GYROAXIA新作劇場版主題歌もサプライ
ズ披露 風神RIZING!との対バン『fr
om ARGONAVIS 2nd LIVE -Rezonance-
』DAY1レポート

2023.01.07(Sat)『from ARGONAVIS 2nd LIVE -Rezonance-』DAY1@ TOKYO DOME CITY HALL
アニメやゲームなどさまざまなメディアミックスを展開するボーイズバンドプロジェクト「from ARGONAVIS」。そのリアルライブとなる『from ARGONAVIS 2nd LIVE -Rezonance-』DAY1が、2023年1月7日(土)、TOKYO DOME CITY HALLにて、有観客・Streaming+配信で開催された。
今回はGYROAXIA風神RIZING!という2組の対バン形式で実施。ロックとスカ、それぞれ音楽性は異なるが、どちらも変わりない「音楽が好き」という気持ちを全力でぶつけ合い、2時間超えの激しいステージを作り上げていった。感染症ガイドラインに沿って声出しは禁止だったものの、2023年の幕開けに相応しい男たちの熱い舞台の模様をレポートしていく。
緊迫感漂うBGMが流れたライブの冒頭。ステージに現れたのは、ボーカルの小笠原 仁(旭那由多 役)、ギターの橋本真一(里塚賢汰 役)&真野拓実(美園礼音 役)、ベースの秋谷啓斗(曙 涼 役)、ドラムの宮内告典(界川深幸 役)の5人からなるGYROAXIAだ。1曲目は「NEW ERA」。ボーカルの小笠原 仁はステージ前方の中央にある広めのお立ち台に立ち、生バンドの熱い演奏に乗せて力強いラップと歌声を放つ。
旭 那由多の「GYROAXIA、始めていくぞ」という言葉から続く2曲目にはBPM速めの「GETTING HIGH」が披露された。彼が「新年で怠けてねーよな、動けるだろ!」と叫び、中央のお立ち台から高速ラップをかませば、観客は激しく飛び跳ねてそれに応える。早くも会場は、新年という季節感をも忘れるほどの熱気で包まれていく。
2曲を終え、メンバーがそれぞれ担当するキャラクターを演じながら挨拶と自己紹介を述べていく。中でも里塚賢汰は「今日は風神RIZING!との対バンになっているが、俺たちのやることはいつもと変わらない」とクールに言い、界川深幸は「フウライ(風神RIZING!)のやつらと対バンって、なんだか新鮮だな。俺たちの音楽が最強だってこと見せてあげるから、今日は楽しみにしててよ」と、微笑みながらもややバチバチ感もあるコメントを残したのが印象的だった。
最後の自己紹介は旭 那由多に委ねられるが、「GYROAXIAボーカル、旭那由多」と素っ気なく自己紹介だけし、「Dawn」と3曲目のタイトルを言って次の演奏へと入る。態度は不愛想だが、歌詞にも「塞ぎ込んだ感情を 解き放て 衝動に身を任せ」とあるように、すべては歌で表現していくようだ。同じく里塚賢汰もメガネの下のクールな表情は崩さないまま、間奏では情熱的なギターソロで感情を溢れ出させていく。
4曲目の「火花散ル」に移ると、美園礼音と曙 涼が向き合って掛け合うように楽器をかき鳴らしたり、界川深幸が微笑みながらも力強くドラムを叩いたり、一人一人の個性がさらに引き立つ演奏に。ステージの背景にはキャラクターのイラストも映し出され、「GYROAXIA」というバンドの存在感を存分にアピールしていった。
舞台が暗転し、BGMが鳴り響く。その中で「タタタタタン」というドラムの音だけが生音だ。スポットライトが照らすのは、GYROAXIAの界川深幸がいたのとは逆の位置にあるドラムセット。叩くのは風神RIZING!五島 岬だ。激しいドラムソロをキメたあとには、ギターの椿 大和・ベースの早坂絋平・トロンボーン若草あおいもライトに照らされ姿を現した。
やがて、神ノ島風太が舞台に躍り出る。バンドソロが終わるころにお立ち台に立つと、1曲目に「フウライ出陣歌!」を歌い出した。華々しく新しい年の幕開けを祝うと共に、「今年は俺たち元年」と歌詞にもあるように、対バンの「後攻」としての勢いも見せていく。
MCでは「今日はGYROAXIAと、こがんお祭りができて最高たいねー!」と、出身地である長崎の方言混じりに言う風太。全員の紹介を終えた後は、「俺たち、この日のためにやっちゃ準備してきたけん、休む暇ないくらい盛り上げていくから、覚悟してくれよなー!」と叫んだ。
2曲目に披露したのは「G線上にY!?」。タイトルからもわかるように、楽曲中にバッハの「G線上のアリア」のフレーズを混ぜ込んだ楽曲だ。生バンドの音に乗せ、歌声も会場中へ伸びやかに響きわたる。サビの最中は風太が手を挙げるたび、客席のペンライトも高く上がった。
続いて「走れるよな、東京!」と言い、3曲目に「ランガンラン」がスタート。風太はお立ち台に立ち、アリーナ、2階、3階、4階席へと順に視線を送りながら歌声を放つ。後半の間奏では大和に場所を譲り、「聴けー!ギター、大和―!」と叫んで、激しいギターソロを会場中へ届けさせた。
次の曲へ行く前に、バンドソロが始まる。その間、風太は舞台袖からタオルを持ってきて、「みんなタオル持っとるー?」と指示を出した。やがて客席でたくさんのタオルが揺れる中、4曲目に「SunRize ~黄金の太陽~」を披露。「祭りだ! 大騒ぎしよう」の歌詞で客席を一体にし、明るく楽しげに風神RIZING!の前半戦の幕を閉じた。
舞台が暗転し、ミステリアスなBGMが流れる中、スポットライトが照らすのは再びGYROAXIA側のドラム、界川深幸だ。激しいドラムソロで、対バンは2ターン目に突入。メンバーも再び集結。
やがて那由多が「MANIFESTO」と曲名を言うとステージが再開。またその次は「Freestyle」と激しいロックナンバーが続くが、これも1ターン目のステージで「俺たちのやることはいつもと変わらない」と賢汰が言ったことを有言実行しているように思える。
そして3曲目に「DANCING PARANOIA」を披露する際には、「まだイケんのかー!?出し切る体力残ってるか?ここで終わっちまってもいいからな別に」と、終盤まで不愛想に叫ぶ那由多。しかしその直後の魂が込められた激しいラップを聴けば、「終わっちまってもいい」などというセリフが本心でないことぐらいハッキリわかる。ただキャラを演じているのではなくキャラが憑依したように、メンバー一人ひとり、激しい演奏を繰り広げていった。
MCで、次が最後の曲であることを告げる賢汰。「新しい世界の始まりに、この曲を聴いてくれ」とその続きをボーカルに委ねれば、那由多は「刻め、『BREAK IT DOWN』」と曲紹介した。汗だくになり、やや疲労が浮かんだような表情ながらも早口のラップをこなす那由多。歌詞の最後の「さあ break it down」は、デスボイスも混じったようなシャウトを会場に放って、舞台を終えた。
4回目の暗転。BGMに風神RIZING!「longing」をモチーフとしたインストが流れ、次にスポットライトを浴びて生音を披露したのは、ギターの椿 大和だ。耳に心地の良いソロパフォーマンス中、バンドメンバーも戻ってきて、やがて合奏へ。バンドソロが締めくくりに入るころには、ボーカル・神ノ島風太もステージ中央に戻ってきた。一度音楽は止み、「longing」のイントロがスタート。それと同時に、ステージ背後にはMVが映し出された。
そのまましっとりと、後攻・風神RIZING!の後半戦がスタート。バラードながら途中には力強いラップパートもあり、エモさ全開だ。
再びバンドソロを挟んだ後、「さぁ、ラストスパートばーい!」と風太が叫び、後半2曲目には「夢見るBoy守るため」を披露。さらに3曲目には「フウライ全力ジャンプ」とアゲアゲのナンバーで攻めを見せた。ペンライトを高く掲げて飛び跳ねる観客たち。風太も最後は4段もあるドラムセットの段差から大ジャンプして、見事ステージ中央への着地をキメる。
汗だくになりながら、MCで「いやぁ跳んだばい。やっぱライブは最高たいねー!」と楽し気に言う風太。GYROAXIAのパフォーマンスについても「ジャーンで、バーンで、ドカーン!って感じで、凄かったなー!」と擬音を混ぜながら語り、「俺たちと向かう先はきっと違うばってん、音楽ば好いとう気持ちは変わらんけんね」と賛辞を送った。
そしてラストの曲紹介前には、「目の前の人でもよかけん、思いやって生きて行こうな」と温かい言葉を残しながら「SWORD!」を披露した。明日へ生きる希望を持たせてくれるような温かい歌詞を、耳に心地よいファルセットも交えながら響かせる風太。大和、絋平、あおいもステージ中央に集まり、4人が横並びで演奏やダンスを披露してみせる。今回の対バンのラストにも相応しいピースフルな締めくくりとなった。
やがて誰もいなくなったステージに響くアンコールの手拍子。それを止めたのは、ステージのバックに映し出された告知の数々だ。そこでyumteaとのコラボ第2弾やブルーレイの発売など続々と情報が出される中、『劇場版アルゴナビス AXIA』ティザー映像の第2弾が公開された。
さらにサプライズは続く。直後、映画の主題歌が発表されるや、暗転していたステージにはすでにGYROAXIAがピットイン。舞台の照明が灯ると共にその楽曲「MILESTONE」を披露するという、ビッグな“お年玉”を観客に届けた。
アンコールを終え、GYROAXIAメンバーがそれぞれ、声優として改めて一人ひとり挨拶を述べていく。途中で風神RIZING!ボーカル中島ヨシキも加え、キャラクターも忘れて和気あいあいとしたトークを繰り広げた。
最後は風神RIZING!のサポートメンバー4名も登場。中島ヨシキが「もう一曲やれるみたいですよ」と言い、本当のライブの締めくくりとなる「バンザイRIZING!!!」をオールキャストで披露となった。

小笠原 仁と中島ヨシキがデュエットで歌い、GYROAXIAメンバーたちもステージの上を縦横無尽にお祭り騒ぎで動き回る。これぞ対バンならではの貴重な舞台。アウトロの最後は長く長くかき回し、ツインボーカルがお立ち台からステージ中央へと揃ってジャンプをキメて、新年の熱い宴のラストを飾った。

3月には劇場版アニメの公開も控えるGYROAXIA。また風神RIZING!は今回、史上最多となる8曲を披露し、中島ヨシキも「見えてきたぞ単独が」と締めくくりの挨拶で語っていた。声出しNGなどまだまだ制限のある日は続くが、今回のライブの終盤で告知されたことも含め、また2023年も「from ARGONAVIS」ファンにとっては楽しい1年になりそうだ。「まだ見ぬ場所に 連れてってく」彼らと共に、またこの新しい年を歩んでいこう。
レポート・文=平原学 撮影=西槇太一

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