水樹奈々

水樹奈々

【水樹奈々 インタビュー】
全てがつながっていて、
ストーリーを感じていただける
パッケージ

ガイシホールは自分にとっての
ご褒美のようなステージだった

そして、『HOME』はアメリカ西部のようなセットが印象的です。

“HOME”というタイトルは『RUNNER』のステージに立った時に感じた、“ライヴは私たちのホームグラウンドなんだ”という想いをそのままタイトルにしました。有観客ライヴができるようになるまで約2年という長い道のりがあって、特にツアーは3年振り。本当に大変な道のりを経て、ようやく我が家に帰ってくるというイメージからバックパッカーが世界中を旅し、アメリカの広大で過酷な道を歩いて家路につく映像が浮かび、アメリカ南部から西部にかけてのイメージでセットを作っていただきました。

1曲目が7枚目のシングル曲「New Sensation」で、これには意表を突かれました。

みなさんからも意外な選曲だったと言われました。アルバムを引っ提げてのツアーでしたが、いきなり新曲だと構えてしまう。久しぶりにライヴに参戦される方も多いのではと思い、まずはライヴでたくさんパフォーマンスしてきた「New Sensation」で、みんなに安心して楽しんでいただけるようにと選曲しました。しかも、サビの歌詞に《一度きりの人生 楽しむべきだよね絶対》というフレーズがあって、コロナ禍でたくさん我慢を重ねてストレスが溜まっていた今、より響くメッセージになると思ったんです。

このツアーでは『初めての○○』という日替わりコーナーも観どころでした。8月7日のさいたまスーパーアリーナでは“初めての作詞曲”として「つばさをひろげて」を披露していました。

日本ガイシホールの千秋楽では“初めてのキャラクターソング”で「Girl's Age」という曲を歌わせていただきました。声優デビュー作となったゲーム『NOëL 〜La neige〜』から派生した「タスクランチャー千紗都だよ!」というデスクトップアクセサリーの特典CDで、門倉千紗都役で歌わせていただいた曲です。たぶん約20年振りに歌ったと思います(笑)。本当に懐かしい気持ちになりました。

ちなみに他の会場ではどんな“初めて”を歌ったのですか?

茨城では“初めて人前で歌った曲”として高峰三枝子さんの「南の花嫁さん」を歌いました。父親に教わって、5歳の時に歌った曲です。あと、“初めてのソロライヴの1曲目”や、“初めてのアニメ主題歌”など、本当に懐かしい曲をたくさん歌わせていただきました。

久しぶりの乗り物としては、キャデラックならぬ「Nanallac(ナナラック)」が登場しました。

大道具さんがめちゃくちゃ気合いを入れて作ってくださって! 既製の車をベースに改造したのかと思ったら“ゼロから作りました”と。“車って自分で作れるんだ!”と驚きました(笑)。いつかアメ車に乗って登場するのが憧れで、その時は女の子だけでセクシーに箱乗りしたいと思っていたので長年の夢が叶いました!

カジノっぽい演出があったり、team YO-DAのみなさんの紹介映像の中で怪盗になった流れから、奪ったお宝をナナラックに積んで走り去るみたいな。「ダブルシャッフル」からの流れはエンターテインメントショーのような煌びやかさがありました。

“ダブルシャッフル”というタイトルはカードゲームがモチーフだったので、「MARIA & JOKER」とつなげて、ここはラスベガスゾーンにしようと。お宝を手にしてキャデラックで勝利の凱旋ができたらカッコ良いんじゃないかとか、いろいろな妄想が膨んで(笑)。そこから「GUILTY」「DNA -Dance ‘n’ Amuse-」とダンス曲に突入するのですが、お宝を盗んだあとに「GUILTY」というのもストーリー性があるなと。

あと、アメリカンコメディーの映像に水樹さんとゲスト声優が吹き替えをした『HELLO HAPPY HOME 〜今日はパパの誕生日〜』は、会場ごとにゲスト声優が替わるという凝りようで。

今回のツアーは5カ所10公演だったので各会場でゲストを迎え、2デイズで役を入れ替え、全10パターン収録しました。ガイシホールは堀内賢雄さんに参加していただきました。快くオファーを受けてくださって本当に嬉しかったです。私、賢雄さんのあの中低音ヴォイスが大好きなんです! ただ、2デイズで役が入れ替わるので、賢雄さんがママ役や子ども役もやってくださって(笑)。

アドリブ感がすごかったです。

台詞の尺があるので、その中に収まるようにベースの台本をアレンジしてくださって。賢雄さんは“今までやったアフレコの中で一番難しかった”とおっしゃっていました(笑)。宮城では日髙のり子さんが参加してくださって、『タッチ』の南ちゃんやETCの声など、たくさんの名言をいただきました。ETCのパロディーで“次の曲が挿入されました”という台詞に笑いが起きる中、激アツハイパーな「FIRE SCREAM」が始まるという(笑)。特典映像として全パターン収録されていますので、こちらもぜひ観ていただきたいです。

そして、この日唯一のバラードがアルバムに収録の新曲「Stand by you」でした。

気づけばバラードは1曲でした(笑)。コロナ禍でさまざまな不満やストレスを抱えているみなさんの心に寄り添える曲を作りたいと思って制作した曲だったので、『HOME』の温かい空気の中で直接届けることができて嬉しかったです。日本ガイシホール公演の2日目の幕が上がった時は、本当に“無事ここまで来ることができた!”と、無事に最終日を迎えられた安堵感と喜びがこれまで以上にありました。この夏は感染者数がまた増えていた時期だったので、対策をより強化して慎重に慎重を期して、私も家と仕事現場の往復しかしていませんでした。この日は自分にとってご褒美のようなステージになりました。

そして、長い道のりを経て我が家に帰り、また新たな旅に出ます。次の目的地は2023年1月開催の『NANA MIZUKI LIVE HEROES 2023』です。

『HOME』ツアーが終わってすぐ、9月から打ち合わせを始めてセットや演出は続々と進行し、セットリストは熟考を重ね、先日ようやく決定しました! 実は“HEROES”というタイトル、8月21日の日本ガイシホールの楽屋で決定したんです(笑)。

水樹さんがこれまで携わってきたアニメなどの作品からヒーローやヒロインにまつわる曲を歌うという、とても楽しみな2日間ですね。

はい! それにプラスして、ヒーローやヒロインを連想させる曲もラインナップされています。21日は“LIGHTNING MODE”、22日は“BLADE MODE”というサブタイトルがついていて、もうネタバレ臭がプンプンするネーミングになっておりますが、各日のキャプテンとなるヒーローは“あのふたりですね!”というみなさんの推察どおりです(笑)。いろいろ妄想を膨らませて、楽しみにしていていただければと思います。きっとみんな一緒に歌いたくなる曲ばかりで、また“水樹、鬼!”って言われそうです(笑)。かなり激しい内容になっておりますので、お正月は食べすぎないように気をつけて、体調を万全に整えて遊びにいらしてください。

取材:榑林史章

Blu-ray&DVD『NANA MIZUKI LIVE HOME × RUNNER』2022年12月21日発売 KING RECORDS
    • 【Blu-ray】
    • KIXM-517~20
    • ¥10,890(税込)
    • ※初回特典:SPECIAL BOX
    • 【DVD】
    • KIBM-934~9
    • ¥10,890(税込)

ライヴ情報

『NANA MIZUKI LIVE HEROES 2023』
-LIGHTNING MODE-
1/21(土) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ
-BLADE MODE-
1/22(日) 埼玉・さいたまスーパーアリーナ

水樹奈々 プロフィール

ミズキナナ:声優、歌手として高い人気を誇る。声優としてのデビュー作は1997年のプレイステーション用ゲーム『NOёL〜La neige〜』門倉千紗都役。歌手としては2000年12月にシングル「想い」でデビュー。09年6月に発売された7枚目のオリジナルアルバム『ULTIMATE DIAMOND』で声優として初のオリコンチャート1位を獲得し、11年12月と16年4月には東京ドーム2デイズライヴも大成功に収めた。水樹奈々 オフィシャルHP

「No Rain, No Rainbow」
(NANA MIZUKI
LIVE RUNNER 2020 → 2022)

「ダブルシャッフル」
(NANA MIZUKI LIVE HOME 2022)

「Synchrogazer」
(NANA MIZUKI
LIVE RUNNER 2020 → 2022)

「NANA MIZUKI
LIVE RUNNER 2020 → 2022」
ダイジェスト映像

12.21 ON SALE
「NANA MIZUKI
LIVE HOME × RUNNER」Trailer

水樹奈々 2023.1.21-22
「NANA MIZUKI LIVE HEROES 2023」
開催!!

OKMusic編集部

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