カノエラナ

カノエラナ

【カノエラナ インタビュー】
展開をかき回していかないと
面白くならない

みなさんに向けてやれることを
今後もどんどん増やしていきたい

「ヨトギバナシ」の原曲を作った時、どのようなことをイメージしていましたか?

『虚構推理』の第1期のことも描きたかったし、原作漫画で先のストーリーも読んでいたので、そういう部分も曲にしたいと思っていました。だから、第1期の先のストーリーで気になった要素を入れたりしていましたね。その後、第2期のキービジュアルが公開されて、琴子ちゃんの後ろに雪女がいるのを見たんです。雪女のエピソードはもともと印象に残っていたので、歌詞の最初の部分にその要素を入れていたんですよ。だから、“やるんだ!?”という安心感と、“やったぜ!”の両方がありました(笑)。あと、アツい展開を歌詞に入れたいというのも思っていて、おひいさま(岩永琴子の愛称)が語り部として語っているように描こうっていうのもイメージしていました。

《物の怪よりもよほど怖い》の辺りもストーリーとリンクしていますよね?

はい。人間のほうが実際は怖かったりとかありますからね。“結局、いろいろ引き起こしているのは誰だ?”っていう話になってくるので。

《虚構でも貫き通せば物語は美しい》も印象的です。

一番目立つところにそのフレーズを持ってきたかったんです。“瓶の中に入れられている人が歌っている”とか“涙の海を漂いながら外を見ている”みたいな空気感にしたかったので、そういう風景を思い浮かべながら書きました。

オープニングテーマのお話をいただく前に作った原曲は、どのように変化しながらこの完成形に至ったんでしょうか?

最初にお聴かせした段階で“全体像はこれで大丈夫です。歌詞の世界観もこのままで良いので、あとは紫色からサビで急に真っ白になってください”と、先方はおっしゃったんです。“サビを明るくしてください”と言われるよりも色で喩えていただくほうが私も分かりやすいですし、その表現も『虚構推理』っぽいものを感じましたね。だから、思いきってサビの部分だけちぎって、別のものをはめ込んでいきました。曲を作ってから日も経っていたので、新しいかたちで作ってみたら、よりいい曲になるんじゃないかなと。

リズムが変化したりとかの展開がめまぐるしい感じは、最初からあったんですか?

最初からありました。展開をかき回していかないと面白くならないので、“事件をAメロで起こして、Bメロでさらにかき回して、サビで解決したと思ったら2番に差しかかるとまた別の事件が起こりました”みたいな感じで、曲自体も物語として進行していくようなイメージですね。

サウンドアレンジは月蝕會議のギタリストのエンドウ.さんが手がけていますが、どのようなことを話し合いました?

アコギでデモを作る段階で、だいたいリフとかも弾いて一緒に送るんです。エンドウ.さんのイメージする『虚構推理』の世界観と、私の中から出てくるひっちゃかめっちゃかする感じ、和風テイストが合わさってこうなりました。あと、お話がどんどん展開していく感じにしたいということもお伝えしていましたね。

展開が目まぐるしい曲が、カノエさんはすごく似合うんですよね。いろいろな歌声の持ち主ですから。

言いたいフレーズ、言葉によっていろいろ変わってくるんですよね。例えば“この言葉はわざと上ずってみようかな?”とか。それはレコーディングしてみないと分からないことなんですけど。この曲は私だけで歌のディレクションをするのではなく、ディレクターさんとアレンジャーさんとお話をしながらやってみたので、幅広い声色を使いつつもちゃんと全体が均一になったと思っています。

長年歌ってきた中で、多彩な歌声が培われてきたんでしょうね。

それはアニメが大好きだというのが一番大きいと思います。あと、特定のアーティストさんではなくて、幅広い曲を聴いてきたというのもあるのかなと。私はさまざまな曲をいろんな声で歌ってみたり、声真似をしてみたりするところからスタートしたので。シンガーソングライターになってある程度勉強もしましたけど、“自分の色を出すためには好きなことをしないと”と考える中で編み出していったのが、このスタイルです。

アニメソングは多彩な要素が取り入れられていたり、思いきった展開を遂げたりもしますし、それがカノエさんの音楽の下地になっているんでしょうね。

そうなんだと思います。アニメソングは“普通はこういうことをやらないでしょ!”というのをやるのも面白さなので。だから、私も曲の中で“ここはアコギではやりづらいけど、やってみるか”というような要素を入れたりして遊ぶのを楽しんでいます。

カノエさんの曲はカラオケで歌う難易度が高そうです。

「ヨトギバナシ」は私の曲の中では簡単な方だと思います。あんまり激しいメロディーの動きはしていないので。私はカラオケに行くと“どういうふうにラインが出るんだろう?”って、一応自分の曲を入れてみるんです。見てみると難しいですね。自分で作っておきながら“これは歌うもんじゃないな”と(笑)。シンプルにしてみようと思っても、作っていく中で自分の楽しさを選ぶとこうなっていきます。

「ヨトギバナシ」は比較的シンプルにできた手応えがあるんですね?

はい。私の曲の中では歌いやすいものになっているというのは、みなさんにお伝えしておきたいです(笑)。カラオケでトライしていただけると嬉しいです。この曲をレコーディングしたのは『歌楽的イノセンス』(2022年8月発表のアルバム)の前なんですけど、あのアルバムで幅広いスタイルを固められたのは、「ヨトギバナシ」を先にレコーディングしていたからなのかなと。一曲の中で自分がやれる幅みたいなことを研究することができたんですよ。そういった意味でも、これは私にとっての分岐点的な曲なのかなと思います。

『虚構推理』のオープニングで流れるのが楽しみですね。

楽しみです! リアルタイムで全話の放送を追いたいと思っています。私の曲が映像とともに流れるというのは、本当に嬉しいことです。私以外の世界を加えていただけるタイアップは、つながっていくものがたくさんあるんですよ。曲を作ったところだけで終わらないことの素敵さを今回、改めて強く感じました。

前からおっしゃっていた“アニメソングを作りたい”という夢が叶っていますね。

はい。“次の目標どうするの?”とか訊かれるんですけど、“いやいやいや。アニメですよ。オープニングですよ。エンディングですよ。めちゃくちゃかかわりたいです”ということなんです(笑)。カノエラナの色を出しすぎても良くないと思うし、作品の色になりすぎてもいけないっていう絶妙な塩梅を守りながら、今後もやっていきたいですね。

夢が着々と叶っていますし、最近は充実感があるんじゃないですか?

ありますね。ライヴの機会も増えて、お客さんがいらっしゃる状況も嬉しいんです。配信はみなさんが最前列で観られるので、その良さもあるんですけどね。私は背が低いので、ライブハウスでなかなかステージが見えないんです(笑)。そういう点でも配信の良さを私も感じています。でも、ステージに立つ側としては、リアルタイムでお客さんの反応が見られて、手拍子が返ってきたり、ハプニングとかも共有できることのすごさに改めて気づけています。だから、カノエラナとしてみなさんに向けてやれることを、今後もどんどん増やしていきたいと思っています。

4月から5月にかけて全国弾き語りツアーがあるんですよね?

そうなんです。弾き語りのツアーは久しぶりなんですよ。初めて私のライヴに来る方々もいらっしゃるでしょうね。

カノエさんの弾き語りはとても素敵ですから、ファンのみなさんの期待は高いはずです。

私はずっとぼっちだったので、“ぼっちを極めるしかない”みたいなところがずっとあるんです(笑)。ギター1本でもいろいろな音が聴こえるようにしたいとずっと思いながらやってきたので、今回のツアーも頑張りたいですね。「ヨトギバナシ」を弾き語りでどう表現するのかも、じっくり考えたいです。

アニメは世界中で観られていますから、そのうち海外で歌う機会もあるんじゃないですか?

うわっ! パスポート、持ってない(笑)。

今のうちに取っておいたほうがいいかも。

どこでも寝られるのが私の取り得なので、海外に行っても大丈夫だと思います。私、枕がなくても眠れるので。水さえあれば生きていけます(笑)。

取材:田中 大

配信シングル「ヨトギバナシ」2023年1月9日配信 KING RECORDS

ライヴ情報

『カノエラナ 弾き語りツアー2023「四年想歌」』
4/15(土) 岩手・盛岡Club Change
4/22(土) 広島・Yise
4/23(日) 岡山・CRAZY MAMA
4/29(土) 佐賀・GEILS
4/30(日) 福岡・graf
5/03(水) 北海道・SOUND CRUE
5/06(土) 大阪・Music club JANUS
5/07(日) 愛知・CLUB UPSET
5/13(土) 石川・金沢GOLD CREEK
5/14(日) 東京・下北沢シャングリラ
<チケット>
料金 ¥4,950(税込)+1ドリンク

カノエラナ プロフィール

1995年12月4日生まれ、佐賀県出身シンガーソングライター。無類のアニメ好きで多くのアニメ作品から影響を受け、独特な着眼点から生まれる歌詞や世界観に合わせて色とりどりに変化する歌声と歌唱力で同世代を中心としたZ世代から圧倒的な支持を集めている。カノエラナ オフィシャルHP

「ヨトギバナシ」MV

「キンギョバチ」MV

OKMusic編集部

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