古川雄大「前回よりさらに凝った内容
に」~構想や豪華ゲスト陣についても
聞いた『古川雄大 The Greatest Con
cert vol.2』インタビュー

2022年4月に開催され、好評を博した古川雄大のミュージカルコンサートの第2弾『古川雄大 The Greatest Concert vol.2 -A Musical Journey-』が、2023年2月17日(金)~26日(日)、東京・日本青年館ホールにて行われる。
初となった前回の公演では、古川が出演したミュージカル作品のナンバーを中心に披露し、自身のヒストリーを凝縮した内容となったが、第2弾は「ミュージカルの歴史を辿る旅」をコンセプトに、全てのミュージカルファンが楽しめるコンサートとして、新たな世界観を立ち上げる。また、今回も豪華ゲスト陣が日替わりで出演。連日繰り広げられるその日限りのコラボレーションにも注目だ。
前回からさらに進化し、見どころたっぷりになりそうな本コンサートについて、古川に構想や意気込みを語ってもらった。
古川雄大
■壮大なミュージカルの歴史を辿るコンサートに
ーー早くも第2弾が開催となりますが、公演が決まった時のお気持ちはいかがでしたか。
実は早い段階からお話は聞いていたのですが、「もう第二弾をやらせていただけるんだ!」という驚きと歓びがありました。内容をもっと凝りたいという思いがあったので、時間が足りるのか最初は不安でしたが、打ち合わせを重ねる中で新しいビジョンが見えてきて、その不安は払拭されていきました。今は期待しかないです。
ーー凝った内容に、とのことですが、具体的にどのような構想が浮かんでいますか。
自分で言うのもという感じですが、前回の内容がとてもよかったんです(笑)。いろんな方が関わってくださり、様々な意見を取り入れて作ったので、精度の高いセットリストになったと思います。1部はMCを入れず全て歌で繋いで、2部はまた空気が一変していろんな要素が入りポップな感じになって、そのバランスが唯一無二なものになったような気がして。なので、それに匹敵するものを新たに作りたいなと思っています。今回は「今まで歌ったことがない曲を披露する」というのがひとつの売り文句になっています。もうひとつ注目していただきたいのは「ミュージカルの歴史を旅する」というコンセプトです。前回は“古川雄大の歴史”を辿った内容になりましたが、さらに膨らませて、壮大なミュージカルの歴史を追っていく——、という部分も見どころになるので、僕のことをあまり知らない方にも喜んでいただける内容になるんじゃないかと思います。
ーー“ミュージカルの歴史”となると、その範囲も気になるところですね。
ミュージカルが誕生したところからになるので、おおよそ100年前から遡って年代順に追っていくような形になります。ミュージカル初心者の方でも、どこかで聞いたことがあるような耳なじみのある楽曲を取り入れているので、飽きない構成になっているはずです。
ーー前回のコンサートでは『Dear Evan Hansen』の「Waving Through a Window」など、英語詞の曲も披露されていましたが、今回も英語で歌う曲はありそうですか。
そうですね、今回も英語の曲は入ってくる予定です。「Waving Through ~」に関しては、コンサートをするずっと前から覚えていた曲だったのでとくに問題はなかったのですが、今回は新規に覚える曲もあるので、発音も含めてけっこう大変そうだな、挑戦だなと感じています。
ーー『マンマ・ミーア!』の「ダンシング・クイーン」、『アニー』の「トゥモロー」など女性が歌うナンバーの歌唱も素敵で印象的でした。こちらも期待できそうでしょうか。
はい。しかも今回いいですよ、かなり。まだ1回リハーサルをした段階ですが、すでに手応えを感じています。そもそも僕自身が女性の曲を男性が歌うのを聴くのが好きなんです。こちらもぜひ楽しみにしていてください。
古川雄大
ーー演出と振付は、桜木涼介さんです。これまでもミュージカル作品でご一緒されていますが、桜木さんの印象はいかがですか。
涼介さんとは、小池(修一郎)先生の作品でよくご一緒させていただいていますが、先生の言葉を受け止めて瞬時に修正するという、高いスキルが求められることをいつもされている方なので、僕はすごく信頼しています。ご自身の構想を持ちつつも、周りの意見を汲んでくれる寛大さもある方です。今出演している『エリザベート』でもご一緒していて、コンサートのお話もさせていただいたのですが、すでにご自身の中でイメージが出来上がっていらっしゃる感じがありました。その愛情とエネルギーに負けないようにしなければ、と身が引き締まる思いです。
ーー前回は2幕の冒頭で披露されたダンスシーンも盛り上がりました。今回も踊る古川さんを観られそうですか。
けっこう踊ると思います。僕が「無理です」って言わない限りは(笑)。前回は限られた場面でしか踊っていませんでしたが、今回は1部からもダンスをお見せできる構成になっていくと思います。そこも見どころのひとつですね。
■豪華ゲスト陣とは、観客の期待に応えたナンバーを
ーー今回も豪華なゲスト陣が集結しましたが、どのようなステージになりそうでしょうか。日程順にお聞かせください。初日は大野拓朗さんですね。
拓朗くんとは、同じルドルフ役で出演した『エリザベート』のナンバーや、Wキャストとして主演のロミオを演じた『ロミオ&ジュリエット』の曲を聴きたいと思ってくださっているお客さまが多いと思うので、やはりその期待に応えられたらと思っています。
ーー続いて、平野綾さんはいかがでしょうか。
平野さんとは『レディ・ベス』という作品でご一緒したのが初めてでしたが、主役としてのパフォーマンスが素晴らしくて、同い年ということもあり刺激をいただいていました。その後『モーツァルト!』で共演した際は、舞台上で支えてくれて、助けてもらったことがたくさんあったので、コンサートという場でもぜひご一緒してみたいなという思いでお声がけしました。
ーーその次の回は昆夏美さんです。
昆さんとはこれまで二作共演しているのですが、舞台上ではあまり一緒に歌っていないんです。なので、いつかちゃんとデュエットさせていただきたいなという思いがありました。あと、歌声が本当に素晴らしいですよね。歌をよく聴いています。
ーー上原理生さんはいかがでしょうか。
理生くんとの共演は『1789 -バスティーユの恋人たち-』だけですが、楽屋が一緒だったのもあり、実は仲がいいんです。年齢は一歳しか変わりませんが、尊敬する素敵な方です。理生くんとのトーク、すごく楽しみなんです。たぶん、いちばんわちゃわちゃする回になるんじゃないかな(笑)。
古川雄大
ーー続いて、三浦涼介さんです。
りょんりょん(三浦涼介の愛称)の日は、『1789~』で同じ役を演じたロベスピエールの曲や、『エリザベート』の曲をきっとお客さまは望まれていると思うので、ぜひその期待に応えられたらと思っています。
ーー木下晴香さんは、前回に引き続きのご出演ですね。
木下さんとは共演してきた関係性もあって、前回だけでは(曲を披露する)時間が足りなかったので、もっと一緒に歌えたらという思いもあり、今回も声をかけさせていただきました。
ーー渡辺大輔さんは、旧知の仲でいらっしゃいますね。
大ちゃん(渡辺大輔の愛称)はいちばん仲のいい人です。テニミュ(ミュージカル『テニスの王子様』)から数えると15年の付き合いになるので、きっと「間違いない回」になると思います。
ーー千穐楽は前回に続き明日海りおさんが出演されます。初共演を経て距離は縮まりましたか。
実は前回の公演以来、お会いしていないんです。でも、僕は2回目の共演から仲良くなれるタイプなので、また楽しい時間を一緒に作っていけたらと思っています。
ーーお2人の独特なゆるふわトークが面白かったです(笑)。
(客席で観ていた)小池先生からは、「なんとも言えないトークだったね」という感想をいただきました(笑)。愛情のあるお言葉として受け止めましたけれど。僕としては、ゆったりとした空気が流れてお客さまに喜んでもらえた時間になったのかなと思っています。明日海さんとはまだまだいっぱい喋りたいことがあるので、次回も楽しみです。
■コンサートの経験が自信につながった、二度目のトート役
ーー直近の舞台の出演作についてもお聞かせください。先日『エリザベート』の東京公演を終えられましたが(取材時)、前回トートを演じられた3年前とでは、ご自身ではどのような変化を感じられましたか。
前回とはまた違うものになったと思いますし、ステージに立つ居方みたいなものも少し変わったように感じます。自信が付いたところも無くなったところも、両方あると思います。
ーー東京公演を拝見しましたが、歌の迫力が増して、トートのキャラクターがより濃くなった印象を受けました。
歌の技術に関しては、やはり前回のミュージカルコンサートを経験したことが大きかったです。歌うことにひとつ自信が付いたというか。トートの表現については、一つひとつの感情を明確に伝えようという意識があったので、それが存在感の大きさにつながっていったのかもしれません。
古川雄大
ーー最後の幕切れの表情も、前回よりはっきりされた印象があります。あの場面のトートとしての感情の芯はどこにあるのでしょうか。
自分の中では明確にあるのですが、僕自身も「どんな感情になるんだろう?」と思って毎回演じているので、日々ちょっとずつ変化しているとは思います。愛する人を手に入れたけれども、結果的に失ってしまう、それでも“死”として生きていく——というイメージが大枠にありながら、そこにプラスアルファの感情を乗せて、というのを意識して演じているところはあります。
ーー“若手の登竜門”とも言われているルドルフ役は、古川さんもこれまで三回演じてこられた役ですが、今回演じている甲斐翔真さんと立石俊樹さんのルドルフは、トートとして対峙してみてどのような印象をお持ちですか。
翔真の場合は、ものすごくリアルな役作りをしていると言いますか、「実際にこういう人だったんじゃないか」と思わせられるぐらいのエネルギーで演じているように感じます。なので、トートとしては力で引っ張っていくような感じですね。立石くんの方は、「この作品においてのルドルフ」をしっかり理解して作っているような、とても儚い印象があるので、そっとそばで誘導するような感覚になります。2人ともまったく違うタイプのルドルフなので、演じていて面白いです。
2人とは出番前に毎回ハグしてから出ているのですが、真っすぐですごくいい子たちなので、何か助けてあげられることがあればといつも思っていますし、僕自身も彼らから刺激をもらえたらいいなと思っています。
ーー今年も様々なフィールドでご活躍されていましたが、古川さんの2022年を“色”に例えると?
とてもカラフルな一年でした。久しぶりのストレートの舞台や、初めてのミュージカルコンサート、『恋と弾丸』というドラマではこれまで経験したことがないようなキャラクターを演じさせていただきましたし……レインボーみたいな感じです。でも、その中でそれぞれの作品、役に対して情熱的に真っ赤に燃えていたところがあるので、“赤が多めのレインボー”、といったところでしょうか(笑)。
ーー抽象的な質問にお答えいただきありがとうございます(笑)。来年のご活躍も楽しみにしています! 最後に、コンサートを楽しみにしているお客さまへメッセージをお願いします。
僕の活動を見てくださっている方には、「ミュージカルにはこんな楽曲もあるんだ」と新たな楽曲に触れ合える機会にもなり、新鮮に感じてもらえるショーになると思います。ミュージカルに馴染みのある方には、きっと「なるほど」と思ってもらえるセットリストになっているのではないでしょうか。1部と2部のカラーの違いも楽しんでいただけると思いますし、前回とは違った、新しい世界に客席の皆さまを誘えるように頑張りますので、ぜひご期待ください。
古川雄大
取材・文=古内かほ    撮影=池上夢貢

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