DISH//、初アリーナワンマンの公式レ
ポート到着 最新アルバムより新曲「
ブラックコーヒー」初披露&ホールツ
アーを発表(画像:全7枚)

DISH//が12月25日(日)に東京・国立代々木競技場第一体育館にて、ワンマンライブ『DISH// ARENA LIVE 2022 “オトハラク”』を開催した。本記事では同公演のオフィシャルレポートをお届けする。

DISH//が12月25日(日)に東京・国立代々木競技場第一体育館にて、ワンマンライブ『DISH// ARENA LIVE 2022 “オトハラク”』を開催した。
2011年12月25日に結成されたDISH//は、北村匠海(Vo、Gt)、矢部昌暉(Gt、Cho)、橘柊生(DJ、Key)、泉大智(Dr)からなる4人組のダンスロックバンド。結成 10周年の記念日となる2021年12月25日(土)にアニバーサリーイヤーへと突入。この10年間で数々のライブを彩ってきた楽曲たちを現在の自分たちの歌と演奏でリテイクする「再青」プロジェクトを進行させる一方で、2022年8月27日(土)には、山梨県・富士急ハイランド・コニファーフォレストで3度目の開催となった野外ワンマンライブ『DISH//SUMMER AMUSEMENT ’ 22 -PLANET-』を大成功に収め、バンド結成11周年を迎える同年12月24日(土)と25日(日)に、大阪・大阪城ホールと東京・国立代々木競技場 第一体育館にて、初の単独アリーナ公演『DISH// ARENA LIVE 2022』を行うことを発表。両日ともにチケット即日はソールドアウトとなっており、10周年イヤーの集大成となる代々木第一体育館でのアリーナ公演の模様は、WOWOWでの独占生中継も行われた。
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開演の18時を過ぎ、重厚かつエッジーなSEが流れ始めると、舞台上のLEDスクリーンに本公演のライブタイトルである“音”と“楽”の文字が入った陰陽マークが映し出され、ゆっくりと回転し始めた。やがて、円形のステージがいくつもレイヤードされた舞台上にスモークが焚かれ、眩しい逆光が放たれる中、赤の衣装で統一したメンバーがそれぞれの位置へと着くと、場内から大きな拍手が湧き上がった。そして、泉がカウントをアリーナに鳴り響かせ、矢部がギターを奏で、北村がハンドマイクを手に語るように歌い始め、橘が声を重ねた。オープニングを飾ったのは、会いたい人と会えなくなった季節に発信されたDISH//からの応援歌「僕らが強く。」だ。ステージ前方にはトーチが揺れる中、生きることを諦めないで欲しいというメッセージを込めた歌声は次第に熱を帯びていく。さらに、橘の手拍子に合わせて、観客もクラップを打ち鳴らして演奏に参加。北村が空に手を掲げ、輝く光をしっかりと掴むと、そこからシームレスに「ルーザー」「No.1」とアグレッシヴなロックチューンを連発し、フロアの熱気を一気に引き上げた。負けてばかりだった過去を振り返りながらも今、ここにいる自分を見極める「ルーザー」から、人差し指を高々と掲げ、自分たちのやり方で未来へと前進し続ける決意を込めた「No.1」という流れによって、DISH//のこれまでの歩みとバンドとしての姿勢を一気に示してみせた。
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ここで、「10周年イヤーが終わり、11年目に突入しました!」と報告した北村が、さまざまなリズムを口で発し、観客がクラップで応えるコール&レスポンスが実現。エレキギターを抱えた北村が「おいしく食べてね」と囁き、橘のラップとスクラッチが炸裂し、泉が「いただきます!」と笑顔で締めるロックンロール「I’ m FISH//」も会場が一体となったクラップと釣り竿を投げる手のフリで大きく盛り上がった。
その後のMCでは、北村が満員の会場を見渡し、「僕らにとってはものすごいことが起きてます。ここは代々木第一体育館です。もう夢のような光景が広がっています。DISH//を好きになってくれた人がこんなにいるなんて」と感嘆の声を上げた。続く、「Brand new day」は北村が出演するCMソングとして橘が書き下ろした新曲。一人で過ごす華金の素晴らしさをテーマにした、80年代のポップソングを想起させる軽やかで気だるいサウンドで、橘と矢部のコーラスワークも印象的だった。そして、あいみょん提供の関西弁によるラブソング「へんてこ」を経て、<今しかない、この一瞬を生きようぜ>というメッセージを込めた「This Wonderful World」では、泉が煽るバスドラの4つ打ちに合わせてフロアから大きなクラップが湧き上がり、楽器を演奏しながら踊る“ダンスロック”パートへと突入。「BEAT MONSTER」ではエレキギターを弾きながら軽やかなステップを踏む北村と矢部に橘も加わって歌い、踊り、花道では3人が向き合ってのヘドバンも繰り出した。さらに、矢部のターンでお馴染みの「NOT FLUNKY」では矢部が花道を全力疾走し、時に奇声をあげて大暴れ。思わず笑顔になってしまうようなステージングで観客を沸かせた。
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ライブの中盤では、北村が「あっという間に1年が過ぎてますが、ちゃんと立ち止まって、後ろやら前やらを見る1年にしようというテーマでした」と10周年のアニバーサリーイヤーを振り返り、「DISH//の未来のことをいっぱい考えて、僕たちが歩んできた道も1日1日確認しながら今日にたどり着きました。本当にかけがえのない1年でした」と感慨深く語った。そして、「本当に無駄な日は1日もないし、今日という日も2度と味わえない」と続け、「戻れないからこそ、明るい未来は存在するんだと願いながら歌いたい」と語り、第89回「NHK全国学校音楽コンクール」中学校の部の課題曲として書き下ろしたロックバラード「Replay」へ。メリハリの効いたダイナミックな演奏で観客の心に真っ直ぐにメッセージを届け、ドラマ主題歌として北村✕泉コンビが書き下ろした楽曲「しわくちゃな雲を抱いて」ではしなやかで強く、優しい歌声で表現。「SAMURAI BLUE 新しい景色を2022」公式テーマソングに起用された「DAWN」では、ファイアーボールが立ち上がる中、ハンドマイクを持った北村はひとり、花道に歩みを進め、カタルシスのあるドラマチックな展開を見せた。
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そして、彼らの知名度を一気に引き上げた代表曲「猫」を丁寧にエモーショナルに歌い上げると、2023年2月に発売予定のアルバム『TRIANGLE』に収録されている未発表の新曲「ブラックコーヒー」を初披露。続いて、泉の激しいドラミングに合わせて、彼の乗ったステージだけがリフトアップされると、怒涛のラストスパートへとなだれ込んでいった。北村と橘が花道でフルパワーでマイクをぶつけ合う「B-BOY」。<今日は一度きり>というフレーズに加えて、バンド結成初期の曲名が盛り込まれた「皿に走れ!!!!」。メンバー全員でマイクを回し、観客全員がタオルを回した「東京VIBRATION」。さらに、フロア全体が大きく飛び跳ねる「JUMPer」とライブの鉄板を連発するとフロアの熱量は最高潮に達した。
クライマックスを前に、北村が「DISH//が始まって10年、そして、11年目がスタートしました。中学2年生の時にDISH//が始まり、高校生の時に初めて武道館に立ちました。そこから夢をえることを覚えて、同時に、夢を失う経験もしました。いろんな出会いや別れ、幸せな思いも、苦しい思いもいっぱいしてきました」とこれまでを回想し、「それでも、そんな日々が今日という日を作ってると思うと……なんて最高な10年だったんだろうと思います」と胸を張った。さらに、「10年先にどんな未来が待っているか、全く想像できないけど、10年前に今の自分を想像できなかっただけに、この先の10年も楽しみです」と未来への抱負を語った。本編のラストナンバーは大切な人への感謝を綴り、さらには受験生のテーマソングとしても知られる「沈丁花」。DISH//はダンスロックバンドとして観客を踊らせるだけでなく、楽曲自体のメッセージ性が観客の心を打つものであることを証明してみせた。
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アンコールでは、北村が“遺書”をテーマに書き下ろした「五明後日」を熱唱したあと、「僕らはまだ自分だけのスタイルなんて手に入れられてないし、迷ってばかりかもしれないけど、それでもいつまでもいつまでもDISH//として走り続けることを約束させてください」と誓い、バンドの始まりの曲である「It’ s alright」をプレイ。最後に、スモークバブルが場内を舞う中で、<これからもよろしくね>と等身大で伝える「乾杯」でフロア全体に穏やかで温かな幸福感を振り撒き、大きな拍手とともに大団円を迎えた。結成10周年を経て、ライブバンドであることを示し、ロックバンドとして勢いを増していく彼らから目が離せない。
なお、DISH//は、2023年2月1日(水)に、この日に初披露した新曲「ブラックコーヒー」を含む通算5枚目となるフルアルバム『TRIANGLE』をリリースする。また、終演後には、全国16箇所18公演に渡る全国ホールツアーの開催も発表された。

文=永堀アツオ 撮影=Ray Otabe

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