鈴木みのり

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【鈴木みのり インタビュー】
5周年を迎えるタイミングで
歌手になる前からの
夢が全部叶えられた

歌手デビュー5周年を迎えた鈴木みのりが3rdアルバム『fruitful spring』とニューシングル「ミュージカル」を同時リリース! デビュー当時は明るく元気なイメージだったが、近年はしっとりとした楽曲やスケールの大きな楽曲も歌うようになり、歌手としての幅を広げてきた彼女。そんな実りある5年の集大成と呼べる作品になった。

タイトルは春に向けて
一歩を踏み出すイメージ

5周年を迎えていかがですか?

早かったと思いつつ、振り返るとすごく長かったです。長い時間をかけて、ここまできたという思いが強くあります。

印象に残っていたり、何か自分の中で契機になったと思う出来事は?

今、頑張りたいという前向きな気持ちがすごくあふれているのですが、それは2ndアルバム『上ミノ』(2020年8月発表)を出して以降のシングルで、自信がついたり活動にやりがいをより感じるようになったので、そこが自分の歌手活動の中で印象に残っていますね。

具体的に何が変わったと思いますか?

ちょっとずつ自分の意見を言えるようになったことと、タイアップによって自分の音楽は変わるのですが、それまではみんなが思う鈴木みのりという範囲内でのイメージでアニメタイアップをやらせてもらっていて。でも、「サイハテ」(2021年11月発表)以降のシングルは、そういうイメージから少しはみ出すようなタイアップ作品や楽曲だったんです。もともと私が聴き手として好きな音楽ではあったんですけど、それを歌う側としてお客さんに受け入れてもらえるかどうか、不安があって手を出していなかったんです。タイアップがあったおかげで思いきって挑戦することができて、お客さんの反応も新鮮なものでありつつ、自分にもダイレクトに響いて、大きなきっかけだったなと。

3rdアルバム『fruitful spring』は「サイハテ」以降のシングル曲と新曲を多数収録していますが、まずタイトルの“fruitful spring”にはどんな意味を込めましたか?

“spring”には“バネ”や“泉”などの意味があって、アルバムのラストに「夏のばね」という曲を収録していますし、1曲目の「My Own Story」は明確に春とは歌っていませんが《次の季節へ》という歌詞があったり…あと、“fruitful”には“実り”という意味があるので、“実りの春が来ますように”とか“アイディアの泉が湧き出ますように”などの意味を込めて、曲が全部出揃ってからタイトルをつけました。

1stアルバムは『見る前に飛べ!』(2018年12月発表)、2ndアルバムは『上ミノ』(2020年8月発表)と、今までユーモアあふれるネーミングが特徴でしたけど。

今回は初めて自分でアルバムタイトルを考えたんですが、王道でいきたいと思ったんです。5周年だから自分の名前の要素を入れたいと思って、“みのり”という名前ともかけつつ、“またここから進んでいきたい”“春に向けて一歩踏み出す”みたいなイメージで、このタイトルをつけました。

アルバムにはさまざまな方が楽曲を提供していて、1曲目の「My Own Story」は坂本真綾さんの作詞ですね。

ライヴでもお世話になっている北川勝利さんの楽曲でアルバムの幕開けを飾りたいと思い、北川さんには“5周年のお祝いの曲”というお願いをしたところ、北川さんが真綾さんに作詞を依頼してくださり、書いていただけることになりました。私自身も真綾さんに作詞をしていただきたいと思っていたのですが、大切な相手だからこそ何度もお願いをしては申し訳ないと思っていて、そんな私のウジウジした気持ちを北川さんが察してくださったみたいで(笑)。

北川さんらしいキラキラとしたポップな楽曲で、歌詞がすごく背中を押してくれるものになりましたね。

今まで真綾さんに作詞していただいた曲はアニメタイアップだったり、ワルキューレのキャラクターをイメージして書いてくださっていたのですが、「My Own Story」はタイアップもないので、私自身のことやこの曲を聴いてくださる方のことを考えて書いてくださって。とても特別感のある曲になって嬉しいです。

歌詞を読んでどんな印象でしたか?

今までの私の曲やライヴのイメージからすると、“元気で明るい”とか聴いてくれる人を引っ張っていくような印象を持たれることが多いのですが、真綾さんは悩んで立ち止まっていることも汲み取ってくださって、曲自体はすごく前向きなんですけど、歌詞には後ろ向きだった日々のことも書いてくださっていて。そこが個人的にすごく嬉しかったですし、同時に“なんで分かるんだろう?”という気持ちにもなりました(笑)。私の5年の歩みをこんなにも立体的に浮かび上がらせてくれました。

MVも撮られたそうですが、どんなイメージですか?

制作の都合で監督には真綾さんが歌っている仮歌を聴いていただいて、映像のイメージを膨らませてもらいました。でも、監督にとっては仮歌というものを聴くこと自体が初めてで、“みのりさんは自分の曲を歌う前に、いつも聴き手としても聴いているんだ!?”と驚かれたそうです。なので、曲を聴きながら“どう歌おうかな?”と悩んでいるシーンはこっち側を歩いて、“こう歌おう!”とか希望が見えてからは逆側を歩き、リップシンクも入るといった過去と未来みたいなものを表現した、すごくシンプルだけど深みのある映像になっています。

どんなシチュエーションで撮ったのですか?

丘の上で、朝日が昇りきる前に撮りました。実は学生の頃は駅伝部で丘とか河川敷をよく走っていたので、芝生の匂いや丘の雰囲気が当時を思い出させてくれてエモーショナルな気持ちになりました。

走りながら坂本真綾さんの曲を聴いたりしていたんですか?

はい。大会前とかは真綾さんの歌をよく聴きました。厳しい部活だったから辞めかけた時もあったんですけど、そういう時も真綾さんの歌を聴いていて。特に「誓い」という曲がすごく好きで、中学時代に聴いたその曲がきっかけで、より真綾さんのことが好きになった思い出があります。真綾さんの作詞曲で意図せず、自分のルーツを感じながらMV撮影ができたこともとても感慨深かったです。
鈴木みのり
鈴木みのり
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シングル「ミュージカル」【初回限定盤】(2CD)
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OKMusic編集部

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