「言葉の拷問劇」と称される、寛一郎
主演の舞台『カスパー』 首藤康之ら
オールキャストが決定

2023年3月に東京芸術劇場シアターイースト、4月に松下IMPホールにて上演される、ノーベル文学賞受賞作家でもあるペーター・ハントケによる衝撃作『カスパー』。本公演のオールキャスト、また公演詳細が発表された。
主演は、本作が初舞台初主演となる俳優の寛一郎。彼を支えるキャストとして、バレエやコンテンポラリーダンサーとしての華々しいキャリアを持ちながら、昨今は俳優としての活動でも注目されている首藤康之が、カスパーをことばの世界へと誘い、調教する3人の謎の男“プロンプター”のひとりを演じるほか、昨年『ピサロ』でウィル・タケットとも組み、大いに信頼されている下総源太朗、そして文学座若手俳優の萩原亮介がプロンプター役として参加。
さらにカスパーの分身役として、小野寺修二作品の常連俳優でもある王下貴司、麿赤児率いる舞踏集団の大駱駝艦から、高桑晶子、小田直哉、坂詰健太、荒井啓太といった精鋭艦員の出演も決定した。
首藤康之は21年12月に上演された『ダブリンキャロル』で膨大なセリフと格闘しながらも、人生をダメにした中年男をその色気と哀愁で見事に演じ、大いに注目された。今作ではまさに新たに手にした「ことば」を駆使してプロンプター役に臨む。
『カスパー』寛一郎
本作の主人公であるドイツ人孤児のカスパー・ハウザーは、史実によれば16歳で保護された当初、言葉をまったく理解しておらず、また言葉に意味があることさえ知らなかったと言われる。そんな彼に周囲の人々は教育を施し、ただの音でしかなかった“言葉”に意味があることを彼は知り、自分というものの存在、また他者との関係について考えるようになっていく。やがて自分のこと、周囲の事象を他者に伝える手段として自らが言葉を使うようになっていく過程で、彼が何を感じ、何を得て、何を失っていったのか。それらを、カスパー演じる寛一郎と共に、この実力派キャストたちがセリフだけでなく身体表現を駆使して描いていく。
“言葉の拷問劇”とも呼ばれる本作がどんな公演になるのか期待したい。なお、東京公演のチケットは1月25日(木)から一般販売が開始となる。
首藤康之 コメント
今回ウィル・タケットの演出する『カスパー』にプロンプター役として出演させていただくことになりました。ウィルとの仕事は今回で3回目ですが、稽古場で起こるマジカルな創作にはいつも魅了されています。
長い間 ”舞踊” という世界に住んで、本能の赴くままに表現していた僕にとって “言葉” というものは生活手段の道具でしかありませんでした。しかし俳優という仕事を始めてからというもの、その “言葉 “ のもつ厳かな影響力(それは時として軽やかにもなる)に引き込まれ、今では “言葉” の力によって身体を動かし、表現し、生活をしています。 “言葉” に関して言えば、思春期を通りこして急に赤ちゃんから大人になったような気がしています。カスパーのように!
このペーター・ハントケの『カスパー』は、そんな “言葉” の尊さを感じさせてくれる戯曲で、様々な問題定義を示してくれます。僕の演じるプロンプター役はそんなカスパーに ”言葉の世界” への道標を示す重要な役だと考えています。誰の中にでも存在するであろうプロンプター、僕も自分の中にいるプロンプターの声に耳を傾け、皆様にとって、この素晴らしい戯曲の上演が “何かを考え” 豊かな時間になるよう稽古に奮励したいと思っております。是非劇場に足をお運びください!

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