Little Glee Monster 第二章の幕開
け、最初のコーラスからラストの1音
までただただ幸せだったツアー初日を
レポート

Little Glee Monster Live Tour 2023 Join Us!

2023.1.7 東京・昭和女子大学 人見記念講堂
2022年はLittle Glee Monsterにとって激動の年だった。体調不良により芹奈、manakaが相次いで休養。全国ツアー中に2人の卒業が発表され、そのファイナル公演でかれんから直接、「リトグリの可能性を広げるためにも、新しい仲間が必要です」という強い覚悟が伝えられた。そして11月、厳正なオーディションを経て、ミカ、結海、miyouが加入。そこからわずか2ヵ月でのツアー開催には驚いたけど、とても2ヵ月とは思えない6声の幅と奥行き、新メンバーの度胸にもっと驚かされた。満員御礼のガオラー(=Little Glee Monsterファンの呼称)と見届けたリトグリの第二章の幕開け、ツアー初日、1月7日の第1部公演をレポートする。
オープニングナンバーはもちろん、「Join Us!」。鮮やかなハーモニーから、挨拶代わりのソロパート、かれんとmiyou(立ち位置的に両脇)から繰り出される奔放なフェイク、ハッピーな気持ちがそのまんま形になったみたいなダンス。まさに6人のリトグリが放つ希望の歌=始まりの合図だった。
MCタイム。話し始めたMAYUが、客席に掲げられたボートを発見。全員で一文字ずつ読み上げていくと、「リトグリを守ってくれてありがとう。一緒に新しい世界を見に行こう。ガオラーはリトグリを愛し続けるからね」。ガオラーから贈られたサプライズメッセージに、一同感動&結海ほんのり感涙。その想いに応えるべく、「じっくりと歌声を楽しんで」と観客に着席を促し、「Jupiter」を重厚なアカペラでしっかりと届ける。途中から入ってくるバンドも音数は最小限で、メンバーのブレスすら音楽の一部として響くほど、圧倒的に生身で、愛に満ちた曲だった。さらに6人6様のキャラクターが光るアグレッシブなボーカル、6人で新たに作り上げた超クールなフォーメーション、「Baby Baby」で魅せる圧巻のパフォーマンスに、ガオラー、たまらず立ち上がって踊り出す。コーレスバルーンが弾んで、揺れて、マスクの内側にしまったみんなの気持ちをシャカシャカ代弁してくれる。
確かにいつも通りの長さのステージはまだできないかもしれない。しかし初めてのワンマンライブに挑むミカ、結海、miyouのフレッシュな緊張感と、自分たちが引っ張らねばというアサヒ、MAYU、かれんの気概が次第に混ざり合い、ひとつのライブの中でグループとして進化していく光景を目撃できるなんてそうはない。何よりの発見は、アサヒ、MAYU、かれんが自由に自分をアウトプットできるようになったことだった。やはり、5人で作っていたパート分けやコーラスやダンスを3人で披露するためには、多少の、いや、相当の頑張りが必要で、前回のツアーは必死だったんだと思う。アサヒの歌声の突き抜ける真っ直ぐさ、MAYUから溢れる歌心と包容力、かれんが全身で表現するダイナミズム、3人の強烈な個性を久しぶりに浴びた気がした。かれんの言葉を借りるなら、とっても素敵な、明るい3人が入ってくれたからこそ、リトグリはより最強にパワフルになれたのだ。
こういうタイミングで披露される曲は、どうしたって現在のリトグリに重なって聴こえてしまうもの。初披露された新曲「Million Miles」(『富士山女子駅伝』テーマソング)では、仲間を想う気持ちをリレーのように繋いでいくハーモニー、最後に掲げた拳の力強さに胸が熱くなった。これまで何度も聴いてきたライブの定番曲「世界はあなたに笑いかけている」は当然、ガオラーもクラップで全力参加。《大切な仲間なら》とアサヒが歌いながらメンバーの顔を覗き込み、全員で笑い合えば、会場全体に笑顔が広がっていく。最初のコーラスからラストの1音まで、ただただ幸せだった。間違いなく、今年の一発目の楽しい思い出になった。
ライブの中で、3月22日、新体制になって初めてのEP『Fanfare』をリリースすることが発表された。通常盤の他、この日のライブの模様を収めたBD、もしくはライブフォトブックを封入した、2種類の初回盤を用意。新曲でも、映像でも、写真でも、リトグリの新たな一歩を確認してほしい。

取材・文=山本祥子 撮影=Yusuke Satou

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