1月23日(月)京都 
左から、木村拓哉、綾瀬はるか 『レジェンド&バタフライ』1月23日(月)京都会見
名古屋、岐阜、福岡と各地でサプライズを成功させた木村が最後に向かったのは、本作の撮影の拠点となった東映京都撮影所がある京都の地。織田信長を象徴し、織田家の家紋でもある“織田木瓜”の大きな旗や本作をイメージした豪華な装飾、実際に映画でされた衣装など、『レジェンド&バタフライ』の世界観一色に染め上げられた映画館を木村と共に訪れたのは、信長の妻・濃姫を演じた綾瀬はるかと大友監督の2人だ。和装の木村と綾瀬が豪華に彩られた劇場内に登場すると、まるで信長と濃姫が京都に戻ってきたかのような雰囲気が醸し出されていた。公開を目前に、京都凱旋となった気持ちを聞かれた木村は「京都ということで、劇中衣装を着付けてくれたスタッフの方が、今日再び着付けてくださりました。今日のためだけに作られた着物で、非常に感傷に浸っております」とコメント。綾瀬は「1年前に京都で撮影をし、また今日こうして戻ってこれて、いよいよ皆さんに観て頂ける日が近づいてきていることを感じて、とても嬉しく思っています」と答えた。
この3日間、日本中をまわり宣伝活動を行ってきた木村と大友監督。3日間を振り返った木村は「非常に濃厚な時間を過ごしました。大友監督が全国を飛び回ってくださっているのを知っていたので、ようやく名古屋、岐阜、福岡、そして京都と参加することが出来ました。昨日の夜は、公開後にも観てくださった方たちと共に過ごせる時間を持ちたいよねという話を、監督として盛り上がっておりました」と語る。一方の大友監督は「特に今回の作品は、観た方々の熱量を凄く感じました。僕らが出てきても『まだ出てこなくていいよ。浸らせてくれよ』みたいな空気を感じました(笑)」とコメント。それに対し、木村もすかさず、「映画を観終わった皆さんの、「もうちょっと、あの余韻を散らかさないでください」みたいな雰囲気をひしひし感じました」と、共感しながら作品の余韻に浸ってもらえる喜びを語った。時代劇への想いについて聞かれた綾瀬は、「京都太秦では、私が生まれる前から名だたる作品に携わってきた方が着付けをしてくださったり、歴史を感じながら、先輩方と一緒にお仕事をさせて頂きました。セットも時代劇ならではで、今ではもうないようなものが沢山作られています。セットや着物、かつらだったり、そこに行くと急に戦国時代にワープしたような感覚にさせてもらえるようなところが、私が時代劇を大好きだなと思う部分です」と、京都の撮影所への想いを語った。
木村拓哉 『レジェンド&バタフライ』1月23日(月)京都舞台挨拶
現地メディアからの質疑応答に入り、世界遺産の仁和寺をはじめ、京都にある多くの国宝や重要文化財での撮影の感想が質問に。綾瀬は「中々普段入れない場所で撮影させて頂いたのですが、メイクをしてお着物を着た状態で足を踏み入れると、グッとしまった空気感の中で、実際に生きていた人生の大先輩を演じさせてもらうことへの緊張感を良い意味で味わえる貴重な経験でした」、木村は「その時間をずっと過ごしてきたもの自体に勝る説得力はないですし、その当時から続いている歴史をもった京都の重要文化財や国宝を歩かせて頂くことによって、フィクションの現場にノンフィクションのエッセンスを与えてもらえたなと思います」と、それぞれに明かした。また、本作で「魔王」の異名を持つ織田信長と、「帰蝶」とよばれた濃姫を演じたことにちなみ、互いの呼び名を聞かれると、綾瀬はとっさに「レジェタク」と回答。会場中はどっと温かい笑いに包まれた。
3人はその後、劇場で作品を観終えたばかりの観客の前にサプライズで登場。会場中から割れんばかりの拍手が舞い上がる中、登場した木村は「ようやくこの劇場で皆さんに手渡しすることが出来て嬉しく思っています」とコメント。綾瀬は「一足先に皆さんに見て頂けて嬉しいです。ありがとうございます。会場があったかいですね……熱い。熱気を感じます。何か皆さまの心に届くものがあったら嬉しいなと思います」と、公開を間近に控えた想いを語る。大友監督は「ここ京都を中心に撮影をし、半年ぐらいかけて作り上げました。我々の目的は戦国時代を駆け抜けた信長と濃姫の生き方を皆さんに届けることでした」と感慨深げに話した。
綾瀬はるか 『レジェンド&バタフライ』1月23日(月)京都舞台挨拶
舞台挨拶の中盤では、京都ならではのハプニングが。木村が「皆さんに是非ご紹介したいので、時間を頂いて宜しいですか?」と切り出すと、「現場で共に作業をしてくださっていた『レジェンド&バタフライ』の軍勢が客席に紛れ込んでいたので、皆さんにも是非ご紹介させて頂いて、作品を観てくださった皆さんからスタッフに、今一度拍手を頂けたらなと思います」と、客席にいる作品のスタッフを見つけ、急きょ観客への紹介を始める。しして、「装飾の極並さんと、嶋さんです。このお二人が僕に甲冑を着せてくださり、すべての美術部が作り上げたセットに飾り付けをしていただいている方です。本当にありがとうございました」「続いて、この作品の闇に光を当ててくださいました、照明部のチーフの永田さん。そして、濃姫が敦盛を披露するシーンの所作をはじめ、劇中の登場人物の動きを統括してくださった所作指導の峰さんです。そして監督の指示を現場に伝えてくださった、助監督の柏木さん」と、次々とスタッフを紹介し始めると、綾瀬と監督も久しぶりに戦友に会えた喜びを噛みしめるように優しい笑顔をみせる。紹介されたスタッフも照れながらも嬉しそうに挨拶すると、会場内では大きな拍手が沸き上がり、あたりは温かい空気に包まれた。続けて木村は、「他にも本当に沢山、紹介したいスタッフがいるのですが、僕らはこうやって現場で一つになって作り上げた映画です」と、誇らしくコメント。最後に、綾瀬が「少しでも皆さんの心を動かす何かが届いていたら嬉しいです」、木村が「沢山のスタッフに支えられて、共演者と一緒に監督のもと作り上げた作品です。公開日をもって皆さんのものになります」と想いを伝え、イベントは終了した。
『レジェンド&バタフライ』は2023年1月27日(金)全国公開。

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