アルゴナビス 5年目のスタートライン
!『from ARGONAVIS 2nd LIVE -Rezo
nance-』DAY2レポート

2023.01.08(Sun)『from ARGONAVIS 2nd LIVE -Rezonance-』DAY2@ TOKYO DOME CITY HALL
思えばARGONAVISにとっての2022年は激動の1年だった。2021年11月にプロジェクト名を「from ARGONAVIS」として装いを新たにし、2022年2月の「株式会社アルゴナビス」の設立には驚かされたファンも多かったのではないだろうか。それらは全て”ARGONAVIS”を今よりも更に大きなものへと発展させる為の動きだ。言葉だけではなくて、行動でそれを示しているのだろうと思っていたが、やはり我々にとって、それを一番に感じ、受け取れるのは音楽であり、ライブなのかもしれない。ARGONAVISがこれまで起こしてきた一連のアクションは全て今夜のために、そして2023年のARGONAVISのための積み重ねだったように思えた。何より、彼らの苦労が少しでも報われたように感じた、そんな一夜だった。
「from ARGONAVIS」全体としてのライブは、昨年1月2日にパシフィコ横浜で開催された1stライブ以来、ちょうど1年ぶりとなるタイミングの今年、2023年1月8日に今回は2DAYSで開催された「from ARGONAVIS 2nd LIVE -Rezonance-」。今回はその2日目の様子をレポートしたいと思う。今年の合同ライブは1日目に GYROAXIA(旭 那由多:小笠原 仁、里塚賢汰:橋本真一、美園礼音:真野拓実、曙 涼:秋谷啓斗、界川深幸:宮内告典)と風神RIZING!(神ノ島風太:中島ヨシキ) が、2日目を Argonavis(七星 蓮:伊藤昌弘、五稜結人:日向大輔、的場航海:前田誠二、桔梗凛生:森嶋秀太、白石万浬:橋本祥平)、FantômeIris(FELIX:ランズベリー・アーサー)、εpsilonΦ(宇治川紫夕:榊原優希、二条 遥:梶原岳人)の3組という豪華な顔ぶれが年始のTOKYO DOME CITY HALLに集まった。
開場前から集まったファンの熱気は高く、実際に入場してみると、まるで並木路のようにズラリと両脇に並べられたフラスタの数に驚かされたし、会場全体を見渡せる席で観覧させて頂いたが超満員の観客で埋め尽くされていた。まるでこれから何かが天から舞い降りてきそうなハープとキラキラしたウインドチャームの幻想的な音色が聞こえてくると、Argonavisの5人が姿を現した。
「2023年もこの5人で音を鳴らしていきます!よろしくおねがいします!」と「星がはじまる」からライブをスタートさせる。続く「Reversal」では「DAY2楽しんでいきましょう!」と語りかけ、「STARTING OVER」では「さぁ行こうぜ!」の歌い出しに合わせて飛び交うレーザーや、モニターへ映し出される歌詞の映像も相まって、疾走感あふれる演出が序盤のステージを盛り上げる。
3曲を終え、まずは五稜結人から「皆さん、ハッピーニューイヤー!アルゴナビスです!」と新年の挨拶。「ここで自己紹介をさせてくれ!」の言葉に的場が続き、「皆さんあけましておめでとうございます!的場航海です!今年最初のライブも全力で行きます!」と意気込みを語る。「アルゴナビス、キーボード担当、桔梗凛生だ。FantômeIrisとεpsilonΦ、俺たちの音楽と彼らの音楽がぶつかり合って共鳴する、今日はそれを楽しみに来た。」と期待に胸を躍らせ、「年の初めから俺たちのライブに来てくれてありがとう!白石万浬です!」と感謝を述べる。「FantômeIrisやεpsilonΦとのライブ、今日という日を楽しみにしていました。一曲一曲を大切に歌います!」と蓮が締めると、優しいピアノ入りの「BLUE ALBUM」へ。
5曲目に披露した「心を歌いたい」の落ちサビでは、星空のような光の粒がステージを包む。3バンドだと早いもので、もうArgonavis最後の曲がやってくる。「年初めから皆さんにお会いすることが出来て、本当に嬉しいです!僕らはずっと夢見てます。アルゴナビスの音楽をたくさんの人に聞いてもらって、たくさんの人とライブをする。歩幅は小さくても、一歩ずつ着実に進んでいます。2023年は皆さんをきっと大きなステージへ連れて行きます。」そう誓って披露したのはアコースティックイントロverの「命のクリック」だ。
結人とアイコンタクトを図りながら、その息づかいにまで全神経を集中させて歌い上げる。曲への想いの乗せかたは、きっとこれまでアコースティックライブで培ってきた経験が血肉となっていたはずだ。会場の隅々にまでこだまする蓮の歌声には覚悟と決意がにじみ出ていた。心臓が脈打つようなギターのイントロを合図に、やがて折り重なるベースやドラム、キーボードが加わるとアルゴナビスという船はオールを漕ぎ始める。この曲をこの日の最後に演奏すること、それこそがArgonavisの2023年の抱負なんだと受け取った。
サッと挨拶を済ませ、ステージを後にするメンバーを横目に「待ってよ〜!」と置いてかれる万浬に癒されたのも束の間、次なる始まりを告げる鐘の音が場内に響き渡る。紫色のステージに”Fantôme Iris”のロゴが浮かび上がるとFELIX役のランズベリー・アーサーがサポートメンバーを引き連れて登場した。
白百合が絡みついたマイクスタンドを手に取ると「miroir」、続く「Into the Flame」では「さぁ、暴れる準備はいいか?」と一変し、演奏も激しく熱を帯びていく。艶やかで艶めかしいFELIXの歌声と、それを支えるリードギターの速弾き、ツインギターのユニゾンといったテクニック面はもちろんとして、メンバーのステージ上での立ち振る舞いが本当に徹底されていて素晴らしすぎる。
「さぁ、今宵も夜会を始めよう」と3曲続けて「銀の百合」を披露すると、ここでメンバー紹介へ。「新たな年の始まりに杯を交わそうじゃないか」と、怜悧な王の右腕・LIGHT、残虐非道の申し子・ZACK、苛烈な夜の女王・HARU、黙する聖職者・D。そして、全ての吸血鬼を統べる王、FELIXがいつもの挨拶を交わし、LIGHTの用意したグラスを傾ける。
「さぁ、まだまだ行こうか!眷属たちよ!」と鞭を打つように「影と光」、「XX in Wonderland」と激しめな選曲で続ける。「ピエロ」では「さぁ来い!我が眷属よ!」とLIGHTとZACKを呼び込み、ユニゾンさせる。まるでミュージカルのような「ラプソディア」では。HARUがベースをぐるりとショルダーで回したり、終始圧倒的なパフォーマンスで我々を彼らの世界へと誘ってくれるが、今宵の夜会はここまで。王の帰還も束の間、再び悠久の休息へと姿を消していった。
三度ガラリとサウンドを変え、続いてはεpsilonΦから宇治川紫夕が「I'm picking glory」を披露すると、入れ替わるように二条 遥が現れ「Heroic」を歌い上げる。
青いお兄さんと黒いおじさんたちが僕らの前座を務めてくれはったみたいで、嬉しいわぁ」と京都弁で毒づく紫夕のサクッとしたメンバー紹介を挟み、「僕らの音楽、お兄さんたちもお姉さんたちも楽しんでってな?」と続いてはツインボーカルの「re:play」、「Cynicaltic Fakestar」そして「オルトロス」に繋げる。2人のスキルとキャラクターがまるでバチバチと火花を散らすように、その歌声を張り上げる。
「お兄さんたちも、お姉さんたちも、ええ感じやないの。外野が鬱陶しい時もあるけど、僕は変わらへん。これからも僕のおもちゃたちをたくさん弄ばせてもらうから、楽しみにしとってな?」と紫夕なりの言葉で、εpsilonΦのこれからを示唆していくと「次の曲で終いや!」と「光の悪魔」を披露。この曲を提供したTK(凛として時雨)らしく、身をキリキリと捩るような、耳をつんざくハイトーンで叫び、熱唱と呼ぶにふさわしいパフォーマンスを見せてくれた。
この曲で最後と思いきや、パラパラとなった拍手の音に交じり、大粒の雨音がザーザーと音を立て始めた。そこへ時計の針の「チクタク……」という音がフェードインしてくると、ステージに紫夕ひとりを残し、「レゾンデートル」をソロで歌い上げた。幼くも脆い彼の心情を、感情を爆発させるように歌い上げる姿は、まさに圧巻の二文字としか言いようがない。
舞台は再び暗転し、そんな静寂の暗闇を突き破るように、これまでのfrom ARGONAVISの軌跡を振り返る映像が流れ始めた。思えばTVアニメや舞台があり、その後の世界を描くアプリゲームがあって、泥臭くもひとつひとつ積み重ねてきたステージたちも、振り返れば大海原のように広く深く、私たちに様々な景色を見せてくれたなと、つい感慨に耽ってしまう。そしてその映像の最後に唐突に差し込まれた”アルゴナビス新作アプリゲーム「キミが見たステージへ」”の文字にどよめく場内。
そんな会場へ、火に油を注ぐかのように披露された新曲「スタートライン」の波状攻撃でクラクラしている所へ改めてメンバーがこの2日間を振り返る流れへ。
Argonavisにとって2023年は間違いなく挑戦の年となりそうだ。ここでFELIX役のランズベリー・アーサーと宇治川紫夕役の榊原優希、二条 遥役の梶原岳人も迎え、改めて今日を振り返り、告知へ。劇場版第二弾、AXIAが3月に公開を控えているし、舞台も予定している。そして何より極めつけは先ほど発表があったばかりの新作アプリも夏にリリース予定とのことで、詳細は今後に期待だが、こんなにもワクワクした気持ちになった年始は初めてかもしれない。
ひとしきりお知らせも終えたところで、最後は全員で「ゴールライン」を歌い上げた曲名に反して、ゴールラインのテープはまだまだずっと先にあるのが「ゴールライン」という曲の好きなポイントなのだが、まだ見ない終わりへ向けて、恐れずに2023年も帆を立てて欲しい。きっとその背中を追い風が強く押してくれるはずだ。
今はまだ弱々しく顔を覗かせる一番星だが、暗くなる前からその光が届いているように、実は誰よりも力強く光り輝いているのが一番星でもある。いつかその時が来れば、眩いくらいにその輝きを放ち、周囲を魅了することだろう。一等星になる準備は万全なはず。明けの明星のように、アルゴナビスが輝く”夜明け”はすぐそこまでやってきた。
レポート・文=前田勇介 撮影=西槇太一

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着